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朝 四時
空の薄明かりと街のネオンが混じりあって 朝なのか夜なのか曖昧な世界
クラブ帰りのこの景色が好きだ。
竜胆
思い出しては 安物だけど何も無いよりはマシだろうと コンビニに寄って、
ついでに朝飯も買い込んで店を出る。
竜胆
自宅であるタワマンの傍にある公園
竜胆
ここ最近必ず見かける学生がいる
ベンチに座って 教科書を眺めている男子高校生
“ 相容れない世界の住人 ”
竜胆
竜胆
ほんの少しの好奇心だった
真剣な眼差しで教科書を熟読するコイツは 突然後ろから悪い大人に声をかけられたら どんな顔をするだろう
狛
切れ長で大きな瞳を真ん丸にして 肩を跳ねさせた
竜胆
狛
皺ひとつないシャツの袖から伸びる手
骨ばった細い指先で好みを指さした
竜胆
竜胆
狛
警戒心満載の彼の膝に おにぎりをポンと置いて 隣に腰掛けた
しっかりと皺を伸ばされた学生服を見れば 育ちが良いことは明白だった
竜胆
竜胆
サンドイッチを頬張りながら足を組む
狛
狛
狛
狛
狛
知らなかった
いつも教科書を眺めているコイツは 俺と同じ世界を見ていること。
このとき思ったんだ
明日も会いたいと――