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蝉の声。 夏が始まった合図が鳴り響く。 君の声をかき消すように___。
電車の音。 すぐにみえなくなった犯人。 もう君の声は聞けない___。
遠くに見える入道雲。 あの雲よりも大きな悩みを抱えている君。 やがていつか悲しみも雨が降り注ぐ___。
降り始める雨。 濡れたものを放って通り過ぎる雲。 乾くことのない心___。
煌めく水面。 どこまでも続く水平線の彼方へ。 その先に待つ困難や希望の数々___。
荒ぶる波。 静まることのない様な嵐の行方は。 狂い始めた本能___。
夏の清々しい空気と香り。 風鈴の音が心地よく聞こえてくる。 真っ白な君の髪がなびいた___。
君の手をつかんだ。 君を逃がすことなんて絶対にないから。 夏の終わりは見えない___。
踏切を颯爽と駆け抜けていった電車。
その風に揺られた君は、_____
儚く笑っていた。
🤍_(夏乃澤 玲)