紫耀side
あれから廉は退院した。
廉自身にも、学校に行きたいという意思はあるらしい。でも行きたいけど無理かもしれない、という思いが廉の中で渦巻いてるみたい。
そして、廉は俺と一緒だったら頑張れるかもしれない、と思ったらしくて、今日から俺の学校に転校してくることになった。
廉を迎えに行く。
ピンポーン
廉ママ
紫耀くん!おはよ!今日からよろしくね!
紫耀
はい!
廉ママ
廉〜?紫耀くん来たで!
廉
しょお…おはよ…
紫耀
おはよ!やっぱり不安?
廉
おん…。
紫耀
だよな。大丈夫、俺がずっとそばにいるよ
廉
ありがと…
廉ママ
よし、送ってくで!
紫耀
ありがとう!
そして、車に揺られながら学校を目指す。
車の中でも、廉は不安そう。優しく声をかけてあげて、背中を撫でてやる。
学校到着!
廉ママ
よし、着いたで!廉、無理せんでな?いつでも連絡し?
廉
おん…
紫耀
よし、廉行くか!
廉ママ
紫耀くん、よろしく!
紫耀
はい!
そして校門をくぐると、生徒が沢山居た。あ、ちょうど登校ラッシュに当たったわ…。俺、何やってんだよ!
廉
しょお…
紫耀
大丈夫大丈夫。怖いね、俺の袖掴んどきな?
そして、何とか校舎に入って職員室へ。先生方には、廉のことを伝えているから、心配ないのだけど…。
紫耀
よし着いた。廉、行ける?
廉
うん…
紫耀
失礼します。大倉先生に用があって来ました。
大倉先生
お!紫耀こっちやで!
紫耀
はぁい!廉、行こか!
先生たちも、それなりに人数は多いから廉も怖いみたい。
何とか大倉先生のところまで連れていく。
大倉先生
おはよ!お、廉くん??
廉は下を向いたっきり、何も話さない。
紫耀
はい!廉です。ちょっと怖いみたいで…
大倉先生
そっかそっか!大丈夫、少しずつ慣れていこうな!
廉
コク
大倉先生
あ、紹介遅れたんやけど、担任の大倉です!この辺では珍しい関西弁やねw
紫耀
あ、廉も関西弁だよ??
大倉先生
そうなん!?
一緒やね!
一緒やね!
廉
はい…
紫耀
先生!廉って、ホームルームで自己紹介とかしなきゃいけないんですか?
大倉先生
ん〜、基本的にそうやな…。どう?できそ?
紫耀
あ、俺が廉を紹介するので廉は、立っているだけはいダメですか?
大倉先生
全然ええで!
紫耀
いい?廉?
廉
うん…ありがと…
大倉先生
よし、そろそろホームルーム始まる時間やから、教室行こか?
紫耀
はい!
廉
コク
廉は頷いたものの、俺の服の袖を握る力に力を込める。
そりゃ怖いよな。30人近くいる教室入っていくんだもん。
俺だったら、絶対無理。でも、なんでも諦めずやる廉が、俺は小さい頃からずっと大好きだった。
大丈夫、俺がいるからな…