黒を欲するのは

此処はシュヴァルツ家が管理している大聖堂

管理と言ってもそれは＂建前＂

本当は魔法の実験をする施設として使っている

ノーマンと一緒に応接室へ入ると

お父様と向かい合う形で見知らぬ男性が座っていた

会釈して空いている席に着くとお父様が話し出した

お父様の言う＂管理＂とは私の魔法の事

毒蝶を扱うから毎日毒を摂取し続けている

今迄は専属執事のノーマンがしてくれていた

お父様は何を考えているのか偶に解らない

許嫁に同居する新居まで用意させて

オーター様が驚いてない所を見ると事前に知っていたのね

馬車に乗って新しく暮らす家へと向かうのだった