私は柳太郎に背を向け駆け出した。
柳太郎は私を引き留めるように、繋いだ手に力を込める。
だけど私は、その手を振り払うのに何のためらいもなかった。
…だって、もしここに将太がいるのなら、誰よりも会いたかったから。
すぐ傍に将太がいるのなら、一目でいいから顔を見たかったから。
ハル
将太…!どこにいるの…!
気を抜くと足元をとられてしまうそうな人混みをかき分け、私は将太らしき後姿を探す。
とめどなく押し寄せる人の波に、うまく前へ進むことができない。
ハル
…将太!
叫んでみても、振り返る姿はない。
ハル
…やっぱりいないの?
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