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この恋は、叶わない

第1話 - この恋は、叶わない。

2020年07月05日

#恋

#胸キュン

ふゆか

ほのか

（学校の席って、どうして男子と女子が隣同士なの？）

ほのか

（4月のはじめのふんわりとした風が教室の黄色いカーテンをゆらしている。春って大好き。ぽかぽかとあたたかくて、気持ちまで明るくなる・・・はずなんだけど。）

ほのか

（はぁ、となりの席の男子のことを考えると、暗いため息がでちゃう）

ほのか

（男子って、本当にやだ。何考えてるか全然わからないし、変なこととか、いじわるなこともいうしさぁ）

ほのか

（ランドセルから筆箱を取り出した瞬間、「おはよー」という声が聞こえて私の体はかたくなった。
隣の席の有村流星くんだ。）

ほのか

おっ・・・おは、よ

ほのか

（もうっ。どうしておはようもまともに言えないんだろ。）

ほのか

（変って思われたりしてないかな？）

先生

授業始めるぞー
みんな席につけ

ほのか

（あれ？）

ほのか

（教科書忘れた！どうしよう。）

ほのか

（忘れ物したことないよーどうすればいいの？）

先生

起立

先生

礼、着席

ほのか

（多分隣の人に教科書見せてとか言うんだろうけど、ムリムリ！男子苦手だし）

ほのか

（まぁ先生に当てられないようにすれば良いか）

先生

じゃー今日は4日だからー。出席番号4番の井川さん、読んでください

ほのか

（ぎくり。井川さんは私の３つ前の席の女の子だ。嫌な予感がする。）

先生

じゃあ次、その後ろの古川さん

ほのか

（やっぱり‼︎）

ほのか

（このままだと私当たっちゃう‼︎）

ほのか

（どうしようどうしよう）

先生

その後ろの野口さん

ほのか

（ヤバイ次呼ばれる「教科書忘れました」って正直に言うしかないよね）

先生

じゃあ次ほのかさん

ほのか

あ

先生

ほのかさん？

ほのか

あ、あの

ほのか

（私が口をひらきかけたその瞬間。）

流星くん

ほのか、ここ

ほのか

（流星くんがすっと教科書をさしだして、左ページの2行目を指差してくれた）

流星くん

ここを読め

先生

はい、ありがとう。じゃ、つぎ小島くん、読んで

ほのか

ありがとう^_^

ほのか

（流星くんは教科書を私と流星くんの机の真ん中に置いた。
そして、椅子を少し私の方に近づける。）

ほのか

（わ。何か・・・近い！）

休み時間

ほのか

あの・・・ほんとうにありがとう

流星くん

ぜんぜん！気づくの遅くなってごめんな

ほのか

そんなっ・・・

流星くん

次、忘れた時は、すぐに言えよ。俺も、何か忘れたらほのかに助けてもらうからさ

ほのか

うん^_^

ほのか

（私が顔を真っ赤に染めていると）

柚子

ほのか！どうした？大丈夫？

柚子

流星に、何か嫌なことでも言われた？

ほのか

ううん！ぜんぜん

ほのか

教科書を忘れて困ってたら、流星くんが気づいて、見せてくれたの

柚子

うん、それは知ってる

ほのか

え

柚子

だって、ほのかがなかなか音読はじめないから、心配してふりかえったら、ちょうど流星がほのかの机に教科書を置いてるところだった

ほのか

そっか

柚子

でもさ、ほのか、男子キライじゃん？だから、大丈夫かなって

ほのか

・・・大丈夫・・・だった

柚子

あーそう！よかった！ま、流星、ほんといいヤツだから、心配しなくていいと思ったんだけどね

ほのか

柚子ちゃん、流星くんと仲良いの？

柚子

まぁね、みんなに優しいし、頼りになるしさー。そうだ、音楽会の合唱の指揮者を決める時、クラス全員「流星がいい」って言ったんだよ。アイツのことキライなヤツなんていないかも

ほのか

そうなんだ

ほのか

（私が流星くんのことを好きでも意味ないな。どうせ振られるし。っていうか私流星くんに惚れてるー！？）

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ふゆか

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