20XX年、街はゾンビで覆い尽くされた。
ゾンビ1
ウ゛ぁ…
ゾンビ2
ァヴヱゑ…
陽樹
…クソ
外に溢れかえるゾンビを見て、窓を叩く少年。
鈴江陽樹。彼には、大切な人がいる。
陽樹
咲世、無事でいてくれ…頼む
彼の彼女、浅川咲世。
彼女は、汚染注意隔離地区に住んでいて、安否は確認できない。
ゾンビ1
ヴァァァァ!
陽樹
!?もうここまで…!?
ドン、という鈍い銃声。
謎の女
ふー…大丈夫?
陽樹
……あ、ありがとな…
謎の女
いいってことよ、大丈夫?
陽樹
お、おう。
ゾンビ1
…
陽樹
あ…
ゾンビの亡骸を見て、思わず目を伏せる。
謎の女
…?あ、’’これ‘‘は私が片付けとくよ
陽樹
あ、ああ…
謎の女
…よいしょ、っと…じゃあ__
慣れた手つきでその女は帰ろうとした。彼は、思わず声をかけた。
陽樹
あ、あの、ちょっと待ってくれ!
謎の女
ん?
陽樹
…僕、鈴江陽樹、です。あの、あなたの名前は…?
謎の女
あは、初めてだよーこの仕事して名前聞かれるのー
陽樹
え…
謎の女
私は、晴夜市汚染警備係警察課、浅_
ピピピピピピ
陽樹
…?
謎の女
ん、あぁ、ちょっとごめんね?
謎の声
…浅……、聞こえ…か!?
謎の女
大田さん、落ち着いて、電波が悪いみたいです
謎の声
浅…、雨…市に応援…む!
陽樹
…。
謎の声
…が、……!…む!…けて…れ!
謎の女
!?大田さん、大田さん!?
謎の女
…くそ…
陽樹
あの…?
謎の女
ごめん!名前はまた会ったときに!
タッタッタッタッ…
陽樹
…何だったんだ…
陽樹
あ!咲世に連絡しないと!
咲世とのトークルーム
陽樹
咲世!大丈夫か!?
咲世
陽樹
!咲世!?
咲世
浅川咲世様の彼氏、鈴江陽樹様でしょうか?
陽樹
…え?
咲世
私、雲阪市汚染患者保護施設の中村と申します。
陽樹
…え
陽樹
待てよ、汚染患者保護施設…?
咲世
はい。
陽樹
おい、ということは咲世は…!?
咲世
…完全には汚染されておりません。
陽樹
そうか、良かった…
咲世
咲世
ですが
陽樹
…なんだ?
咲世
右腕をゾンビに噛み付かれ、現在治療手術中です…
陽樹
…は?
陽樹
待て、その施設はどこにある?
咲世
はい、雲坂市春菜町…
施設の住所を聞き、陽樹は走っていった。
陽樹
…っ、はぁ、はぁ、…ゲホッ…
中村
お待ちしておりました。鈴江様ですね、こちらです
咲世
ぅう…ヒビ、き…
陽樹
!?咲世!
ドンッ
陽樹
クソ、なんだよこのガラス!
中村
面会者が汚染されると困りますので…
陽樹
そんな…
咲世
ア゛、ひびき、くん、?
陽樹
咲世!
咲世
ゴめ゛ンね、わダ、イ…
咲世
ぞんび、に、ゃラレちゃった、ゴメ、ん、…ね、うぅ…
陽樹
泣くなよ、咲世‥ッ
咲世
…
中村
すみません、ここまでで…
陽樹
…え?
咲世
エ゛…?
中村
面会時間…です
陽樹
…分かった。
咲世
匕びキ…行ッちゃゥノ?
陽樹
明日も、明後日も、明々後日も、その次の日も、絶対来る!
陽樹
だから…待っててくれ。
陽樹
午後の三時に毎日来る!
中村
…了解しました。
咲世
ヒビキ…
陽樹
じゃあ、また…明日。
続きます