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かつての千の戦果

第13話 - 館と英雄

2022年11月05日

#創作

自我削除済のアカウント

杏

館の主である彼女の失踪によってそれは確定していたのだ。
こうして異世界の英雄達は元の世界に帰るため、そして自分達が生きるために、この世界で戦うことを決意する。
これが『剣の魔王』の物語の始まりであった。
ちなみに余談ではあるが、レーベンの名前はゲーム中では単に「レベ」と呼ばれている。
その名の由来は某有名RPGシリーズに登場する勇者の名前から取ったものだそうだ。
さて、ではここで問題です。
Q.以下の文章を読んで物語の冒頭部分に該当する部分を答えなさい。
1）主人公が現れるシーン 2）主人公が何者かと戦うシーン3）主人公が勝利するシーン 4）主人公の勝利を祝うパーティー 5）その日を境に主人公は周囲の人々に変化をもたらし始める 6）人々の変化を見た他の人々が新たな主人公を求めて集まってくる 7）主人公が人々を導いて悪を倒しに行く 8）悪を倒した後、人々は元の日常に戻っていく 9）その後主人公は姿を消す 10）数年後、元の世界に戻った主人公は自らの子供と再会を果たす 11）やがて成長した子供が親の元を訪れ旅に出る 12）そして彼が世界を救ったことを知る

杏

私か貴様のどちらか一人だ、と突きつけられた選択を迫られるレーベン。
だが彼は迷わなかった。
そして彼が選んだ道とは・・・・・・館の主を探し出し、共に世界の救済へと旅立つことだった。
「汝の欲せざる所を人に施すこと勿れ」
これは『新約聖書』のマタイによる福音書第9章13節にある言葉になぞらえて、この場にいる8人と、この先訪れるかもしれない新たな来訪者を登録するという案である。
だがその提案を受けた一人の英雄の反応は冷ややかなものだった。
「馬鹿げたことを」
と吐き捨てる英雄。
確かにそのとおりだと同意する者がいる一方、賛同を示す者もいた。
それは他の誰かにこの役目を押し付けることのできる者達だった。
しかしそんな彼らに対し英雄達は言った。

杏

我こそはという名乗りをあげる仲間たち。
そしてついに、最後の一人を決めるための戦いが始まる。
・・・・・これは、彼らが己の誇りをかけて戦う物語である。
ちなみに主人公の名前は、レーベ・ン。
そしてこの物語の主人公は、レーベンなのだ。
************

杏

私、というわけだ。
かくして館からの脱出を果たした我々は、その足で未定義領域へと踏み出した。
まずは元の世界へ帰るための方法を探るべく、旅を始めることにする。
この世界を創った神を探し出して話をするのが早道だろう。
そこで私はふと思う。
こんな風に誰かと一緒に歩くなんていつ以来だろうかと。
少なくともここしばらくは無かったことだ。
隣を行く少女の名はレーベン。
私の従者にして契約者でもある。
彼女は私よりも年下のはずだが、とても落ち着いている。
彼女の方を見ると目が合う。
すると微笑み返してくれるのだ。
なんだかくすぐったいというか恥ずかしい気持ちになる。
そんなことを考えているうちに目的の場所に着いたようだ。
この世界では様々な種族が共存しているらしい。
どうやらここは人族の領域のようだが、他の者達も皆友好的で特に問題なく目的を果たすことができた。
この辺りはまだゲーム序盤だからか説明不足気味だが、それでもなんとかなるだろう。
こうして同調の像は起動され、七つの扉が開かれる。
その先にあるものとは一体何か！？といったところで今回はここまで。
次回からは物語の始まりとなる場面に入る予定だ。
では皆様ごきげんよう。
「……なんだこりゃ？」
「あぁ？そりゃお前、あれだよ」
俺の言葉に友人の一人が答える。
「今度のテスト対策ノートだってよ」
「何でそんなもんがこんなところにあるんだよ」
「知らねぇよ。でもなんかタダで配ってんだろ？もらっておけばいいじゃねえか」
友人の指差す先にある机の上には一冊の冊子が置かれていた。
表紙には『赤点回避用特別対策講座』と書かれている。
俺はそれを拾い上げ、パラリとめくってみた。
そこにはびっしりと細かい文字で問題が書かれていた。
「……これ全部解けってのか」
「そういうことらしいぜ」
「まぁ、確かにこの調子なら楽勝かもな」
「だろ？それにほれ、裏を見てみろ」
言われたとおりに冊子の裏側を見ると、『解答解説付』の文字と共に問題の番号とその

