双 黒 に 狙 わ れ て ま す

ﾊﾟﾊﾟﾊﾟﾊﾟﾊﾟﾊﾟｯ!!

男の合図で男の横後ろに居た黒パーカー達が 一斉に銃を撃つ。

が、

私の頭上から少しズレた天井が壊れて、 上から人が降って来る。

降って来た男が私と自分、そして敵との間に壁を作る様に 大きな上着をバサッと靡かせた。

その上着に当たった銃弾が凡て弾かれる。

皆が一度銃を撃つのを止めた。

上着を下ろして黒パーカー達を威嚇する様に 自分の姿を見せつける。

橙色の髪が特徴的な小柄な男。

中也の姿を見て驚きを隠せない様子の男。

名前を聞いて後ずさる黒パーカー達。

怯みながらも黒パーカー達に命令する男。

が、銃の引き金が引かれる事は無かった。

男が周りを見渡せばそこには転がる仲間達。

皆吐血したり咳をしたり、 生きてはいるが息も絶え絶えな状態。

男も床に膝を付いて胸を抑え始める。

中也が私の手足に付いた鎖を、 指先で触れただけで壊す。

手首を回しながら椅子から立ち上がり、 ひれ伏す男を見下ろした。

男が倒れて身動き一つしなくなった。

誘拐されて十数分で組織を潰したのであった。

一件落着！