神と修羅

僕は一生が大事だと思いますよ。 来世があろうが、 過去世があろうが、 この一生が大事だと思いますよ。

––– 有島 武郎『或る女』

ゲームセンター

カラオケルーム

ショッピングモール

そこにいたのは 紫髪の小柄な少女だった。

彼女はボソボソと何かを言うと こちらへ向かってきた。

僕達はショッピングモール内を 必死で駆け巡った。

駐車場

建物内を散々走り回り 気が付くと地下１階の 駐車場へ来ていた。

僕と虎走さんがゼェゼェと 呼吸を少しずつ整えていた時だった。

そこへ全く疲れる様子を見せず 明るい口調の少女が話しかけてきた。

帰宅部の僕なりに 全力疾走したので 今の僕にここから逃げる力は 微塵も残ってはいなかった。

僕は一瞬、虎走さんの力を 使うことを考えたが ここで使っていいのか？と 自分の考えを打ち消した。

そんな自問自答をしていると その少女が続けた。