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ピーッピーッピーッ―……
ガチャガチャッ
私が仕事から帰宅する17時頃、自宅の駐車場に車を停めた後、22時半になるまでの間、車の中で携帯をいじるのが私の習慣になっていました。 私が車の中で長時間、時間を潰すようになったのには理由がありました。
家は母と祖母、弟の4人暮らしで、弟が夜勤なので晩ご飯は弟に合わせていつも20時に食べるのです。母の帰りは遅いので、ご飯はいつも祖母が作ってくれていました。きっとそれも祖母にとってはストレスになっていたんだと思います。 私はよく祖母と言い合いになっていました。それが嫌で、祖母が大体いつも就寝する22時半頃まで時間を潰して家の中に入ってました。
その日もいつも通り車の中で時間を潰している時でした。
私
─ 19時頃 ─
私
その頃の私は転職し、慣れない仕事のせいか、いつも家に帰り着く頃には眠くなっていました。
私
大きなブランケットを頭からかぶり寝ていました。
─────……
私
私
私
ガシャン!
いつもなら車で寝ていても、時間になったら家の中に入っていました。しかしこの日、私は何故かすごく眠くて二度寝してしまいました。
────……
私
(薄く目を開けて)チラッ
私
私
私
─サクッサクッサクッ──
私
私の家の駐車場の隣には、田んぼに行くための坂道がありました。その坂の入口付近にゴミ出し用の回収箱のようなものが置いてあり、家の駐車場の芝生を通っていく方がよく居ました。 今回のこの音もそうだろうと思って特に気にしてはいませんでした。 しかし……
サクッサクッサクッサクッ……
私
回収箱にゴミ袋を入れる時は、金属製の蓋があり、それを開ける時は凄い大きな音がするのです。その音が聞こえなく、もしかしたら祖母が洗濯物を干しに来たのかな?と思いました。
私
私
私
その時あることに気がついたのです。
この足音がずっと私の車の周りを歩いていることに。
サクッサクッサクッサクッサクッ
私
サクッサクッサクッサクッサクッ
私
幸いブランケットを頭まで被っていますし、車の鍵も閉めている。このままこの出来事に気づいていないフリして寝たフリしておこう。 そう思っていました。
サクッサクッサクッサクッ
私
私
サクッサクッサクッ……
私
急に足音が止まり、頭の中が「?」と「怖い」でいっぱいだった私は、その足がどの辺で止まったかが分かりませんでした。
とにかく怖かったので、そのままブランケットを被ったまま動かず周りの音に集中してました。
ドンッ!!
私
私
私
───…
その窓を叩く音が聞こえたのが怖くて私は必死に目を閉じて知らないふりをし、寝たフリを続けてました。
─────…
カチャカチャ──
私
私
気がついたら朝になっており、祖母が洗濯物を干していました。 その音が聞こえたことですごく安心し、ブランケットから顔を出して、車を出て家に上がることにしました。
私
祖母
祖母
私
私
祖母
─────…
結局、あの足音や窓を叩いた正体は分からないままでした。 祖母に聞いても、そんな時間に洗濯物を干すわけないし、窓を叩く必要が無いだろうと言われてしまいました。
その話を母にした時に思いだしたのですが、窓を叩かれた後、そこを立ち去る足音がしなかったのです。私の車が停っているところから立ち去るためには、どう考えても芝生の上を歩かなくてはいけない為、足音が「サクッサクッ」とするはずなのです。
それがあってからは、車の中に暗い中一人でいるのが怖くなり、大人しく家に帰り着いたら上がることにしました。 ご飯作りも私と祖母で交代で作るようにしたりして、現在は今までどうり仲良く話せるようなりました。
もしかしたらご先祖さまが「このままではいけない」と、私に伝えに来たのかもしれません。 それにしても、未だに思い出すと怖いですし、あの時、車の鍵を閉めていて良かったと心から思います。