杏

僕だ。
僕は同調の像に登録されてしまったのだ。
その瞬間僕の意識と身体は完全にリンクしてしまい、僕は自分の意志とは無関係に他の6人を殺さなければならない状況になってしまった。
これはつまり、この世界に生きる全ての人間を殺すまで終わらないデスゲームの始まりなのだ。
僕はこれから一体どうすればいいんだ！？
（完）
『A』
【あらすじ】
ある日突然クラス全員が謎の失踪を遂げた。
だがそれから数年後、突如として異世界に飛ばされてしまう。
そこは、モンスターが存在して魔法も存在するファンタジーの世界であった。
そして同時にそこは地球とよく似た環境の惑星でもあった。
主人公は地球に帰ろうと画策するが、クラスメイトの一人が行方不明になってしまう。
彼はどこに行ってしまったのか？そして彼はどうして姿を消したのか？【キャラクター紹介】
******
***
主人公
佐藤祐一年齢17歳身長175cmくらい体重55kgくらい特徴：髪の色は黒で少し長め、前髪を左目を隠すような感じで流している。
瞳の色も黒く、肌色は普通よりちょっと白い。
性格：基本的に温和な性格であり争いごとを嫌う。だがその反面、戦闘では敵を倒すことに躊躇しない。
戦闘スタイル：特になし。強いて言えば回避中心の戦い方を好む。
装備：特に無し。
能力：未設定。
備考：元の世界では学生をしており、成績は優秀であった。
趣味は読書でジャンル問わず様々な本を読む。
好きな食べ物はハンバーグ。
好きな言葉は『友情』。
夢はヒーローになること。
特技：スポーツ全般が得意である。
得意科目は特にないが勉強もそれなりにできる。
苦手なものはない。
特徴：容姿端麗で成績優秀な優等生。
正義感が強く、困っている人を見逃せない。

杏

我先にとその効果を得ようと他の6人が襲いかかってくる。
なんとかそれを撃退するも、同調の像は破壊されてしまう。
館からの脱出を試みるが、その扉は固く閉ざされてびくともしない。
諦めかけたその時、館中に響き渡るアナウンス。
「おめでとうございます。本日最後のお客様である貴方様を当館の主人とし、これより皆様に快適かつ充実した日々をお約束いたします。どうぞごゆるりとおくつろぎくださいませ」
こうして、館の主となったレーベンの物語が始まる。
ゲーム開始直後、レーベンはまず館の構造を把握するために歩き回ることにする。
すると廊下の奥に一人の少女を見つける。
彼女はこちらに気づくと微笑みながら話しかけてきた。
「はじめまして。私はこの館のメイド長をしておりますリゼといいます。何か御用があれば何なりとお申し付け下さいね？」
「ああ、よろしく頼むよ」
そう言いつつ、俺は彼女の容姿を観察する。
腰まで届く長い髪に透き通るような白い肌、華奢な体つきで一見すると大人しい印象を受ける。だがよく見ると目鼻立ちは非常に整っており、可愛らしいというよりは美しいといった表現の方が似合うだろう。
さらに言えば背が高いせいか胸元が強調されており、そこに目が行ってしまう。
「あの……どうかなさいましたでしょうか？」
俺の視線に気づいたのか少し恥ずかしそうな様子で聞いてくる。
「いや、何でもないんだ。気にせず続けてくれ」
「はい。では早速ですが、まずはお部屋へ案内させていただきたいと思います」
そう言って歩き出した彼女の後についていく一行。
だがそこで一人の少年が異変に気づく。
先程までとはまるで違う雰囲気に。
空気が変わったというか、景色が変わったような感覚。
違和感を覚えた彼が辺りを見回すと、そこは見知らぬ場所であった。
いつの間にか館とは違う場所に立っていたのだ。
しかもどうしたことだろう。
他の皆の姿も見えないではないか。
一体何が起こったのか困惑していると、
「ようこそおいでくださいました」
目の前に現れたのはメイド服に身を包んだ女性。
彼女は微笑

