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LINE1422

1 - あ

♥

47

2023年12月19日

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タキコ

セツナさんが店長を自宅のアパートから突き落とした

タキコ

店長と何かをもめていたのかセツナさんの家のドアをどんどんと必死に叩く店長を、

タキコ

強くドアを開けて押し倒して、そのまま家の前の廊下で揉み合い、その末、店長は声を上げることもなくアパートの三階からしたの石畳の上に頭から落下した

タキコ

時刻は夜中の2時半であたりは鎮まり帰っていた

タキコ

おどおどと狼狽えているセツナさんはすぐに一階の石畳へとおり、店長をどう処理しようかと悩んだいた

タキコ

目撃者は、わたしだけ

〜半年前〜

タキコ

YouTubeを見ていたらラインの機能を使ってメモ帳がわりにしている人を見つけた

タキコ

これはいいと思い、私はその機能を使って日記帳を書くことにすた

タキコ

今まで日記をつけてみたいと何度も考えることはあったが、

タキコ

いざ日記が誰かに見つかってしまい、それが周りへ露呈してしまった時のことを考えてしまうとなかなか一歩踏み出すことができていなかった

タキコ

別に私の日記に興味を持つ友人なんていないのに

タキコ

わたしは家の近所にすんでいるセツナさんに興味を持っている

タキコ

セツナさんは三階建てのボロアパートに住んでおり、そのアパートの住人はセツナさん以外存在しない

タキコ

完全に彼女の孤城である

タキコ

セツナさんは黒くて長い綺麗な髪の毛をしていて、肌は透き通る雪のように白い

タキコ

身長は高くてすらっとしているからまるで昔の漫画に出ていくる幽霊のように見える

タキコ

そしてセツナさんはバイト先のスーパーの店長と付き合っている

タキコ

セツナさんは店長に奥さんがいることをしらないみたいだけど

タキコ

セツナさんは昔、私の面倒をよくみてくれたレイコさんにとても雰囲気が似ている

タキコ

じっさいにセツナさんの年齢もレイコさんと同様28歳で私の三個上

タキコ

あのとても優しかったレイコさんと影が重なって、私は彼女に興味を持っている

タキコ

私はセツナさんと友達になりたい

〜三ヶ月前〜

セツナ

リョウジさん、次のゴールデンウィークに一緒にシンガポールに行かない?

セツナ

私すごいいま自分の中でシンガポールがキテて

セツナ

ほんとに綺麗でいい国なの

セツナ

私、今年のゴールデンウィークはシンガポールで過ごしたいなあ

リョウジ

セツナちゃんそれは無理だよ

セツナ

どうして?

セツナ

大型改装工事のためにうちのスーパーも店を閉めてるじゃん

セツナ

せっかくの貴重な長期休暇なんだから一緒にバカンスいこうよ

セツナ

てか連れっててよ〜

リョウジ

ごめん、いままでだまってたんだけど

リョウジ

おれ、奥さんいるんだよ

セツナ

へ?

リョウジ

だからゴールデンウィークは家族と過ごすってもう決まってる

リョウジ

ごめん

セツナ

なにそれ

セツナ

私そんなの一回も聞いたことなかったんだけど

セツナ

なに、じゃあ私はただの遊び相手ってこと?

セツナ

サイテー

リョウジ

本当にごめん

リョウジ

別に遊び相手ってわけじゃない、本当にセツナちゃんのことを愛してるんだ

リョウジ

妻のことも、セツナちゃんのことも

リョウジ

それに俺には子供もいるから簡単に妻を切り捨ててセツナちゃんとくっつくなんてできないんだよ

セツナ

は?子供もいるわけ?

