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レイ
俺の名前は黒沢レイ。 二ヶ月前に発売された最新作VRMMORPG 『ファンタジーメモリーズ』のイベントで、 トップの成績を叩き出したのはいいんだけど…
ギルドシステムが導入されてからというもの、 勧誘のメッセージがよく届くようになった。
断りの返事を打ち込んでいると、 ふと運営のお知らせ欄が目に入った。
レイ
レイ
レイ
この手のゲームによくあるギルド対抗戦、 それが近々開催されるというお知らせだった。
俺は断りの返事を消し、 了承の返事を書いて送った。
レイ
ゲームからログアウトして装置を外し、 ふと時計を見れば、短針が4を指していた。
レイ
胃の中に消化するものがなくなり、 何かを腹に入れなければと思った時、 ばあちゃんが部屋に入ってきた。
おばあちゃん
レイ
おばあちゃん
レイ
俺の家は、じいちゃんとばあちゃんと俺の 三人暮らしだ。
両親は顔も名前も知らず、 会ったことさえない。 孤児院の人から聞いた話だと、 赤ん坊の状態で捨てられていたそうだが。
両親がいなくても今の俺は幸せだから、 なんら問題はない。
寺田さん家へ向かっている途中、 目の前にどこからともなく手紙が落ちてきた。
フルネームで "黒沢レイ様へ"と書かれていて、 少し恐怖を感じながら手紙を開けると、 "異世界へご招待"という文字が見えた。
レイ
俺がそう呟けば、手紙が光り輝き、 身体を白い光が包み込む。
光が収まったかと思い薄ら目を開けると、 さっき居た場所ではなくなっていて、 どこか神々しさを感じる景色が広がっていた。
レイ
アルティマ
声がした方へ振り向くと、 金髪のショートヘアに白色のドレスっぽいものを着た少女が大きい椅子に腰掛けていた。
アルティマ
レイ
レイ
アルティマ
アルティマ
自らを"創造神アルティマ"と名乗り、 少女は話し始めた。
アルティマ
レイ
アルティマ
レイ
アルティマ
アルティマ
レイ
アルティマ
レイ
アルティマ
レイ
アルティマ
アルティマ
レイ
アルティマ
レイ
レイ
アルティマ
レイ
アルティマ
レイ
レイ
アルティマ
アルティマ
レイ
アルティマ
アルティマ
異世界へ行ける代わりに 家族や友達を失う…か。
俺には友達と呼べる奴はいないし、 両親は俺を捨てた。顔だって見た事ない。
……俺を引き取ってくれたじいちゃんとばあちゃんも、穀潰しの俺なんか居ない方がいいよな。
アルティマ
レイ
アルティマ
レイ
俺は、俺を必要としてくれる世界へ行く。
親戚をタライ回しにされて、可哀想な目で見られることはもうない。
じいちゃんとばあちゃんも、ホントは俺みたいなやつが居て迷惑だった筈だ。
レイ
アルティマ
レイ
アルティマ
アルティマ
アルティマ
アルティマが俺に向かって手をかざすと、 あの手紙の時のように身体が光で包まれた。
気が付けば、俺は元の世界?に戻っていた。
レイ
よし、転生の準備をするわよ。 覚悟はいい?
レイ
レイ
一応一時的に痛覚無効にしておくわね!
レイ
ここ横断歩道のど真ん中じゃねーか!!!
レイ
転生はトラックに轢かれるのがお約束って漫画でも書いてあったわ。
さあ、目をつぶって歯を食いしばりなさい!!
レイ
ドンッ!
鈍い音がした後、 俺の身体は強い衝撃を受けて前方へと飛んだ。
幸い痛覚無効のおかげで痛くはなかったが…
まさか、神の力で転生するとかじゃなくて、 トラックで轢かれに戻るとは思わなかった…。