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消灯後の静寂。
虫の囀りだけが、静かに響いている。
移動の疲れが押し寄せ、意識が沈む。
……
…………
リョウ
声が聞こえて、足音がひとつ、外に向かう。
……
…………
……………………
ふと、何かの気配を感じた。
目を開ける。
ルティ
なぜか至近距離に、ルティがいる。
口に指を当てて、「静かに」のジェスチャー。
ルティ
ルティ
ルティ
そういえば、トイレに出たきり戻ってこない。
ルティ
ルティが本当に気にしているのは、クリスとミーアの事だろう。
リョウを探しに行くというのは口実で
ふたりの様子を見に行くつもりなのは明らかだった。
外が安全である保証はない。
最低限の装備を持って、付き合う事にする。
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ルティは黙々と、村の中央、篝火の方へ歩いていく。
いまのルティを動かしているのは、ギルドスタッフとしての意地。
冒険者の無謀を、目を瞑って放置することができないのだろう。
ルティ
村の中心、あの焚き火の側に、リョウとクリスの姿があった。
風下の物陰に陣取り、身を伏せると、風に流されて、微かな話し声が聞こえてくる。
リョウ
クリス
リョウの雰囲気は柔らかく、対するクリスは警戒の色を滲ませている。
リョウ
リョウ
リョウ
リョウ
世界には、勇者と呼ばれる存在が一定数存在する。
必然的に、勇者の子孫もそれなりの数が存在していることになる。
クリス
リョウ
リョウ
リョウ
リョウ
リョウ
クリス
リョウの語りに興味を覚えたらしく、クリスは相槌を打つ
リョウ
クリス
クリス
クリス
クリス
リョウ
リョウ
リョウ
リョウ
クリス
クリス
クリス
クリス
クリス
リョウ
リョウ
クリス
クリス
クリス
リョウ
リョウ
リョウ
クリス
勇者の子孫は、勇者ではない。
それは当たり前の事なのに、世の中は勇者の子孫に期待する。
残念なことに、世の中というのはそういう造りになっている。
ルティ
ルティが小さく、ひとりごちる。
そして一瞬の後、その表情に、警戒の色が生まれた。
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ルティ
ルティ
ルティ
ルティの顔色は、良くなかった。
結界の反応が、想定を超えるものだったのだろう。
ルティ
隠れることを止め、ルティが出ていく。
ルティ
ルティ
ルティ
そして間髪も入れず、ルティはクリスを罵倒した。
クリス
クリス
クリス
クリス
クリス
リョウ
間に挟まれて、リョウが困った顔をする。
ルティ
ルティ
ルティ
ルティ
リョウ
リョウ
尋ねるリョウの眼光は、先刻とは違う戦人のものだった。
ルティ
ルティ
クリス
クリス
ルティの言葉に、クリスが噛みつく。
ルティ
ルティ
ルティ
ルティ
ルティが言っている事は無茶苦茶だ。
ひとに無謀をするなと言いながら、自身は無謀に挑もうとする。
ルティ
ルティ
ルティ
ルティ
一方的に、ルティは対応策を告げる。
そこの友達というのは、ミーアのこと。
傍の木にもたれかかり、仮眠をとっている。
キツイ口調だが、この配置はクリスとミーアを前線から遠ざけるためのもの。
それはルティらしい、不器用な判断。
リョウ
リョウ
リョウ
リョウ
リョウ
確かに、リョウの言う通りだった。
単独での戦闘時間が長くはなるが、何より優先すべきは防衛線を構築すること。
それに、できればルティにも、前線にはいてほしくない。
ルティ
ルティ
ルティ
そう告げるとすぐに、ルティは走り出した。
守護精霊
走りながら守護精霊を召喚し、まっすぐに拠点へ向かう。
そしてこちらも、移動を開始する。