君には感情がない
みんなが当たり前のように感じている、
楽しいも悲しいも怒りも、そして幸せも
僕は君が小さいころからずっと隣にいた
君はみんなから虐められてる
無口だとか、何をしても反応がないとかで
僕は大丈夫というだけで
たすけはしない
だって、もしいつか君に感情というものを感じるときがあれば、
一番最初に感じる気持ちは『悲しい』
そんなとき、僕が隣にいたら?
今まで僕助けていたと知れば?
君は僕に溺れてくれる
だから、それでいい
でも、君は死んじゃった
僕と隣で歩いてたら、走ってきたトラックに跳ねられちゃって
嬉しいようで、悲しい
僕は君の隣にずっといる
君が学校にいるときも
家にいるときも
勉強しているときも
お風呂に入っているときも
じゃあなんで隣にいたとき、助けなかったのかって?
叫ばなかったのかって?
たすけられないんだもの
叫べないんだもの
だって僕
死んでるから