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シゼ

シゼ

“記憶を思い出した”…?

レン

うん。

レン

はっきりと思い出したんだ、聞いてくれる?

シゼ

もちろんです。

シゼ

私も思い出せると良いなと気になってました。ぜひ、聞かせてください。

レン

ありがとう!

レン

…じゃあ、そうだね。

レン

あそこの木の下で話そうか。

シゼ

分かりました。ニコッ

レン

レン

思い出したのは、僕が今よりもっと小さかった頃の記憶だったよ。

レン

記憶の中で僕はとっても大きなお城の中にいたんだ。

シゼ

へぇ…。

シゼ

(大きなお城か…。)

シゼ

(ということはレンは記憶を失うまでは、そのお城の中で生活していた可能性が高いな…)

シゼ

シゼ

そのどんなお城でした?

レン

ルシタス城とは違うお城だった。

レン

いたるところに三日月の飾りが沢山あったな。

シゼ

三日月、ですか…。

レン

うん。

レン

それで、記憶の中で僕は

レン

ある1人の男の人に「止まれ」って言われたんだ。

シゼ

ほう。

レン

僕はびっくりしたんだけど、ちゃんと止まった。

レン

すると男の人は「なんだ子供か。」と言って僕にまた話しかけてきたんだ。

シゼ

そうなんですね。

シゼ

その男の人は記憶を失う前のレンさんと同じ場所にいたんですね。

レン

うん。

シゼ

その男の人はどんな人だったんですか?

レン

えっとね…。

レン

レン

王冠を被ってて…。

シゼ

王冠…

シゼ

てことは王様ですね。

レン

いや、うーん…。

レン

レン

王様にしては…若すぎな気がするな。20歳くらいに見えたよ。

シゼ

なるほど。

シゼ

じゃあ、王子様かもしれないですね。

シゼ

その男の人はどんな人でしたか?

シゼ

シゼ

名前とか言ってませんでした?

レン

レン

名前…。

「俺の名前は クマイド・カーリアだ。」

「…お前はなんて名前なんだ?」

レン

そうだ、名前…。

レン

確かその男の人は、

レン

クマイd…

レン

レン

うっ!!

レンが突然、頭を抑える。

シゼ

シゼ

レンさん…?大丈夫ですか?

レン

あ、頭が…痛い!

レンがその場でうずくまる。

レン

痛い…痛い!痛い!!

レン

くッ…ああ゛!!

シゼ

シゼ

(た、大変だ。)

シゼ

シゼ

一旦、横になりましょう。良ければ私の膝を使ってください。

レン

う…うん…。

レン

ごめん、ごめんね…シゼ。

レン

痛みが引いたら、すぐ離れるから…。

シゼ

構いません。

レン

ごめんね…。

レン

深呼吸しなきゃ…。

レン

すぅ、はぁ…すぅ、はぁ…。

シゼ

…大丈夫ですか?

レン

うん…だいぶ引いてきた気がする。

レン

もう起きても大丈夫。

シゼ

そうですか。

シゼ

よかった。

レン

ありがとね、シゼ。

シゼ

いえいえ。

レン

レン

あれ…?

突然、レンがキョロキョロとあたりを見回す。

シゼ

シゼ

レンさん、どうしました?

レン

……。

レン

レン

僕…

レン

何しにここに来たんだっけ?

シゼ

!?

シゼ

えっ…えっ?

レン

…なんでシゼがここにいるの?

レン

僕、今日は遊ぶ約束してないよね?

シゼ

いや…え?

シゼ

私はレンさんが記憶を思い出したって言ったから、話を聞こうと思って…

レン

記憶…?

レン

僕が?

レン

僕、記憶を思い出したの?

シゼ

は、はい…。

シゼ

一体どうされたのですか?

シゼ

さっきまで記憶の話をしていたじゃないですか。

レン

さっき?

シゼ

はい、ついさっきです。

レン

??…。

レン

レン

おかしいな…。

レン

僕、そんなことシゼに話してない気がするんだけど…。

シゼ

ふぁ?

レン

シゼ、変な夢でも見たんじゃないの?

レン

僕は絶対そんな話してないよ。

レン

こんな盗み聞きされやすい場所で大切な記憶の話をするなんて、おかしいもん。

シゼ

いやいや、

シゼ

レンさんが「ここで話そうか」って言ったじゃないですか!

レン

??…。

レン

レン

ううん、そんなこと言ってないよ。

レン

シゼが何を言ってるのかさっぱり分からないよ。

シゼ

!?…

レン

変なシゼ。

レン

僕、布団を運ぶ手伝いをしに行かなきゃ。

レン

シゼ、またね。

シゼ

あっ…!

タッタッタッタッタッ… (レンがその場から走り去る)

シゼ

シゼ

…。

カタカタカタカタ…

マリア

マリア

あら、シゼ。

マリア

そんなに顔を膨らませてどうしたの?

