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さらに高い夢に向かって旅立とうとしていると聞きました。
思いきって挑戦してきてください。
ただ、ときどき休むことも忘れずに。
今のあなたには戻るべき場所があります。
そこには仲間がいます。
すぐにまた出発する力をもらえるはずです。
いつまでも、何度でも
挑み続けてください。
あなたたちが巣立って行く日をよく思い描いていました。
あの頼りなかった白石先生がリーダーになったと聞きました。
あの頃からは想像もつきません。ごめんなさい。
でも、むしろ今は納得しています。
あなたには、支えてくれる仲間がいます。
きっとそれはあなた自身の人柄ゆえです。
人はそれを人望と言います。
大切にしてください。
あなたの何よりの財産です。
遠回りして見えた景色はどうでしたか。
あなたは情熱があり、頭もいい。強い意思もある。
真っすぐ行けば、人より短い時間で、一人前の医者になったことでしょう。
でも、今のあなたにはきっとかなわない。
短い道はそれなりの経験しかもたらしてくれくれないから。
道に迷ったときは振り返ってみてください。
歩いた道があなたの後ろにずっと続いてるはずです。
その道が、これから先どちらに行くべきか、きっと教えてくれます。
藤川先生、冴島さん、結婚おめでとう。田所です。
島に医者がひとりしかいないので、残念ながら結婚式には行けません。
予定通りに式をやっていただければ、代わりの先生も頼んであったので出席できたのですが。
お調子者の医者としっかり者の奥さん。我が家と一緒ですね。 きっといい夫婦になれると思います。
藤川先生、冴島さんがよく怒るのはあなたのことが大切だからです。
感謝の気持ちで耳をかたむけてぐださい。
冴島さん、ときどきでいいので藤川先生を褒めてあげてください。
愛する女性からの褒め言葉は何よりの力になります。
田所先生、医者になったとき、自分はひとりでした。
現場で頼れるのは己の力だけ。
ひとりでいいと思っていました。
でも、それは間違いでした。
ひとりの力でできることなど何一つありません。
逆に、仲間さえいればどんなに不可能と思えることでも実現できる。
自分はそのことを、先生が作られた救命で知りました。
誰かとともに、誰かのために。
田所先生、先生と黒田先生が築き上げてきた翔北救命センターを受け継ぎ、自分の力でそれを越える救命を作りたいと思っていました。
それが私の願いであり、夢でした。
過去形なのは、一度無理だとあきらめたからです。
私には田所先生のようにすべてを見通し、包み込むような人間的な器の大きさもなければ、黒田先生のような厳しくも愛にあふれたプロフェッショナルリズムもありません。
でも……先生がおっしゃるように、なんにもできない私たちには同じ志を持った仲間がいます。
私には足りないものを持った頼もしい仲間です。
自分の力だけでは無理でも、仲間の力があれば、いつか必ず先生に褒めてもらえるような救命を作れると、今は信じています。
田所先生、今まで歩んできた道は曲がりくねってデコボコで、みたくない景色もたくさん見せられてきたけれど、その経験は確実に医師としての私の力になっています。
だって、この私が医局長ですよ。
笑わないでください。
自分だって信じられないんですから。
今、私がずっと自分の歩む道の先に見すえてきた周産期医療の現場に立ち、自分が間違っていなかったことを信じられるのがうれしくてたまりません。
救いたいという思いが、終わることはない。