加藤真耶から依頼を受けて
一週間が経った。
便利屋として諸々の仕事をこなしながら
紫雲はずっと
”加藤真耶にどう報告するのか”
ということを悩んでいた。
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
便利屋の仕事の一つ
犬の散歩をしながら
ぼんやりと考える。
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
それだけは
絶対に避けたいことだった。
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
先を歩いていた犬が足を止め、
こちらを振り返った。
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
犬は”おやつ”と聞いた瞬間、
パッと明るい表情になり、
一気に駆け出した。
紫雲 かぎり
紫雲 かぎり
紫雲はリードを短く持って、
犬と並んで走った。
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閉店間際の喫茶店に
客の姿は無く、
滝津は一人のんびりと
後片付けをしていた。
滝津 七星
滝津 七星
滝津 七星
滝津 七星
滝津 七星
滝津 七星
滝津 七星
滝津 七星
滝津 七星
滝津 七星
驚いて振り返ると、
店の隅にうずくまっている
少女?を見つけた。
滝津 七星
滝津 七星
滝津 七星
少女はゆっくりと顔を上げ、
振り返った。
滝津 七星
少女の顔は
ズタズタに
切り裂かれ、
血が滴り落ちていた。
滝津 七星
滝津が悲鳴を上げると、
少女は煙のように
溶けて
消えた。
滝津 七星
滝津 七星
滝津 七星
滝津 七星
言いようのない恐怖と
不安が襲い掛かる。
だが、何故か
どこかで
見たことがあるような
そんな気がしてならなかった。
滝津 七星
滝津 七星
滝津 七星
そう、
思考を巡らせていると、
ある人物が
脳裏をかすめた。
滝津 七星
だが、
その顔は
モザイクがかかったように
不鮮明だった。
滝津 七星
滝津 七星
滝津 七星
不鮮明なその人物は、
そっと手を差し伸べてきた。
その手を掴もうと
滝津も手を伸ばしたが、
触れることはできなかった。
滝津 七星
滝津 七星
滝津 七星
滝津は呟いて、
手を強く握りしめた。
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【数日後】
紫雲の調査報告を聞いて、
加藤真耶は落胆の色を隠せなかった。
難しい依頼だと思っていたが、
紫雲に対して
少なからず期待はしていた。
だが結局、
彼も”同じ”だった。
紫雲 かぎり
そう言って深々と頭を下げ、
返された前払金。
姉が生きているのか、
死んでいるのかさえ、
わからないという。
いや、
はっきりと答えてくれなかった。
何を聞いても無言を貫き、
ただただ申し訳なさそうな顔をするだけ。
加藤 真耶
真耶はそう思って、
それ以上追及するのを止めた。
加藤 真耶
加藤 真耶
加藤 真耶
加藤 真耶
加藤 真耶
加藤 真耶
真耶は困惑した表情の紫雲を残し、
ひとり店を後にした。
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前回もそうだった。
期待に胸を膨らませて報告を聞きに行って、
重い足取りで家路につく。
加藤 真耶
加藤 真耶
加藤 真耶
加藤 真耶
こぼれ落ちそうになった涙を
慌てて袖口で拭った。
加藤 真耶
加藤 真耶
───ピロンッ♪
加藤 真耶
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mAsy2198
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mayaMaya
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加藤 真耶
加藤 真耶
加藤 真耶
加藤 真耶
悩んでいる真耶に
メッセージが立て続けに送られてくる。
加藤 真耶
加藤 真耶
加藤 真耶
加藤 真耶
メッセージを送って来た相手を信じた、とか。
信憑性がありそうだったから、とか。
そんな理由じゃない。
ただ、
純粋に
何か一つでもいいから
姉のことが知りたかった。
だから、
真耶は相手のことを疑いながらも
アプリをダウンロードして、
電話番号を登録した。
程なくして
メッセージが届いた。
いや、
動画だ。
たった十数秒の動画だった。
加藤 真耶
加藤 真耶
そこには、
確かに、
姉の最期と思われる姿が
映っていた。
若い男性に、
滅多刺しにされる
姉の姿が。
加藤 真耶
加藤 真耶
吐き出す言葉は震えていた。
加藤 真耶
ゆっくりと振り返った
若い男性に見覚えがあった。
加藤 真耶
加藤 真耶
加藤 真耶
加藤 真耶
加藤 真耶
答えてくれる人はいない。
だが、
その動画の中では
確かに
紫雲かぎりが
加藤沙耶を
殺していた。
何度も何度も、
包丁を振り下ろし、
彼は
姉の返り血で
真っ赤に染まっていた。
加藤 真耶
加藤 真耶
加藤 真耶
妙に納得のいくものがあった。
加藤 真耶
加藤 真耶
嘲笑を浮かべ、
真耶は強くスマホを握りしめた。
すると、
またメッセージが届いた。
加藤 真耶
加藤 真耶
加藤 真耶
加藤 真耶
その瞬間、
加藤真耶の中で
何かが壊れた。
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nagA
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nagA
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紫雲はメールを開封し、
内容を読む。
紫雲 かぎり
そこには、
”お前が私の姉を殺した犯人だった”
”絶対に許さない。”
”お前にも大切な人を失う悲しみを”
”思い知らせてやる。”
そして、添付されていたのは
滝津七星が働く
喫茶店の入り口の写真だった。
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『密告』 END
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