杏

私ではないのだ、と訴える少女に対し彼はこう告げる。
「じゃあ俺でいいじゃないか」
かくして館の住人達は元の世界へと帰還を果たした。
だがそれは新たな悲劇の始まりに過ぎなかった。
同調の像は使用者の魂そのものを共有する。
その所有者を失ったことで世界の均衡が崩れ始め、さらには新たに生み出された未知の領域の存在によって世界そのものが不安定となり、やがては崩壊する運命にあった。
それを食い止めるため、残された者達は再び異世界へと旅立つことを決意する。
こうして彼らの冒険が始まるのであった。
ちなみに主人公は男である。
まずはお試しということで一章だけ掲載してみました。
更新は不定期になりそうです。
「ねぇ、ちょっと待ってよ！」
背後からの呼び止めに足を止める。振り返るとそこにはクラスメイトの姿があった。
「どうしたんだ？」
「お前が俺の名前を呼んだからだ」
「君の名前はレーベンだよ」
「いいや違うね。俺の名は───」
「俺は───」
「俺の名は───」
「俺の名を呼べよ！」
「俺の名前を呼んでくれよ！！」
「お前が呼んだ名前はなんだ！？」
「お前が呼んだ名前を教えてくれ！！！」
「教えろよぉおおお！！頼むからぁああああっっ！！」
「お願いだから…………」
「…………ねぇ」
「君は誰だい？」
「君の名前を聞いてもいいかい？」
「ねえってば」
「君の口から聞きたいんだよ」
「僕に名前をくれるかい？」
「僕は君の名前が知りたい」
「俺も知らない」
「だってまだ会っていないから」
「でも会ったことがある気がする」
「きっとこれから会うと思う

杏

私が最初に登録しようと名乗りを上げるレーベン。
しかし他の6人も同調の像を欲していた。
そして彼らはそれぞれ別の願いを抱き、そしてそれぞれが思惑のもとに行動する。
まずはそれぞれの行動を見ていくことにしましょう。
レーベンの行動は・・・・・同調の像は一つしかない。
よって、早いもの勝ちである以上誰よりも先に取らなければならないのだが、同時に、一番最初に手に入れたとしてもどうなるというものではない。
だからといって後回しにしていいというものでもない。

杏

僕たちは今、その2つの相反する効果を同時に受けている。
目の前にいる女性によって。
「お帰りなさいませ、ご主人様！」
彼女は満面の笑みを浮かべて僕らを迎えてくれた。
まるで、本当に嬉しく思っているかのように。
そんな彼女の笑顔を見て、僕は確信してしまったんだ。
これはきっと夢なんだってことをね……。
************
***
まず主人公の少年は館を訪れ、そこで偶然に館に隠されたアーティファクトを見つけることになります。
そしてそのアイテムによって館を訪れた英雄達の内の一人となり、館の中で起こった事件を解決していきます。
主人公は事件の解決を通して他のキャラクターたちと親交を深めていきます。
物語の冒頭では、主人公はまだ自分の本当の名前すら知りませんでした。
ですが事件を通じて次第に記憶を取り戻していくのです。
こうして