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その恋、禁断。

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その恋、禁断。

5 - 〜殺人鬼 編〜

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2020年09月27日

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僕は人を好きになれない

はずだった。

たったひとりと出会ったことで

僕は僕じゃなくなった。

ごめんね

僕なんかが好きになって……。

弘樹

今日で最後にしようって決めてきたんだ

弘樹

雪菜さん、貴女とはもう会わない

雪菜

どうしてですか?

雪菜

もう会わないなんて、どうしてそんな急に……?

弘樹

理由なんてないよ

弘樹

ただ、
貴女と僕は別々の人生を歩んだ方が
いいと思ったんだ

雪菜

そんなの私、納得できません

雪菜

昨日、言ってくれたじゃないですか

雪菜

「貴女といる時間が一番大切だ」って

雪菜

私もですよ。私だって弘樹さんとの時間、
すごく幸せなんです

雪菜

嘘なんかじゃありませんよね……?

弘樹

ごめんね

弘樹

──嘘だったよ

雪菜

……

弘樹

僕はずっと嘘をついてきた

弘樹

僕は君を大切にできない

弘樹

だから、会うのは今日で最後にしよう

雪菜

……嫌です、そんなの

雪菜

好きなんです……! 弘樹さんが

弘樹

……諦めた方がいいよ、僕みたいな男

雪菜

(๑o̴̶̷᷄﹏o̴̶̷̥᷅๑)

弘樹

っ……貴女を抱きしめられる男でありたかった

雪菜

弘樹

さよなら、雪菜さん。

雪菜さん

ごめんなさい

貴女の好きに応えられなかった僕を許してください

貴女は素敵な人でした

僕は貴女の優しさと笑顔に救われていました

本当なら、もっと貴女に近付きたかった

でも、僕は人を愛せない

愛してはいけない

だって僕は、連続殺人鬼だから

僕は今まで何人もの命を奪ってきた

6年前に初めて人を殺してから、

僕の中で何かが目覚めてしまった

誰かを殺すことで、自分の心の平和を保ってきた

そんな僕にはこれまで 大切にしたいものなんてなかった

恋とか、愛とか、未来とか、特別とか

そんなもの必要なかった

何も望んでなかった

それなのに、あの日、貴女は僕の前に現れた

愛おしくなるほど温かい笑顔をむけてきた

あの瞬間、僕は僕でなくなった

感情なんてなかったはずの僕が、

生まれて初めて、貴女に夢中になりました

「誰も愛せない僕」から

「誰も愛してはいけない僕」に変わってしまった

それでもなお僕は嘘を重ねて

殺人鬼という真実から目を背け続けた

初めて見つけた幸せだった

貴女との未来があって欲しいと 知らぬ間に望んでいた

捨てるに捨てられなかった欲望

貴女のせいだ

貴女という存在が、こんなにも僕を変えたのです

だけどやっぱり

こんな僕には貴女を幸せにできないから

どうか僕から逃げてください

僕がまた貴女を探してしまう前に

最後に……

僕が貴女についた最後の嘘

今さらでごめんね

雪菜さん

──貴女のことを愛していました──

弘樹

来世は
貴女を愛せる男で生まれてくるよ

雪菜

弘樹さんの馬鹿……

雪菜

貴方はあの日、私の命を守ってくれたじゃない……

雪菜

3年前のあの時、私を救ってくれたのは貴方だったのよ

雪菜

3年前だけじゃない……

雪菜

私はずっと、貴方から幸せを貰っていたのに

雪菜

殺人鬼の貴方でも、
その貴方が私のヒーローだった

雪菜

愛してた、なんて言葉で終わらせるなんて

雪菜

次こそは、抱きしめてくれないと許さないから……

雪菜

好きでした。

雪菜

愛してました。

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