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僕は今、知らない男三人に囲まれていた。
人目の付かない場所で、一人は凶器を・・・・・・僕に突き付けていた。
???
???
絡まれて早々、そんなことを言われてしまった。
だが、底辺と言われても、圧倒的に能力者の方が多いのだ。
千人に一人か、一万人に一人・・・・・・よって、能力者は貴重なんだろう。
でも、僕は思う。
無能力者は能力者に敵わないと思ってる人が多いが、優れた力が無くとも、努力次第で越すことが出来るかもしれない。
能力を与えられた人間は、自分の事を過大評価してしまう事がある。
それが何時、何処で・・・・・・裏目に出るか分からない。
???
男性がそう言い、凶器を振り翳して刺そうとしてきた。が・・・・・・僕に命中することは無かった。
気付けば、三人とも地面に倒れていた。そこに、ただ一人・・・・・・少女が立っていた。
篠宮 清美
篠宮 清美
無理難題なことを言われてしまった。
涼風 一樹
そう言うと、幼馴染こと、篠宮 清美《しのみや きよみ》は、呆れた顔をしていた。
でも、文句を言いながらも助けてくれるのは、清美の優しさなのだろう。
篠宮 清美
涼風 一樹
涼風 一樹
涼風 一樹
篠宮 清美
肯定された。
篠宮 清美
涼風 一樹
・・・・・・清美に任せて、その場を後にし、目的とした場所へ向かった。
誰もが知ってるであろうコンビニだ。
今の季節は夏で暑すぎる。だから、アイスを買いにコンビニに向かってた所を男三人に絡まれた。
夜だからってのもあるかもしれない。
涼風 一樹
はぁー、とため息を吐いたのだった。・・・・・・
篠宮 清美
我儘を言ってきた。
涼風 一樹
篠宮 清美
怠け者だ。
篠宮 清美
急に、そんな事を言ってきた。
篠宮 清美
清美はそう言いながら、自分の胸に手を置いた。
篠宮 清美
・・・・・・その通りだ。
能力者が暴れたりしたら、無能力者は太刀打ち出来ない。
僕が知る限り、無能力者が能力者に打ち勝った話は聞いたことがない。
例えたら、ただの人間と、人の皮を被った化け物だ。
能力者が暴れたら、能力者が止めるしかない。
大抵、警察が何とかしてくれる。何せ、数多もの警察が能力者だ。
無能力者が入ろうと思えば入れるだろうが、確率は低いだろう。
篠宮 清美
篠宮 清美
涼風 一樹
篠宮 清美
涼風 一樹
本当に器用な奴だ。
中間も期末も、能力を発動しようとすればすぐバレてしまう。けど、何故か清美はバレなかった。
テストが開く場所には、能力察知という機会がある。
そこで、能力を発動しようとすると能力察知が動き出すのだ。まぁ、所謂・・・・・・高性能ロボットだ。
篠宮 清美
と、微笑みを零した。
篠宮 清美
涼風 一樹
篠宮 清美
何故か、そこは威勢良く反論された。
涼風 一樹
篠宮 清美
そんな、他愛もない話を繰り広げていた。
その瞬間、白髪の少女がこっちへ走ってきた。
篠宮 清美
・・・・・・それ以上、言わなくても分かる。様子が変だ。
乱れた髪に、ボロボロで真っ黒な服。何処と無く、怯えている様に感じた。
涼風 一樹
少女は、無言で僕の服を掴み揺さぶる。
???
そんな声が、少女が走ってきた方から聞こえてきた。
顔を上げると、見知らぬ男性が居た。
???
不気味な笑みを零して、
???
少女は、その男性に怯えてる事が分かった。
???
男性がそう言った瞬間、そばに居たはずの少女は、気付けば男性の元に居た。
篠宮 清美
と、清美が言った。
涼風 一樹
篠宮 清美
清美は、拳を握り締めてそう言った。
何故、こんなにも正義感が強いのだろうか。
篠宮 清美
???
篠宮 清美
篠宮 清美
清美が、そんな失礼な事を言うと、男性は、顔を顰めて眉間に皺を寄せたが、直ぐに微笑みへ変わった。
???
???
???