セツナ

なるほどね、いつも私が家に行きたがると頑なに嫌がったり、

セツナ

変な理由つけて急に帰ったりする時は全部家族の元に帰ってたってわけね

セツナ

私と一緒にいる時、たまにこそこそ誰かと電話してるし、

セツナ

外に出かける時は帽子とサングラスとマスクを絶対に外さないもんね

セツナ

そういうこと

セツナ

私は浮気相手だったんだ

リョウジ

本当に今まで黙っててごめん

リョウジ

でも俺、二人の関係を終わらせたくないんだ

セツナ

それじゃあ私か奥さんどっちか選んでよ

リョウジ

ごめん選べない

リョウジ

本当にセツナちゃんのことも愛してるんだよ

リョウジ

結婚はできないけど、これからも一緒に会ったり過ごしたりすることもできるから

セツナ

でも結局どっちかを天秤にかけたら家族の方を優先するんでしょ

セツナ

それに私との関係は周りの人たちには内緒で

セツナ

私はまるであなたが親からこっそり抜き取ったお金で買ったオモチャ見たいじゃん

セツナ

私周りに言いふらしてあげるから

リョウジ

ちょっとまって、それだけは

セツナ

もし周りに言いふらされたくなかったら500万円私にちょうだい

リョウジ

500万円!?そんなの無理に決まってるでしょ!

セツナ

子供の学費のために貯めてる貯金あるでしょ

セツナ

そこから出しなさいよ

セツナ

いいの?私本気で周りの人たちに言いふらすからね?

リョウジ

勘弁してくれ

リョウジ

頼む、セツナちゃん理解してくれよ

セツナ

いやよ、私他の女に負けて惨めにこそこそ付き合うなんてしたくない

セツナ

残念、次の出勤で口の軽いおばさまたちに洗いざらい吐き出すから

セツナ

リョウジさんが私の家に置いていく証拠品も全部持っていってね

リョウジ

わかった!

リョウジ

来月までに払う

リョウジ

来月までに500万円払うから勘弁してくれ

セツナ

本当に払うんだよね

リョウジ

もちろん、本当に酷いことをしたと思ってるから

セツナ

わかった、その言葉も嘘だったらどうなるかわかってるでしょ

リョウジ

嘘じゃないよ

〜二ヶ月前〜

タキコ

今日は店長とセツナさんのデートの日だったから私も後ろからこっそりとついていった

タキコ

もう二人のデートについていくのは4回目ほどになるが、いまだにドキドキする

タキコ

特に二人と同じバスに乗り込み、背中合わせで密着しながら二人の会話を盗み聞きするあの時間は心臓が張り裂けそうになる程高鳴り興奮する

タキコ

セツナさんと友達になるにはまずセツナさんのことをよく知らなくてはいけない

タキコ

そのためには二人の会話をよく聞き、できる限りセツナさんの解像度を上げることが大切だ

タキコ

私は今日の二人の会話を聞いて驚いた

タキコ

セツナさんはもう店長に奥さんがいることを知っており、現在色々な理由をつけて1000万円ほど要求していたことがわかった

タキコ

確かにセツナさんはあまり綺麗とは言えないアパートに住んでいるが、流石にそんなにお金に困ってはいないはず

タキコ

毎晩夜遅くまで電気は使っているし、お風呂も毎日新しく溜めて入っている

タキコ

まさか、引っ越すつもりなのだろうか

タキコ

それだけのお金を受け取っていたとしたらなかなかいいところに住めるんじゃないのかな

タキコ

私の住んでいるマンションは現在幸運にも私の隣の部屋が空き部屋となっている

タキコ

明日から怪しまれない程度にうちのマンションの広告をポストに入れてあげよう

タキコ

気づくといいな

〜一ヶ月前〜

タキコ

今日は私が出勤している時、消費者金融から店長が浮かない顔をして出てくるのを見かけた

タキコ

おそらくセツナさんに渡したお金は消費者金融からかりてきたお金を渡したのだろう

タキコ

店長にも家庭があるし、貯金を一気に引き下ろすと妻に怪しまれてしまうためこっそりお金を借りて、

タキコ

コツコツと利息と共に返していくことを選んだんだろう

タキコ

もしこれで店長をクビになって仕事がなくなったとしたら彼はどうするんだろうか

タキコ

少し気になるため、一応やること予定リストに入れておこう

タキコ

でもその前に一番上の項目を最初に消化しなければならない

タキコ

セツコさんと友達になる

タキコ

ここ数ヶ月、何度か話しかけるチャンスはあったが、私は持ち前の人見知りを発動してしまい結局一度も話しかけることもできなかった

タキコ

結局私がいままででセツコさんと言葉を交わしたのは

タキコ

おはようございます、とおつかれさまです、だけだ

〜1時間前〜

セツナ

店長、私このあたらしヴィトンのネックレスが欲しいんだけど

リョウジ

もう無理だよセツナちゃん

セツナ

大丈夫、もう一緒に買いに行こうなんて言わないからね

セツナ

奥さんの誕生日なんでしょ?今日

セツナ

お金さえ振り込んでもらえれば結構、勝手に買いに行くから

リョウジ

もうお金は十分な金額を振り込んだはずだろう!

