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東京の夜は、眩しくて、うるさい。

小刻みに響く電車の振動音と、あちこちから聞こえる談笑の声が煩わしくて、私はイヤホンの音量を少しだけ上げた。

............

(この曲を聴くのは、しばらくやめておこうかな......)

あんなに大好きだったこのメロディーが、 この歌詞が、この声がーー

今はますます、私の気持ちを沈ませる。

(......最後のライブも格好良かった......)

車窓の外にレインボーブリッジが見えてきた。

その奥にそびえ立つ東京タワーは、なんだか誇らしそうに煌々と東京の夜空を、赤く染め上げている。

最初から好きにならなきゃ良かったな...

涙を堪えるのが手一杯で いつの間にか心の声がポロッと出てしまっていた。

慌てて辺りを見渡すと、数人の乗客から、 ちらちらと訝しげな視線を感じる。

(は、恥ずかしい...)

.........

(......LINEかな?誰だろう)

三日月

ライブお疲れ様でした!

三日月

ここでみんなとお話するのは本当に楽しかったのですが......

三日月

今日で解散ということなので、
このグループチャットは抜けますね

三日月

またどこかでご縁がありましたら
よろしくお願いします

19:13 三日月が退会しました

あいる

まだ泣いてます
ありがとうございました
みんなだいすき

19:13 あいるが退会しました

小宮

思い出をありがとう😭

19:13 小宮が退会しました

19:14 マリリンが退会しました

19:14 ちゃすが退会しました

19:14 ☆miyuki☆が退会しました

19:14 楓が退会しました

19:14 ハム吉が退会しました

19:14 Mocoが退会しました

19:14 ちび犬が退会しました

19:14 メグメグが退会しました

19:14 まめが退会しました

みな

お疲れ様です

このチャット、
もう2人になっちゃいましたね

みな

1人ぼっちじゃなくて良かった

みな

ライブやイベント事にはよく行かれるんですか?

そうですね
結構色んなところに行ってます

みな

そうなんですか
まだ帰宅中ですか?

はい

みな

私も帰宅中なんです

みな

今夜は夜景がきれいですね
あなたも見えます?

さっき、東京タワーを見てました

みな

本当に?
私もですよ

みな

もしかして今、レインボーブリッジを渡ってますか?

渡ってます!
よく分かりましたね?

みな

実は私もそうなんです
同じ電車かも

みな

最後に残った2人で
帰りも同じ電車なんて

みな

運命みたい

みな

ねぇ、これから顔を合わせて
話してみない?

今日話したばかりなのでそれはちょっと......

みな

どうして?
ずっとあなたに会いたかったの

みな

そのために私、
ここまで来たの

車内アナウンス 「次は......きさらぎ駅......きさらぎ駅......」

......え?

はっとして顔を上げ、私は自分の目を疑う。

そこにあったのは、焼けただれた鉄のように色褪せた世界だった。

なに、これ......

不快なブレーキ音を響かせて、 電車は、ゆっくりと速度を落とす。

恐る恐る車内を見回すが、 私以外には、誰もいないようだ。

さっきまで、たっくさんの人がいたのに......

一体、どうなってるの......?

......っ!

非通知

応答なし

応答なし

みな

なんで出てくれないの?

みな

まぁいいや

みな

もうすぐ着く繝ォ

みな

今何y両目にい粒ニケ’る?

みな

3両目に跚?もいなかっTルた

みな

今4ォ•

みな

dュ5

みな

6

私がいる車両って......

(7、だ......)

ガタンゴトンガタンゴトン

ギィィ

ガタンゴトンガタンゴトンガタンガタンゴトンガタンゴトン

『だぁ〜れだ?』

『ふふ』

......!
えなになにちょ待って何この化け物くぁwせdrftgyふじこlp

どさっと倒れ込んでしまった。 その得体の知れない何かを見れば見るほど場のやりようのない恐怖が湧いてくる。

(え、あ、え)

なにこれ

(逃げないと!!!)

銃を持った男

ぎゃはは!美味そうだなぁ、お前!

(え誰誰誰誰誰??あの得体の知れない何かに向かって美味そうって言ったよね今え食べるの?!?!)

ダンッ

銃を持った男

(((ユラリ...

ガシャン

わっ
(え顔面から突っこんだ?!?!)

銃を持った男

{マラーブ}

銃を持った男

......いい子だから

銃を持った男

そこ動くなよ

ジャキッ

銃を持った男

お前も本当は、俺にやられてぇんだろ?

ガガガガガガガガ

痛っ...

(いや、、、現実味が無さすぎて怖いよ)

銃を持った男

弾切れた〜。面倒くせぇ......

(あっ、足切れたから痛かったのか)

銃を持った男

......ん?

必死に涙をこらえていると、 そこでようやく、男が私の存在に気づいた。

小首を傾げ、こちらを見下ろしながら、 つかつかと目の前まで歩み寄る。

その鋭く澄んだ黄金色の眼差しには、無機質な殺気が込められていた。

あの......私......

銃を持った男

......お前今の見たな?