振り向いて帰ろうとしているが、少女だけはこっちを向いていた。
本当に、助けを求めてるかの様子で。
篠宮 清美
清美が一歩、前に出た瞬間。
篠宮 清美
重りが乗っかってるかのように重くなり、僕らは地面に膝を付けていた。
???
ついさっきまで無かった殺気が、僕達を襲う。
篠宮 清美
清美が、声を荒らげて僕の名前を呼んだ。
涼風 一樹
篠宮 清美
重たい身体を起こしながら言った。
篠宮 清美
と。・・・・・・
清美は僕に触れて、能力を発動した。
その瞬間、厳重に何層も鎖で絡まっている様な、閉ざされた何かが解けたのを感じた。
篠宮 清美
涼風 一樹
僕は、男性が居る方を向いて、指を鳴らした瞬間、重かった身体が嘘のように軽くなった。
???
涼風 一樹
???
涼風 一樹
僕は笑みを零しながら言った。・・・・・・
涼風 一樹
・・・・・・本当に・・・・・・一瞬だった。
私の目の前で、何が起きたかなんて分からなかった。
気付けば、男性の姿は消えていて、そこには、白髪の少女と、・・・・・・涼風 一樹《すずかぜ いつき》だけが立っていた。
白髪の少女も、何が何だか分かっていない様子だった。
涼風 一樹
篠宮 清美
清美がそう言うと、少女が口を開いた。
白髪の少女
白髪の少女
篠宮 清美
清美はそんな、素っ頓狂な声を出す。
白髪の少女
白髪の少女
白髪の少女
と、頭を下げた。・・・・・・
涼風 一樹
篠宮 清美
涼風 一樹
ため息を吐きながらも、少女の言うことを承諾するのだった。・・・・・・
僕らは、廃墟に来ていた。
涼風 一樹
篠宮 清美
・・・・・・それから、古びた扉を開けて中へ入った。
薄暗く、埃が充満していた。
涼風 一樹
白髪の少女
涼風 一樹
・・・・・・隅々まで探りに探った。
床は所々穴が空いていて、何処で何時か足場が抜けるか分かったもんじゃない。
十分過ぎた今、僕は無能力者だ。
今襲撃にでも会ったら、抵抗出来ない。
前後と左右、上と下、・・・・・・全方向警戒しつつ探していた。
すると・・・・・・妙に、大きな扉を目にした。
涼風 一樹
・・・・・・一息吐いて、その扉を開けた。
目に映る光景に、目を見開いた。
そこには、捕まってる女性達以外に、清美と少女が居た。
篠宮 清美
清美がそう言った。
頑張って対抗したのだろう。肌に、僅かな傷の跡があった。
見るに、敵は何十人だ。これが全員か分からないが、何とかなるだろう。
涼風 一樹
篠宮 清美
涼風 一樹
丁度、転がってあるガラスの破片を手に持って言った。
涼風 一樹
そう言うと、男性は口を開いた。
???
僕は、その問い掛けに素直に答えた。
涼風 一樹
???
男性は、嘲笑ってそう言った
???
???
???
・・・・・・その要望に、僕は笑みを返した。
涼風 一樹
僕は構えて言った。
涼風 一樹
涼風 一樹
涼風 一樹
男性は、眉間に皺を寄せる。
???
怒りのあまり、頭に血管が浮き出ていた。
涼風 一樹
涼風 一樹
???
・・・・・・廃墟内に、男性の怒号が響き渡った。
???
男性は、指をポキポキと鳴らしながら言った。
???
涼風 一樹
???
男性は、準備運動の様な仕草をして。
刹那、・・・・・・一瞬にて僕の懐へと飛来してきた。
涼風 一樹
反応が遅れてしまった。
防御をしようにも、間に合わず、男性の拳は僕の腹に直撃した。
かなり後ろにある壁まで吹っ飛ばされてしまった。
涼風 一樹
奥から、男性が近づいてくる。
???
僕は、痛めた身体を起こしながら言った。
涼風 一樹
???
涼風 一樹
と。・・・・・・
男性は、腹を抱えて笑っていた。
???
???
???
???
涼風 一樹
僕の手持ちにはもう、ガラスの破片は無い。
やる事は一つだ。
だから僕は言った。・・・・・・
涼風 一樹
勢いよく地を蹴った。
扉の奥を目的に、男性に反撃する事無く、無視して走ったのだった。・・・・・・