テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
まだ戦争の火種が小さかった頃。A国とB国の境界線に広がる、大人たちも知らない小さな花畑が ありました。 森を冒険していたA国の王子 さとは、色鮮やかな花々に囲まれてうずくまり、肩を揺らして泣いている、男の子を見つけました。
さとはそっと近寄り、少年の顔を覗き込みました。
さと
声をかけられた少年──B国の王子ころは、涙で濡れた大きな瞳を見開き、首を横に振りました。
ころ
ころ
さと
ころ
さと
さと
さと
ころ
さとが隣に座ると、ころは膝を抱えたまま、ぽつりぽつりと話し始めました。
ころ
ころ
ころ
ころ
ころ
ころ
声を震わせ、再び泣き出したころ。さとはその小さな頭を、優しく撫でました。
さと
さと
さと
ころ
さと
さと
ころ
ころ
それが、二人の運命が交わった最初の瞬間。 お花畑で交わした、小さな、けれど確かな約束でした。
月日が流れ、二人は少年から青年へと差し掛かる時期を迎えました。 ある日の夕暮れ、境界線の丘を通りかかったB国の部隊の旗を見たころんが、自国の紋章が入ったブローチを落としてしまいます。
さと
ころ
ころ
さと
さと
自国の紋章が入ったブローチを見せる
さとの問いに、ころは震えながら頷きました。さともまた、自らの短剣に刻まれた A国の紋章を見せます。
ころ
さと
さと
さとは自嘲気味に笑いましたが、泣きじゃくる青を強く抱きしめました。
さと
さと
さと
さと
さと
ころ
ころ
二人は、誰にも言えない「王子同士の秘密」 を共有し、互いを唯一の理解者として深く想い合うようになりました。
月日が流れ、二人は美しく成長しました。 国同士の仲は最悪の状態になり、互いの父王たちは敵を滅ぼすことだけを望んでいましたが、二人はあのお花畑で密かに会い続けていました。高校生となった二人は、将軍や参謀として軍を率いる立場になってもなお、秘密の恋人として愛を育んでいました。
ころ
ころ
さと
さと
さと
さと
さと
運命の決戦の日。戦場には怒号が飛び交っていました。
B国の王(ころの父)に絶対の忠誠を誓う家来は、主君のために手柄を立てようと、さとの背後に隙を見つけます。
B国の家来
B国の家来
家来が渾身の力で剣を突き出した、その時でした。
さと
ころ
青い影がさとの前に踊り出ます。「ドスッ」 という生々しい音が響きました。
ころは衝撃に大きく目を見開き、呼吸を忘れたように固まりました。自分の胸を背中から貫通した赤い刃を、信じられない様子で見つめます。
ころ
ころ
さと
さと
さと
口から鮮血が溢れ出し、膝から崩れ落ちるその体を、さとが絶叫しながら抱きとめました。
B国の家来
ころ
B国の家来
家来は、己の獲物が主君の息子であったことに気づき、全身の血が引きました。主君への忠義のために振るった刃が、主君の宝を奪った。家来は己の手を見つめ、ガタガタと震えながら狂ったように自分の頭を何度も地面に叩きつけます。その後、彼はその場で自らの喉を突き、物言わぬ骸となりました。
さとは、手のひらに伝わる熱すぎる血の感触にパニックに陥っていました。
さと
さと
さと
さと
さと
さと
さと
さと
さと
さと
さと
さとの悲痛な叫びが戦場に木霊します。
ころ
ころ
さと
さと
さと
さと
ころは最期の力を振り絞り、血に汚れた手で桃の頬に触れました。
ころ
ころ
ころ
ころ
ころ
その手が力なく滑り落ちた瞬間、さとの中の何かが完全に壊れました。
さと
さと
さと
さと
さと
ころ
さと
さと
さと
さと
さと
戦場から戻ったさとを迎えたのは、冷徹な父王―――A国の王の歓喜の声でした。
A国の王様(桃のお父さん)
A国の王様(桃のお父さん)
A国の王様(桃のお父さん)
返り血を浴びたまま立ち尽くすさと。父王はふと眉をひそめ、息子に問いかけました。
A国の王様(桃のお父さん)
A国の王様(桃のお父さん)
A国の王様(桃のお父さん)
A国の王様(桃のお父さん)
A国の王様(桃のお父さん)
A国の王様(桃のお父さん)
父王の鋭い視線が刺さります。さとは一瞬だけ視線を彷徨わせましたが、すぐに揺るぎない瞳で父を見据えました。
さと
さと
さと
さと
A国の王様(桃のお父さん)
A国の王様(桃のお父さん)
激昂する父。しかし、さとは一歩も引きませんでした。
さと
さと
さと
さと
さと
A国の王様(桃のお父さん)
父の怒号が響いた次の瞬間。 さとは腰の短剣を抜き放ち、迷うことなく自らの身体を突き刺しました。
A国の王様(桃のお父さん)
王の顔から余裕が消え、みるみるうちに血の気が引いていく。鮮血が床を赤く染めていく中、さとは突き立てた剣を離さず、真っ直ぐに父へ懇願しました。
さと
さと
さと
さと
A国の王様(桃のお父さん)
さと
A国の王様(桃のお父さん)
A国の王様(桃のお父さん)
A国の王様(桃のお父さん)
さと
さと
意識が遠のく中、さとは必死に声を絞り出しました。息子の命が今にも消えようとしているのを目の当たりにし、王のプライドは音を立てて崩れ去ります。目からは大粒の涙が溢れ出しました。
A国の王様(桃のお父さん)
A国の王様(桃のお父さん)
A国の王様(桃のお父さん)
A国の王様(桃のお父さん)
A国の王様(桃のお父さん)
A国の王様(桃のお父さん)
泣き崩れ、さとを抱きしめる父。その腕の中で、さとは最期の力を振り絞って微笑みました。
さと
さと
さと
A国の王様(桃のお父さん)
さと
さと
さと
さと
さと
さと
さと
さと
さと
さと
さと
さと
さと
さと
さと
さと
さと
さと
さと
A国の王様(桃のお父さん)
A国の王様(桃のお父さん)
さと
さと
さと
さと
さと
さと
A国の王様(桃のお父さん)
さと
さと
さと
感謝の言葉を遺し、さとの身体から力が抜けました。
バタッ、と倒れ込むさと。
A国の王様(桃のお父さん)
腕の中で動かなくなった息子 ――さとの体は、羽のように軽かった。
A国の王様(桃のお父さん)
A国の王様(桃のお父さん)
A国の王様(桃のお父さん)
A国の王様(桃のお父さん)
A国の王様(桃のお父さん)
A国の王様(桃のお父さん)
A国の王様(桃のお父さん)
A国の王様(桃のお父さん)
息子が最期に遺した「嫌いでした」という言葉が、どんな刃よりも深く王の心臓を抉る。
王は独り、血に汚れた玉座の前で泣き叫んだ。勝利の代わりに手にしたのは、息子が命を懸けて拒絶した、冷たく空虚な世界だけだった。
💗𓏸 𓈒 𓂃 𝐄𝐍𝐃𓂃 𓈒𓏸 💗
僕の声を君に届けたい。
#ご本人様には関係ありません