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もしも、叶うなら。

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もしも、叶うなら。

6 - 名前を呼んで

♥

3,060

2022年01月27日

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やっと完結します!!

このお話で最後になります💐

コメントで待ってますって言ってくれた方本当に待たせてしまってすみません

注意はいつもと同様です!!

では、どーぞっ

名残惜しさを感じながら 僕はピアノの椅子から立ち上がった

窓の外で桜が風で舞っている

るくん

綺麗...

少しだけ窓を開けると 桜の花びらが教室にふわっと 入ってきて僕の肩に落ちた

花びらを手に取って 眺めていると 教室の扉が開いた

りくん

るぅちゃん!!
やっぱりここにいた!!

花束を抱えて 僕の元に駆け寄ってくる

るくん

綺麗な花束だね

りいぬの好きな赤い色の 様々な種類の花が 可愛いリボンにまとめられている

りくん

あ、これ...
さとみくんに貰ったの

少し恥ずかしそうに 花束をぎゅっと抱きしめた

るくん

さとみ先輩は??

りくん

学校に来るの久しぶりだから
先生に挨拶しに行った!!

るくん

2年ぶりの学校だもんね

りくん

そうそう!!

あれから時は経って 気づけば卒業の日を迎えていた

りくん

そんなことより、るぅとくんと写真撮りたかったの!!

るくん

あ、僕も撮りたかった!!

りくん

じゃあ、門の前で撮ろうよ!!

僕らは教室を出て、 校門に向かった

外に出ると案の定生徒が 至る所で写真を撮っていた

るくん

どこで撮ろっか

りくん

ん〜...

当たりを見回していると 長蛇の列が目についた

その先には僕の好きな人が 生徒の子と写真を撮っていた

りくん

うわぁ、やっぱ人気だね

僕の視線の先を見つめて りいぬは呟いた

りくん

まぁ今日くらい許してあげよ笑

りくん

あの子たちは今日で最後なんだから

るくん

別に焼きもちなんか
焼いてないです!!

僕はムキになってりいぬの手を引っ張って列とは反対にある門の前にに立った

パシャッ

何枚か写真を撮っていると 同じクラスメイトの子が 周りの子に茶化されながら 僕の元にやってきた

クラスメイト

る、るぅとくん...!!

るくん

は、はい??

クラスメイトと言っても あまり話したことなどない

そんな僕になんの用があるのか 僕は首を傾げていた

りくん

じゃあ〜、俺はさとみくん探してこよっかなぁ〜!!笑

りいぬは何かを察して白々しく 僕のそばを離れようとしていた

るくん

ちょっと...りいぬ!!

りくん

すぐ戻ってくる〜!!

りいぬは満面の笑みを浮かべて さとみくんの元へ走り去った

るくん

急だなぁ...

子犬のようにすばしっこく人の間を当たらないようにすり抜けていくりいぬを目で追いかけていると

クラスメイト

るぅとくん!!

もう一度名前を呼ばれハッとして目線を彼女に戻す

クラスメイト

そ、その...
ずっと好きでした

彼女の言葉を聞いた周りの生徒から歓声が上がったが、僕は硬直してしまった

るくん

え、えっと...

まさか告白されるなんて思ってなかった

真っ白になった頭で精一杯言葉を考えた

るくん

ぼ、僕...

るくん

好きな人がいます

るくん

だからごめんなさい

拙い言葉を発することしか出来なかった

さっきの歓声が一気に消えて 辺りは静まり返った

クラスメイト

好きな人って...誰ですか

今にも泣きそうな彼女を見て 何故か僕も泣きそうだった

僕なんかのことを好きになってくれたのに期待に応えることが出来ず彼女を泣かせてしまうことが辛かった

るくん

僕が好きなのは...

自分に好きな人がいるからこそ 誰かを好きだからこそ

彼女の気持ちがわかってしまう

その気持ちを知りながら 彼女を振るのは胸が痛んだ

るくん

ころん先生が好きです

るくん

僕なんかを好きなってくれてありがとうございます

るくん

でも、僕のことを思ってくれる君の気持ちと同じように僕も先生が好きです...

るくん

だからごめんなさい

彼女の顔は見れなかった

クラスメイト

ちゃんとっ...振ってくれて...ありがとう

彼女の涙声が聞こえてくる

僕は何も言えず頭を下げて その場をあとにした

なんとなく1人になりたくて 人気のない校舎裏に隠れた

るくん

はぁ...

ため息とともに体の力も抜けて その場にしゃがみこむ

自分が間違えたことを 言ったとは思っていない

しかし、恋とは残酷だと思った

るくん

誰かの幸せは誰かの不幸...か

いつかにテレビで有名人が口にした言葉を僕は思い出して、やっとあの言葉の意味が分かった気がする

僕に気持ちを伝えてくれた彼女は学校の人気者で彼女を恋愛的に好いてる人は沢山いるだろう

その人たちも彼女のように 悲しんでいるのだろう

胸が苦しくて締め付けられる

るくん

はぁ...

