担任の先生
JUNGKOOK
笑顔をでそう言った先生に、 僕も笑って頷いた。
担任の先生
担任の先生
合唱部の活動は、 第2音楽室で行われているらしく、 中に入ると20人ほどの生徒がいた。
僕はみんなの前で紹介され、 頭をぺこりと下げる。
JUNGKOOK
入学してからまだ2日しかたってないので、 きっとそのはず。
先輩達は僕を見ながら、 何やらボソボソと話し始めた。
JUNGKOOK
先輩(女性)
先輩(女性)
話す声が小さすぎて、 聞き取れない。
なんだか不安になってきて、 僕は肩を落とした。
すると、 男の先輩が「さっそく練習始めるぞー」と言って、 みんな静かになる。
僕も言われたとおりにピアノの準備をし、 椅子に座った。
先輩(男性)
JUNGKOOK
先輩から渡された楽譜は僕も知っている曲で、 何度か弾いたことがあった。
ピアノのソロパートも多くて、 何より指揮者はリードするのが大変な曲。
先輩(男性)
それなのに、 気を使ってか指揮者の先輩が僕にそう言ってくれた。
JUNGKOOK
JUNGKOOK
指揮者がピアノに合わせていたら、 完全に合唱が乱れてしまう。
大丈夫、 ブランクはあるけど、 僕は結構ピアノに入れ込んでいたから。
母さんのように、 なりたくて。
そして何より…… テヒョニヒョンに褒められたくて……。
________
先輩(男性)
先輩(男性)
試しに一度通したあと、 指揮者の先輩が満面の笑みでそう言ってくれた。
JUNGKOOK
先輩(女性)
JUNGKOOK
口々に褒められ、 恥ずかしくなって照れ笑いをする。
休憩の時間に入ると、 指揮者の先輩が僕のもとに駆け寄ってきた。
先輩(男性)
そう聞かれ、 僕は笑顔で口を開く。
JUNGKOOK
先輩(男性)
先輩(男性)
僕は、 はい、 と言って頷く。
先輩の言うとおり。
母さんは、 すごく美しい人だった。
芯(しん)があってたくましくて…… 自慢の母さんだった。
もう、 いないけど……。
_______
その後も練習を続け、 時刻は7時すぎ。
担任の先生
JUNGKOOK
担任の先生
担任の先生
JUNGKOOK
ぞろぞろと帰っていく生徒たち。
僕は、 ピアノ付近の片付けをしていた。
グランドピアノ…… 久しぶりにめいっぱい弾けて楽しかった。
昔はよく、2人で……。
鍵盤を見ながら、 いつの間にか僕は思い出の曲を奏でていた。
V
JUNGKOOK
V
V
テヒョニヒョンはいつもそんなことを言って、 僕はそんなテヒョニヒョンに笑って…
でも、 テヒョニヒョンは小学5年生になった時、 ピアノは飽きたって言い出して……。
V
JUNGKOOK
V
V
V
そう言って笑ったテヒョニヒョンを思い出し、 僕はたまらなく泣きそうになった。
担任の先生
片付けが終わり、 部室の鍵をかける。
JUNGKOOK
ありがとうございましたと頭を下げ、 帰ろうとした時だった。
担任の先生
先生に名前を呼ばれ、 振り返る。
JUNGKOOK
振り返って見えた先生は、 なぜか額に汗をかいていて、 頬が赤らんでいた。
担任の先生
JUNGKOOK
JUNGKOOK
JUNGKOOK
JUNGKOOK
JUNGKOOK
そう断わっても先生はなぜか折れてはくれず、 帰ろうとする僕の腕を掴んできた。
JUNGKOOK
昨日の、 ゆかりさんの顔が浮かぶ。
…先生は男の人、僕も男。
だから、 絶対にあんなことはない、 と、脳内で一生懸命に言う。
先生は男の人だからゆかりさんとは違うのに、 触られるのが気持ち悪くて、 体中に悪寒が走った。
担任の先生
JUNGKOOK
先生相手にこんな感情を持つのは申し訳ないけど、 本当に、 気分が悪くなってきた。
一向に引こうとしない先生に、 どうしようかと途方にくれる。
V
そんな、時だった。
たったそれだけなのに、 泣きたくなる。
JUNGKOOK
どこから現れたのか、 目の前にテヒョニヒョンの姿。
…いつぶりだろうか。
ちゃんと僕を、 "グガ "と、 呼んでくれたのは。
…世界で1番愛しい人が、 世界で1番愛しい声で、
「どうしているの?」とか、 「何してるの?」とか、 聞きたいこといっぱいあるのに身動きがとれなくなる。
『グガ』
JUNGKOOK
V
テヒョニヒョンはそう言って、 先生の手を振り払い僕の手を握る。
何年かぶりに握ったその手は、 前とは比べものにならないほど大きくて…。
言葉にできない愛しさが、 溢れ出す。
JUNGKOOK
JUNGKOOK
そんなのわからない、 でも、 とにかく一つ言えることは…。
JUNGKOOK
本当、この時が止まればいいのにと思った。
一瞬、 昔に戻ったのかと思った。
V
先ほどの会話を聞いていたのか、 先生にそんなことをいうテヒョニヒョン。
先生は一瞬、 気のせいか顔を歪めたけど、 その表情はすぐに笑顔に変わった。
担任の先生
「こんな時間まで生徒会とは、ご苦労様だな」と、 付け足した声に少し嫌味が混ざっている気がしたのも、 気のせい…?
V
V
担任の先生
JUNGKOOK
先生の言葉に、 なんだか僕が嬉しくなって、 笑顔でテヒョニヒョンの顔を見上げる。
V
V
突然こっちを向いたテヒョニヒョンと目が合い、 心臓が勢いよく飛び跳ねる。
JUNGKOOK
JUNGKOOK
JUNGKOOK
手を引かれるままに歩き出し、 テヒョニヒョンについていく。
担任の先生
担任の先生
背後から聞こえてきた先生の声に、 僕は先生の存在を忘れていたことに気づいた。
JUNGKOOK
JUNGKOOK
そう思いながら、 次の瞬間にはまたその存在は頭の中から消えてしまった。
もう僕の頭の中は、 テヒョニヒョンの一色に染まってしまったから。
担任の先生
突然ピタリと、 突然足を止めたテヒョニヒョン。
V
振り返るテヒョニヒョンを、 ただただ見つめる僕。
V
V
V
唇の動き一つ一つすらきれいで、 見逃したくなくて、 ぼーっとしてしまう。
担任の先生
V
再び歩み始めたテヒョニヒョンと同時に、 ぼくもついていった。
コメント
20件
これはもう警察行きだな
私がおんなじ事されたら叫んでる
続き待ってます