シゼ

なんでもないです…。

カタカタカタ、カタカタ…

シゼ

あ、誤字った。

シゼ

シゼ

はぁ…。

カタカタカタカタ…

マリア

…。

マリア

なんでもないって顔じゃないわよ。

マリア

おやつでも食べて休憩なさい。

マリア

ほら、口開けて

マリア

あーん。

シゼ

…あ、

シゼ

シゼ

ん、酸っぱい…

シゼ

…。モグモグ

マリア

シゼのはラズベリー味よ。

マリア

紅茶はここに置いとくわね。

シゼ

ありがとうございます…。

シゼ

シゼ

すみません。

シゼ

本来なら私がするべきことなのに…。

マリア

いいのよ。

マリア

侍女とはいえ、6つも年下の女の子に何でもしてもらうのは抵抗があるもの。

マリア

マリア

…で、

マリア

貴方は何で不機嫌なのかしら?

シゼ

…。

シゼ

シゼ

…実は

マリア

ほう、それは不思議ねぇ…。

シゼ

ぜっっったいに私は間違ってないんです。

シゼ

ただレンさんが突然変なことを言い出すからツッコんだだけなのに…

シゼ

「変なシゼ。」とか「変な夢でも見たんじゃないの?」とか

シゼ

終いには私を一人ぼっちにして…

シゼ

シゼ

はぁ…

シゼ

なんなんですかあの人…。

マリア

まぁまぁ、

マリア

ほら、あーん。

シゼ

あ、

シゼ

んぐ…。

シゼ

……。ムグムグ

マリア

にしても、ブラストくんの記憶は不思議ね。

マリア

別のお城で、王冠を被った若い男性と出会ったのでしょう?

シゼ

はふ…(はい。)

シゼ

くま…なんほはってひっへはひは。(クマ…なんとかって言ってました。)

マリア

クマ…?

マリア

マリア

それなら、クマイド・カーリアっていう名前の王子様が他国にいるわ。

シゼ

シゼ

シゼ

クマイド・カーリア?

シゼ

(どこかで聞いたことがあるような…。)

シゼ

シゼ

((破壊神さんが言ってたもう1人の転生者の名前だ…!))

マリア

クマイド・カーリアは「ツルキス」という国を治めているのだけれど…

マリア

とっても恐ろしくて残虐非道な王子様らしいわよ。

シゼ

そうなんですか…。

シゼ

(残虐非道な王子様か、前世でもそんな性格の人だったのかな…。)

マリア

…まぁ、

マリア

名前にクマが入るという理由だけで、ブラストくんの関係者がその王子様とは言い切ることはできないけどね。

マリア

苗字にクマが入っている王族なら、隣国のハルークにも沢山いるし…

マリア

本人が再び思い出すのを待つのが1番ね。

シゼ

そうですね…。

シゼ

レンさん…

シゼ

シゼ

彼は一体、何者なのでしょうか…。

一方その頃…。

ギリカールの同盟国 「ハルーク」

 

おい!

 

もっと酒を持って来い!ギリカール様のお出ましだぞ!

 

女は踊れ!男は跪け!

 

我ら光の神の化身、ギリカールと有意義な貿易を結ぶことが出来たのだありがたく思えよ!

 

我らギリカール人の栄光におののくがいい!ギャハハハハハ!!

貴族

貴族

な、

貴族

なんて奴らだ…。

貴族

ここは我々の城だぞ!我が物のように騒ぎやがって…!

お母様、あの人達…怖いです。

姫の母親

ええ…

姫の母親

でも我慢しなさい。

姫の母親

ギリカール人に逆らえば首を斬られるかもしれないわ。

そ、

そんな…。

 

お、おい!そこの女!こっちに来い!

 

なんだこのちんけな服は〜?手を突っ込んでほしいのか〜?

い、いやっ…!

 

ギリカール万歳〜!ギャッハハ!!

セオドア

……。

セオドア

…はぁ。

セシル

セシル

どうしたセオドア、ここの酒は嫌いか?

セオドア

セオドア

セオドア

あ、いえ…お父様。

セオドア

少し考え事をしていただけです。

セシル

そうか…。

セシル

お前はもう少し力を抜け。

セシル

強者は常に弱者に対して余裕を見せておくんだ。

セシル

俺の子供であるお前はいかなる時でも強者でなければならない。

セシル

セシル

…分かるな?

セオドア

はい…すみません。

セオドア

以後気をつけます。

セシル

うむ。

セシル

セシル

こうして仕事をしているうちに、お前の結婚式の日が近づいてきたな。

セシル

お前の結婚相手、「ベル」はギリカール1の美人と名高い令嬢だ。

セシル

くれぐれも機嫌を損ねないよう努めろ、いいな。

セオドア

はい。

セオドア

セオドア

はぁ……。

14話 おわり

とある物書きの挑戦譚【第二期】

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コメント

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ユーザー

更新ありがとうございます!😊 最近、TERRORでの小説漁りでは物足りなくなり、 別小説アプリのWeb版の沼地に足を突っ込みかけていたのですが、 ねつきさんの小説を読んで、足を洗いましたね…(言い方) シリーズ読み直してきます!!!!!ε≡≡\( ˙꒳˙)/

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