(いや待って銃を持ってると言うだけで怖いのにさらに血だらけで
美男子が真顔してるっていう恐怖の4連鎖?!)

あいやいやいやいやいや
見てなななななななななないですすすすぜんぜぜんんん

銃を持った男

......まぁいいや。ここに、捨てよ

うわっ

彼は、私の腰を後ろから掴むと、ひょい、と肩に担ぎ上げ 割れた窓ガラスの方へと歩き出した。

す...捨て?ここに...?

やややめてください!2度と妹に会えなくなるじゃないですか!!

私の言葉に耳を貸す様子もなく、彼は窓際までやってくると そのまま座席に足をかけ、外をうかがう。

焦げ付くような異臭が、鼻をかすめる。

そこには、赤い霧がかかった、不気味な空間が広がっていた。

(あーこれやばい我慢してたのに涙でそう)

(こんな臭くて汚くてヤバそうな所に捨てられたら......)

......!!離してください!!離して!くださっ!

銃を持った男

暴れんなよ。投げにくいだろうが

べべべつにこんなとこ投げ込まなくてもいいじゃないですか!!

あなただれですか?!
なんで初対面の方に殺されかけないといけないんですか!?

銃を持った男

名乗るほどのものではございません!
って1回言ってみたかったんだよな〜

言わせてあげたのでやめてください!!

銃を持った男

ぎゃはは!それじゃ、チャオ〜!

彼は両腕で私を持ち上げ、大きく振りかぶった。

三白眼の男

おいおいおい......
大我さん、勘弁してくれよ

銃を持った男

あ〜?

三白眼の男

俺の前でこんなことしちゃ、
学園に言い逃れできないでしょうよ

銃を持った男

......テメェ、邪魔すんじゃねぇぞ

(この人は...敵?)

......わっ!?

まるで荷物のように投げ捨てられ、 私は座席に倒れ込む。

(いい生きてる......!!)

三白眼の男

大我さんの獲物を横取りしようなんざ、
これっぽっちも思ってないよ

三白眼の男

みられたんだろ?おれの方であと片付けしとくから、
そう怒りなさんな

銃を持った男

あ、そ?じゃ、俺はアイツ追うわ

三白眼の男

はいはい......あんま無茶しないでくれよ

銃を持った赤髪の男が、隣の窓ガラスを殴りつける。

三白眼の男

って、言ったそばからさあ......

粉々になった破片を素手で拾い上げ、彼は窓枠を飛び超えると、 そのまま濃霧の中へと消えてしまった。

三白眼の男

......さて、ひとまずここを出ますか

車内に残った男は、大きく伸びをすると、今度は姿勢を正し、両膝を床に落とした。

男は横笛を手に取り、 ひとつ、ふたつと音符を吹き響かせる。

(透き通った音色だな......)

(それに、この匂いって......)

どこからともなく、雨露の香りを感じた、 次の瞬間......

がぼっ、と口から、気泡が漏れる。

私は、いつの間にか、水の中にいた。

(息が......できない......)

(意識が......遠退いてーー)

車内アナウンス「............ざいました」

車内アナウンス「間もなく、終点、新橋、新橋です」

......え?

聞き馴染みのあるアナウンスの声で、私は我に返った。

なぜか外は明るいけれど、ここは間違いなく、いつも通りの電車だ。

人がいないけど......全部夢だったのかな......?

三白眼の男

すまん、俺がいるのよ

え?うわっ

振り返った拍子に、足がもつれて視界が傾く。

三白眼の男

おっとっと

......っ!(やっぱまだ痛い......)

咄嗟に体を支えられ、なんとか転ばずに済んだものの、 右足の痛みは、まだ残ったままだ。

三白眼の男

あらら

三白眼の男

一般人に怪我させちまって......
こりゃ下手に触んない方が良さそうだ

三白眼の男

すまんね
傷は後で何とかするから

三白眼の男

先に頭ん中、消させてもらうよ

三白眼の男

これ、なんだと思う?

え、えっと......

三白眼の男

(ふっ......)

これは、マッチ...ですよね?

三白眼の男

ん?何のこと?

......?いや、何だと思う、と聞かれたので......

三白眼の男

あれ。もしかして今、目、つむってた?

え......???

彼は手に持っていた、小さな瓶から、 マッチを1本取り出し、再び火を点けた。

三白眼の男

この火、よく見ててくれる?

......?わ、かりました......???

私の答えが気に入らなかったのか、 彼は眉を寄せながら、真剣な表情でこちらを見つめている。

三白眼の男

(ふっ......)

また、炎が吹き消された。

.........

(私......からかわれてる?)

(でも真剣な表情だし......)

理解不能な出来事の連続と、 未だに痛む右足への不安に、 私はひとまず、深呼吸する。

あの......

三白眼の男

......ん?

さっきから、お化けが現れたり、
銃を打ったり、外の景色が変わったり......

これってもしかして...なんかの撮影ですかね......?

三白眼の男

......あんた

三白眼の男

もしかして、「マッチ」効いてないの?

上のオリキャラがダークウィックアカデミーに特待生として編入する話。

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