ー1905年の白い君へ
僕が君と出会ったのを覚えているかい?
4:32
日が沈み出した頃、マッチ1本指に挟み、雪に足跡をつけ駅に向かった
僕は人間が憎い
あの温もりが毛穴の隅々まで入る感覚が
僕は憎い
この場所の寒さにはマッチ1本の温もりで
僕は十分
だと思っていたー
君を目に写すまでは
すべてが黒く見えた
5:13
僕は人里から離れた
灯も雑音も次々と増えることに気づかずにはいられないほどに
だんだんと吐き気がしてくる
その考えを胸に押し殺して今夜眠る場所を探しにゆく
しばらくして僕は街角の屋根が着いた玄関が目に入った
︎︎
ここにしよう。
僕は壁に背を持たれかかせて一息をついた
こんなに冷え凍る夜でも
マッチ1本だけが僕の味方だ
突然眠気に襲われそうになっていると2人の連中の話し声で考えを遮られた
おそらく50代のおじいさんだろう
雪を踏む音が近づくのに気づきながらどうせくだらない人生話だろう
と
しぶしぶ耳を傾ける
すると
見知らぬ連中1
なぁ…この街もすぐに焼き上がると思わないかい?
見知らぬ連中2
あぁ、当然の事だ。
見知らぬ連中2
軍隊は脆すぎる。あんな若いのじゃ勝てる気がせんなぁ…。
見知らぬ連中1
はっはっはっ、そうだよなぁ…歴史を背負うには背中が小さすぎるんだ
見知らぬ連中2
ああ
見知らぬ連中1
さ、時間が無い。今夜軍隊の発表を見に行こう
見知らぬ連中1
君の息子も出ているのだから見逃す訳には行かないのぅ…
見知らぬ連中2
ああ、最後まで見まもると決めたからな
見知らぬ連中1
さすが村の偉人やぁ
2人は肩を並べて笑い声を上げ雪に紛れて姿を消した
僕はそこに固まったまま明らかに好奇心が駆られたのだ
そうだ
もうすぐ戦争が始まる
僕は素早く立ち上がり連中の背中を追いかけた






