テラーノベル
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※7話不穏🌙🔎🌙(死ネタ)、 口調解釈違いの可能性大
日付が変わる頃、俺は静かで人工的な光が眩しい街を俯瞰して見ていた。街の人々のように冷たい風を背後から感じた。ここはどのビルの屋上なのだろうか。ビルじゃなかったような気もするし、もうどうでもいいやとも思ってきた。思っていたより柵と死の境はあったようで、その場に座り込んだ。屋上の柵の先に学生服を着た男が座り、静かにネオンの光に包まれた、汚く冷たい街を見ている。現実とは思えない光景だろう。 ぼーっとしていたとき、背後から音が聞こえた。勢いよくドアを開ける音よりも先に必死に走ってきたとわかる荒い呼吸の音と、響く階段を駆け上がる足音が聞こえた。 🌙「……こんなところ来て、どうしたの?」 🌙「ごんざれす。ごんざれすも死にたくなっちゃった?…何か言ってよ〜!俺のために来てくれたんでしょ?」 頭だけ少し後ろを向いた。ごんざれすの目を見ると思っていたよりも感情のない冷たい目をしていた。 ごんざれすが来ることはわかっていた。ごんざれすの優しさを利用してばかりだと改めて思わされた。 🔎「……つきのはなんでここに来たの」 今までに聞いたことのないぐらい、素っ気ない、無愛想な声だった。俺に興味がないなら来なくても良かったのに、そう思った。 🌙「んー、別に〜?」 🔎「死のうとしてる?」 🌙「どうだろうね〜」 ごんざれすに今俺はどう見えているのだろうか。きっと、目は死んでいるのに対し、変に口角は上がってしまっているのだろう。 🔎「一回柵上がってこっち来てよ」 🌙「何なに?」 柵を上がるのは面倒だと思い、その場を立ち、身体ごとごんざれすの方向に向き、柵に肘をつき頬杖をつく。 🔎「来ないのかよ」 さっきまでに比べて少しだけ口元を緩めたように見えた。 🌙「なんで死のうとしてるか聞きたいの?」 返事を聞く前に続けて言葉を発した。違うと言われたら俺に興味がないとわかってしまうから。それが何となく嫌だと思ったから。 🌙「大した理由なんかないよ、ごんざれすは俺に生きてほしい?」 🔎「そらーそうだけど…死ぬって決めたんでしょ?その感じ的に…」 沈黙が訪れた。先程よりは軽く、冷たくない弱い風が流れた。 🔎「…っしょ」 ごんざれすは震えた手で柵を掴み、ゆっくりと慎重に柵を乗り越えた。馬鹿だと思った。意味がわからず、呆然と立ち尽くしていた。 🔎「wwすごい困惑した顔してる」 🌙「なんで」 🔎「なんとなく?」 🌙「嫌、ごんざれすは生きてよ、なんで、」 🔎「つきの、俺のこと好きだった?」 🌙「ごんざれすの好きとは違うと思うけど、好きだったよ。ずっと。バレてた?」 🔎「なんとなくね」 🌙「そっか〜!ちょっと恥ずかしいなぁ〜……」 返答は聞きたくない。というか、ごんざれすの好きとは違うと思うという発言に対して何も否定しなかったからそういうことだろうと思った。なら、何故まだこちらにいるのだろうか。思わせぶりや慈悲なのであればもう良いのに。 🔎「どうする?一緒に死ぬか、今日は諦めるか」 🌙「え」 🔎「別に脅してる訳じゃないよ?ただ、つきのが一人で寂しく死んじゃうぐらいなら俺も一緒の方が良いかなって」 🌙「可哀想だって思ってくれてるってこと〜?ちょっと嬉しいこと言ってくれるじゃん!でもそんなお情けで人生終わらせちゃうつもりなの?手も足も、震えてるよ?死にたくないんでしょ?」 🔎「つきのだって死にたくないくせに」 🌙「そんな訳ないでしょ」 さっきまで返答が怖かったけど。なんとなく欲しくなってしまった。どうせなら後悔なく死にたい。 ごんざれすの震えた手に触れた。きっと今日で一番可愛い笑顔になっている、そう信じ微かに震えた唇を動かし、パクパクと声が出ていない状態から数秒後にようやく声が出た。 🌙「あ!ごんざれすも俺のこと好きだったりして〜!」 いつもの調子のつきのになれているのだろうか。きっとなれていない、だってごんざれすがそんな顔をしているんだから。十秒ほどの沈黙がすごく長く、そして重い空気に感じた。聞くべきじゃなかった、そう思うことしか出来なかった。 🔎「…どうなんだろ、恋愛感情とか友情とかの違いがあんまりわかんなくてさ」 ごんざれすはそう言い、少し苦しそうな顔をしつつ笑った。若干の沈黙が気まずさを物語っていた。「でも…」と小さい声でごんざれすが言ったように感じ、聞き返した。 🌙「ん?」 🔎「あんまり違いとかはわかんないけど、でも、つきののことはちゃんと好きだよ」 俺に対して「好き」と、そう言った。ごんざれすが。少女漫画のように綺麗で甘酸っぱくて、振られたとしても儚い恋として片付けられるようなものでもなかったこの想いだったけれど、その一瞬でなんだか晴れやかな気持ちへと変わった。そんな惨めな俺を嗤うかのように、下から複数人の酔った男たちの大きく、下品な笑い声が聞こえてきた。 🔎「おーい、つきの?」 目の前でぶんぶんと手を上下に振られた。どれだけ「好き」の余韻に浸っていたのだろうか。 🌙「もー!モテないくせに俺の事何弄んじゃってんの〜!」 🔎「は!?」 🌙「wwww」 これから死ぬとは思えないほど、この一瞬一瞬が楽しく感じた。 🔎「つきの、危ないよ、そろそろ帰ろう」 🌙「ごんざれすが帰ったら帰る、帰らないんだったら……うーんなにが良いかな」 🔎「なら帰らない、隣に居て、話相手にでもなってあげる」 🌙「なんかウザイな〜!もういいや、帰ろ!」 🔎「急だな〜…wwつきのが望んで俺にできることならなんでもしてあげるから、今日はもう帰ろ。あ、殺すことはできないからね?」 ごんざれすは少し笑いながらそう言い、俺が乗り越える前に先程震えた手足で乗り越えていた柵を今度は悠々と乗り越えた。 🔎「ほら、つきの、帰るよ」 自分より大きくてゴツい、男らしい優しい手が差し伸べられた。どこまで行ってもごんざれすは俺の事を弄ぶのかと最早呆れた。でも、そういうところがたまらなく愛おしく感じた。 🌙「ごんざれす、大好きだよ」 ごんざれすの目を見て、今度は素の、作っていない笑顔でそう言い、足場から左足を離した。小説や漫画ではゆっくりだと書かれているから思っていた何倍も速くて、呼吸がしづらいからかまともに頭が回らない。落ちた瞬間にごんざれすの手と大きく見開いて良く見える、綺麗で、俺が大好きだったあの朱色の瞳が見えた。 目の前で自殺してしまった俺はきっと、ごんざれすにとっての"呪い"になるだろう。 「ごめんね」
コメント
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モゥ本当に本当にお話が大好きです… これからも陰ながら応援させていただきます。。
豹狛るの/Hyohaku
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あじゅう
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