唯人
あれから1週間後に
彼女の病室へ訪れた。
その時に気づいたが
ここの病院とあの公園は
隣接していることを知った。
瑠璃
僕にはまだもう1つ彼女に
渡さなければ行けないものがある。
唯人
僕はスマホの画面を彼女に見せた。
瑠璃
唯人
彼女にスマホを渡し、
読んでいる姿を眺める。
緊張して、そわそわした。
彼女は黙々と読み進めている。
その視線は真剣だった。
僕の書いた物語が短編ということもあるが
それでも読み終わるスピードは速かった。
瑠璃
瑠璃
瑠璃
拙い僕の小説を褒めてくれた。
褒めて貰えて嬉しくないはずがない。
が、昔の嫌な記憶が蘇る。
唯人
瑠璃
瑠璃
唯人
瑠璃
唯人
唯人
話を遮るように僕は言う。
僕は彼女の続きの物語を見たくて仕方ない。
読むのにかかった時間は約2日。
彼女は流石といっていいほどの
言葉の選び方と、話の展開。
あっという間に彼女の世界に 飲み込まれていた。
ただとても中途半端なところで
起承転結の
"転"で終わっていた。
当たり前だが
とても良いところで終わっていたのだ。
瑠璃
瑠璃
彼女は一体何を考えているのだろうか。
"青春らしいことをしたい"
これが彼女の言い分だった。
青春とかけ離れている生活を している僕には
どんなことが青春なのか分からなかった。
唯人
普段なら絶対踏み入れない地へ
足を踏み入れ、慣れない注文をする。
どんな味なのか全く分からないものを
頼み、それを受け取る。
もちろん僕の意思ではない。
最近の若者はこれをよく飲んでいるらしい。
2つで1000円を余裕で超えており
他の人たちはどこからこれを払える
余裕が出てくるのかが不思議に思う。
受け取ったものが崩れないように
慎重になりながらも
溶けないうちに
彼女の元へと持っていく。
唯人
瑠璃
袋から取り出し
崩れていないことを確認してから
彼女に渡した。
ゆっくりと席につき
心を落ち着かせる。
初めてのことをしたせいで
凄く疲れている。
彼女の方を見ると
"飲んでもいい?"と言わんばかりの
表情でこちらを見てくる。
唯人
彼女は嬉しそうに1口飲んだ。
瑠璃
瑠璃
まだ飲んでいないラテを渡す。
瑠璃
瑠璃
彼女からラテを受け取り
1口飲む。
飲んでみても
桜という味はよく分からなかった。
唯人
彼女と待ち合わせしていた場所は
病室ではなく 彼女と偶然出会った東屋。
瑠璃
瑠璃
フラペチーノの飲む速さはとても速く
既に半分程になっている。
瑠璃
急に僕にお金を渡してきた。
瑠璃
唯人
瑠璃
僕は無理やり押し付けられたお金を
受け取った。
瑠璃
次に彼女の元へ来た時は
ノートと教科書を開き
勉強を始めようとしていた。
唯人
瑠璃
瑠璃
瑠璃
瑠璃
瑠璃
これも彼女の青春の1つらしい。
みんなで授業を受ける。
ことは出来なくても
ワンツーマンで授業を受けることも
青春に入るらしい。
僕はそんな彼女の為に
一生懸命教えた。
瑠璃
彼女は机に顔を伏せ倒れ込む。
最初のやる気が嘘みたいだ。
瑠璃
唯人
時間的にまだ20分も経っていない。
少しからかうように僕は言った。
瑠璃
瑠璃
瑠璃
彼女は正直に白状した。
あまり人に勉強を教えたことがないので
自分の教え方が良くないのではと
少し不安に思いながらも
1からゆっくりと説明した。
彼女は弱音を吐きながらも
真剣に聞いてくれていた。
その日のノルマを無事終わらせることができ
一安心する。
瑠璃
大きく腕を上に上げながら
残りの気力で呟く。
そろそろ日が落ちる頃で
僕は帰る支度を始める。
彼女はノートを片付けることはなく
ただパラパラと
今日のノートを見返していた。
瑠璃
気のせいだと思うが
そんなようなことを呟いているのが
聞こえたきがする。
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