しょうがないこと

そんなことは分かってるけどしょうがないの一言では片付けられないくらいに罪悪感が生まれていた

しばらくして誰かがまた僕の名前を呼んで反射的に顔を上げた

りくん

るぅとくん!?

さくん

大丈夫か!?

るくん

あ、さとみ先輩お久しぶりです

たった2年しか経っていないがさとみ先輩は大人びて見えた

きっと服装と色の染った髪のせいだろう

りくん

体調悪いの??

るくん

ううん、人が多い所疲れちゃって

りいぬは僕を心配して背中を摩ってくれたが、僕は笑顔で嘘をついた

さくん

俺、ちょっと水買ってくるわ

るくん

大丈夫ですよ

さくん

じゃあ、りいぬ頼んだぞ

りくん

うん!!

僕の声は聞こえていないかのようにさとみ先輩は水を買いに行ってくれた

りくん

さっきの女の子達になんか嫌なこと言われた??

りくん

俺、るぅとくんがてっきり告白されるのかと思って空気を読んだつもりだったんだけど

りいぬは今にも泣きそうな顔で俯いていた

るくん

告白されたよ

るくん

嫌なことなんか言われてない

りくん

え??

るくん

でも、振るのも僕にとっては...

さっきまで泣きそうな顔だったのに突然笑顔になる

りくん

るぅとくんは本当にいいこだね

そう言って僕の頭を撫でた

りくん

知ってる??

りくん

女の子は失恋すると可愛くなるんだよ

りくん

きっとるぅとくんに告白したあの子はもっと可愛くなって、別の人と結ばれる日がくるよ

りくん

だから大丈夫

何も言ってないのに僕の考えを見透かして元気づけてくれた

りくん

るぅとくんがちゃんと振ったことで、あの子はちゃんと前に進めると思うし!!

るくん

ありがとう...

やっぱりりいぬは僕をよく分かってる良き理解者だ

りくん

あ、さとみくん!!

小走りで爽快に走ってくるさとみ先輩に大きく手を振った

さくん

はい、これ

るくん

あ、すみません

ペットボトルの水を一口飲む

かわいた喉が潤って体が満たされていくのを感じる

心配そうに僕を見つめるさとみ先輩を見てりいぬが代わりに口を開いた

りくん

女の子に告白されて振ったんだけど、女の子の気持ち考えてたら悲しくなっちゃったんだって

それを聞いたさとみ先輩は笑い出した

さくん

お前本当に優しいな笑笑

りくん

さとみくんがるぅとくんだったらしんど過ぎて死んじゃうね笑笑

さとみ先輩は思い返せば学校で一番モテていると言っても過言ではないくらい告白されていた

るくん

確かに...笑

さくん

あんなに俺の事好きって言ってたのに、あいつら大体結婚したしな笑

さくん

人の気持ちを思うことは大事だけど思ったよりみんなすぐ変わっちまうもんだぜ

さくん

でも、俺は恨んでなんかないし振ったことを後悔したことも無い

さくん

俺はあいつらの練習台になってやったんだ

さくん

俺に振られたからこそあいつらは強くなって運命の人に出会ったんだよ

さくん

幸せになったのはあいつらだけじゃなくて、俺もこうしてりいぬみたいな素敵な人と出会えたし

りくん

めっちゃポジティブじゃん笑

りくん

でも、本当にさとみくんの言う通りだよ

りくん

本番前のリハーサルって大事だよ!!

るくん

リハーサル??

りくん

何でもかんでも本番一発ってリスク高いし

りくん

まぁ...成功するための失敗みたいな!!

さくん

誰かが男は踏み台使い捨てって言ってたし笑笑

さくん

意外と時間経てばケロッとしてんだよな

るくん

そうなんですね笑笑

僕の表情にはいつの間にか笑顔があった

りくん

あ、そういえばさ

りくん

ころん先生がるぅとくんのこと探してたよ

るくん

え??

りいぬの言葉を聞いて僕の沈んだ気持ちがふわっと浮き上がる

さくん

分かりやすいな笑

さくん

行ってこいよ

さくん

俺もりいぬに言いたいことあるし

るくん

じゃあ、おじゃま虫は失礼します

僕はりいぬにニコッと笑いかけ足早にころん先生を探しに走った

さっきまであったころん先生と写真を撮るための長蛇の列はなくなっていて

外に先生の姿は見当たらなかった

思い当たる場所はあの場所

僕らが初めて出会った

るくん

音楽室...

教室の扉を勢いよく開けると窓の外の桜を眺めているころん先生がいた

こ先生

あ、るぅとくん

こ先生

待ってたら来てくれる気がしてたんだ

くしゃっと微笑みながら 僕の方へ1歩ずつ近づいてくる

るくん

ころん先生...

