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危険は勇者の目には 太陽のごとく光り輝く。
––– エウリピデス『断片』
夜彦
久遠
桃音
久遠
桃音
夜彦
久遠
久遠
夜彦
突然、僕達の後ろから 軽自動車が走ってきて 危うく轢かれそうになった。
久遠
夜彦
僕が喋っていると 間髪をいれずに 避けた方向から別の軽自動車が やってきてスレスレで避けた。
避けた車は柱に当たり エアバッグが起動していた。
夜彦
久遠
虎走さんは立ち上がると 柱へ衝突した自動車の 運転手の安否を確認しに行った。
久遠
桃音
桃音
久遠
久遠
久遠
夜彦
桃音
夜彦
久遠
桃音
そう言いながら彼女は 両手をパチンッと頭の上で鳴らした。
その瞬間、駐車場に停車していた 全ての車のヘッドライトが 一斉に光り、同時に エンジンが掛かった。
夜彦
久遠
夜彦
僕達は脇目もふらず 駐車場の出口へと急いだ。
夜彦
久遠
夜彦
と走りながら考えている時 ふと違和感に気が付いた。
夜彦
あれだけの車が 今にも走り出しそうなのに対し その場から動こうとしないのだ。
夜彦
夜彦
久遠
出口まであと一歩、 その寸前で彼女の姿を 確認するために僕は振り返った。
桃音
夜彦
僕達が逃げて焦っている筈、 なのに彼女は笑っていた。
その姿を見て僕は 不穏な空気を感じ取った。
夜彦
久遠
夜彦
夜彦
僕は前を走っていた 虎走さんの腕をグイッと 後ろへ引っ張った。
次の瞬間
ドンッ
という大きな音と共に 僕達の目の前の地面が 大きく陥没した。
何が起きたのか分からなかった。 しかし、そこにはまるで 巨人が歩いたような 大きな穴が1つ空いていた。
久遠
夜彦
夜彦
後ろを振り返ると さっきまでいた筈の 彼女の姿が忽然と消えていた。
車のエンジン音も消え 辺りは静寂に包まれていた。
夜彦
僕は魂が抜けかかった 虎走さんを支えながら 駐車場を後にした。