マイケル・金松
えー…、それではここからは燕部長に変わりまして私から…。
加々羅 柊
あ、あのその前に…、顔色が悪いようですが大丈夫ですか…?
マイケル・金松
ご心配なく、少し寝てないだけですので…。
風音 るいの
少しでそんな顔色になるのかなぁ…。
皇 雷斗
今にも倒れそうだよねー。
皇 雪杜
だよねー。
マイケル・金松
まぁ…気を緩めれば倒れてしまうと思われますので、その意見はあながち間違ってません。
燕 真琴
あはは、ダメっすよ睡眠時間はしっかりとらないと〜。
マイケル・金松
…誰のせいだと思ってるんですか。
燕 真琴
んー、誰のせいっすかね?
マイケル・金松
…。
まぁいいです…。
真琴の返答にマイケルは明らかにガックリときた仕草を見せる。
マイケル・金松
えー、ゴホン。
先ほどの話に戻りますが燕部長の指導方針もそうですが会社としてもまだ皆さんを戦場に送るわけにはいきません。
マイケル・金松
理由は至極単純、お金です。
濃霧 孤珀
金だ?
マイケル・金松
はい、お金です。
「戦争」をするにあたって皆さんはどれぐらいの費用を会社が使っているかご存知ですか?
古寺 優雅
いえ、知りません。
マイケル・金松
まず、皆さんの平均的な装備品にかかる費用がこれぐらい。
マイケルは懐から使い込まれた電卓を取り出し慣れた手つきで数字を弾いていく。
マイケル・金松
そして移動費、食費、最低限の日当、危険手当、弾薬、医療品等の消耗品、さらに作戦毎に必要になる特殊な装備等…。
マイケル・金松
最低でも1人戦場に出すだけでこれぐらいはかかります。
計算が終わった電卓の数字を前にあるホワイトボードに書き込み振り返る。
風音 るいの
うわぁ…。
色瀬 月亜
たっかーい!
燕 真琴
ひゃー驚きっすね!
皇 雷斗
なんで真琴ちゃんが驚いてんの。
燕 真琴
いやー、あんまり気にして無かったからっすよ。
皇 雪杜
あはは、真琴ちゃんらしいね。
マイケル・金松
燕部長はもっと気にかけて欲しい部分なんですがね…。
これが掛けることの人数分。
マイケル・金松
敗戦時にはこれらが全て無駄になります。
そして、最悪戦死された時に御家族に支払われるお見舞金等。
マイケル・金松
数え出したらキリがないほどの出費が発生します。
マイケル・金松
なので会社としてもすぐに死んでしまうような方を戦場に送り出すわけにはいきません。
濃霧 孤珀
な、なるほどな…。
暁岾 美緒
分かりました…。
燕 真琴
皆んな素直で感心感心っす。
マイケル・金松
この説明も本来は燕部長の仕事なんですがね…。
燕 真琴
ははは、いやー難しい話は苦手なんすよ。
燕 真琴
あ、さて。
ここからは改めてこれからの話をするっすよ。
燕 真琴
まず前もって知らせておいた通り皆んなにはこれから半年間の寮生活を送ってもらうっす。
あ、もちろん男女別っすよ!
私は気配りのできる上司なので!
マイケル・金松
いや、当然だと思いますが…。
皇 雷斗
はーい!
燕 真琴
はい、雷斗。
皇 雷斗
部屋割りはどうなるのー?
燕 真琴
え?男女二つに分けて皆んな同じ部屋っすよ。
古寺 優雅
気配りとは…。
濃霧 孤珀
女側は6人で1部屋じゃねぇか!
暁岾 美緒
プライバシーも何もありませんね。
燕 真琴
えー、ダメっすかね?
月西 陽
旅行みたいで楽しそうだね!
風音 るいの
トランプとか持ってきたら良かったね!
燕 真琴
うんうん、楽しそうっすよね。
マイケル・金松
何冗談ばかり言っているんですか…。
ちゃんと1人一部屋用意してありますよ。
燕 真琴
いやー、楽しくてつい。
皇 雪杜
冗談かよ!
燕 真琴
そりゃそうっすよ。
マイケル・金松
冗談のタチが悪いんですよ…。
古寺 アスカ
一瞬、本気で言っているのかと思った…。
燕 真琴
ははは、上手く騙せてよかったっす。
燕 真琴
まぁとりあえず、全員荷物を運び込んだら今日の仕事は終わりっすよ。
明日から基礎体力を鍛える楽しい楽しい研修の始まりっす。
燕 真琴
んじゃ、解散っす!
解散を告げられ各自が荷物を手に割り振られた部屋に向かった後。
マイケル・金松
皆さん明日から苦行の始まりですね…。
燕 真琴
いやいや、体力的にキツいだけなら苦行でもなんでもないっすよ。
燕 真琴
戦場に出たら体力も精神も削られるんすからそっちの方が苦行っす。
マイケル・金松
なるほど、私には分からない世界です。
燕 真琴
まぁそれは仕方ないっすよ。
私にはお金の管理はできないので適材適所ってやつっすね。
マイケル・金松
そうですね。
それでは私は仕事に戻ります。
燕 真琴
今日ぐらいはゆっくり休んでいいんすよ?
流石に睡眠時間2時間で15連勤は無茶っすよ。
マイケル・金松
いやいや、これぐらいなんともないですよ。
それに私仕事が大好きなので。
燕 真琴
ワーカーホリックの極みっすね…。