リョウジ

これ以上は本当にもう無理なんだよ!

セツナ

何が十分だって?

セツナ

私が受けた心の傷はまだまだこんなもんじゃないんだけど

セツナ

店長が私にどれだけの苦痛を与えたか知らないでしょ?

リョウジ

たかがスーパーの店長には払えるお金にも限界があるんだよ!

リョウジ

これ以上は家族の生活に支障が出始めるから

リョウジ

もう勘弁してくれよ

セツナ

いやです、明日の12時までに振り込みが確認できなかったら全ての事実を公表するから

セツナ

それじゃあよろしくお願いしますね

リョウジ

ちょっと待ってくれよ!

セツナ

奥様、ハッピーバースデー!

〜十分前〜

タキコ

今日もいつものようにセツナさんが就寝するまで彼女の家を観察している

タキコ

彼女はだいたい深夜の2から3時の間に消灯する

タキコ

夜遅くまで最近発売されてビデオゲームに熱中しているみたいだった

タキコ

奥から見覚えのある車がアパートの駐車場に入ってきた

タキコ

あれは店長の車だ

タキコ

車から店長が降りてくると、店長は後ろのトランクから長いロープのようなものを取り出してアパートの階段を駆け登っていく

タキコ

これはもしかして、店長はサツナさんを殺害するつもりなのだろうか

タキコ

おそらく新しく何かを請求されて、もうセツナさんを消すしかないと考えたのだろう

タキコ

私は足元に転がっていた大きめの十分鈍器になりうる石を拾い上げた

タキコ

店長がセツナさんの家に入ったら私もあのアパートの階段を駆け上がる

タキコ

もしセツナさんが襲われていたら、私が中に入って店長の頭にこいつを思い切り叩きつけてやればいい

タキコ

だけどセツナさんはなかなか玄関のドアを開けなかった

タキコ

店長が大声を上げて、ドアをバンバンと叩きながら開けるよう要求し始めた時、

タキコ

玄関のドアがバンと勢いよく開き、店長を吹き飛ばした

タキコ

そして揉み合いの末、店長は3階から真っ逆さまに下へ落ちていき、石畳の上で頭から血を流した状態で倒れていた

タキコ

私はすぐに慌てているセツナさんの元へ駆け寄った

〜次の日〜

タキコ

ようやく処理が終わった

タキコ

あの後私ははじめてセツナさんに声をかけることができた

タキコ

セツナさんはやばいものを見られたという顔と、どうして私がここにいるのかを不思議に思っている顔をしていた

タキコ

「どうしてタキコさんがここに?タキコさんってたしかお家逆の方でしたよね?」

タキコ

と震える声で言った

タキコ

私はとても嬉しかった

タキコ

同じスーパーで働く私のことを顔だけでなく家の方面まで覚えてくれていたのだ

タキコ

やはり私たちはいい友達になれるんだろうと確信した

タキコ

私はすぐに二人でセツナさんの家に店長を運んだ

タキコ

そしてセツナさんと二人で一晩かけて店長を6つの袋に分けた

タキコ

あとは今日これを色々なところにそれぞれバラバラに捨てにいくだけだ

タキコ

このアパートにはあした火をつけてしまえばいい

タキコ

久しぶりに体全身を動かしたからなのか身体中がバキバキで疲労がすごい

タキコ

だけど、何はともあれ、

タキコ

セツナさんと友達になれたのでよかった

〜後日談〜

タキコ

せっかく友達になれたと思ったのに、結局セツナさんは警察に自首をして捕まってしまった

タキコ

人を殺してしまった罪の重さをこれからずっと抱えていくことに耐えられなくなった、と

タキコ

セツナさんが自首する前に私のラインに届いていた

タキコ

安心してください、手伝ってくれたタキコさんの名前は絶対に出しませんから、ともきていた

タキコ

もし私の名前も出してくれたら同じ刑務所に入って過ごせたかもしれないのに、

タキコ

やっぱり昨日は何か、私が彼女を不快な思いにさせてしまったのだろうか

タキコ

私は今でも疑問に思う

この作品はいかがでしたか?

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