会いたくてたまらなかった僕は先生に飛びついて抱きしめた

こ先生

うわっ、本当に可愛い

僕の頭を優しく撫でた

嬉しくてたまらないはずなのに

僕は涙を流していた

こ先生

もぅ、感情が忙しい子だね笑

こ先生

...そういう所が
好きなんだけどさ((ボソッ

先生の顔を見たら 卒業する実感が湧いてきた

今日で先生とはお別れ

この場所で話すことも最後

先生との今までの記憶が蘇って、卒業したくないという気持ちが一気に押し寄せてくる

るくん

...やだっ...グス

るくん

離れたくない...グス

縋り付くようにぎゅっと先生の腰にまわした腕に力を込めた

こ先生

...離したりしないよ

先生は僕よりも強い力で 抱きしめた

こ先生

...るぅとくん

先生は僕の名前を呼んだ

今日は沢山の人に僕の名前を呼ばれたが、先生に呼ばれるのはどこか他の人とは違って

呼ばれただけで僕の胸は高鳴り 桜の花が咲くように 僕の心は一気に明るくなる

るくん

ころん...先生??

先生の顔を除くと少し強ばっていて緊張しているようだった

こ先生

1度しか言わないからよく聞いてね

るくん

それって...テストに出ますか??笑

先生はテストに出る大事なところは

そのセリフを決まり文句のように言う

こ先生

じゃあ、るぅとくんに高校生最後のテストを出します。笑笑

僕の冗談に乗っかってきた

こ先生

1問だけだから不正解だったら大変なことになるから気をつけてね笑

るくん

はい笑

こ先生

僕らにとって大事なテストだよ

冗談なはずなのに 先生の顔は真剣だった

こ先生

じゃあ、最後の問題です

そう言って僕の前に片膝をついた

そして、ポケットから 綺麗な指輪の入った箱を取り出す

るくん

へ...

僕は息を飲んだ

こ先生

僕と結婚してくれますか??

心臓がドキドキして周りの音など入ってこなくなる

るくん

はい...

息を吐くように言葉を放つ

薬指に指輪をはめてもらった

お互いの手は震えていた

綺麗に光るダイヤが綺麗で 目が離せなかった

こ先生

今からは生徒と先生じゃないから先生呼び禁止ね

僕を優しく抱きしめて 先生は笑った

るくん

はい!!

頭のなかで涙を拭いながら これは夢ではないかと疑っていた

こ先生

るぅとくん、好きだよ

るくん

僕も先生がっ...あ、ころんくんが大好きです

先生ではない呼び方がくすぐったくて俯いた

こ先生

もう!!可愛すぎる!!

るくん

...ずっとこうしてたいです

こ先生

僕もだよ

るくん

あ!じゃあ僕からもテストします!!

こ先生

いいよ笑

1度離れてそっと向き合った

るくん

僕はころんくんにお願いがあります

るくん

なんでしょうか

こ先生

え!?難しくない??

こ先生

ヒント!!

るくん

ん〜

僕はイタズラげに 少しだけ考えた振りをして

あのセリフを口にした

るくん

1度しか言わないからよく聞いて下さいね

るくん

僕、自分の名前が好きになったんです

こ先生

名前??

キョトンとした顔で こちらを見てくる

るくん

なんでかって言うと...

るくん

大好きな人が僕の名前を呼ぶだけで世界が明るくなるっていうか...一気に心が晴れるんです

だんだん恥ずかしくなっていき顔が熱くなってくる

るくん

晴れ男なんです。僕だけの。

いつかに僕に言ってくれた言葉

るくん

だから僕はその人に名前を呼ばれたら幸せになれるんです

こ先生

その人って誰なの??笑

笑いながら分かりきった質問をする

るくん

僕のヒーローです笑

少し意地を張って僕は答えた

こ先生

答えわかったよ

るくん

なんですか??

こ先生

これからも名前を呼んで欲しいってこと??

るくん

大正解です!!

こ先生

やった!!じゃあ、ご褒美頂戴

るくん

いいですよ!!

僕はほっぺにキスをした

驚いた顔をした先生は 優しく笑って唇にキスをした

るくん

これからも、僕の名前呼んでくれますか??

こ先生

もちろんだよ

神様がもしいるのなら 僕は貴方に感謝します

こんなに幸せになっていても 本当に良いのか

だけど

もしも叶うなら ころんくんに これからも僕の名前を 呼び続けて欲しい

りいぬとさとみ先輩も結婚して、次にみんなであったのはななもり先生とジェル先生の結婚式だったのはまた別の話!!

[完]

ここまで読んでくれて ありがとうございました🙇🏻‍♀️

大好きです♡

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3,060

コメント

30

ユーザー

青黄が尊いだけじゃなくて、ほんとうに大切な事を教えてくれるお話でとても感動しました! いいね3000にしました((

ユーザー

きゅんっきゅんする しすぎて涙出てきた(まじで)

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