何処ぞのちょっと関係の崩れた感じの桃赤 ちょっと良く分からんが読みたい人は読んでね
その手の、あたたかさをおぼえている
世界がオレンジに染まって、キラキラと光る
振り返ると、兄はとてもあたたかく微笑み、俺を見ていた
口から出る俺の名前は、今すぐ抱きついてしまいたい程優しくて
にへ、と頬を緩めた
すると兄はおかしそうに笑って、手を伸ばす俺を抱き上げた
ふわっと髪が揺れ、兄の視界を邪魔する
その髪をどかしてやれば、兄は嬉しそうに歯を見せて笑った
「________」
幸せだった
流れる記憶
ぼうっとする頭で、夢だとわかるのに、そう時間はかからなかった
見つめる掌を、強く握る
青
ふと声がして、顔を上げるとそこにはころんが居て、コントローラーを持っていた
青
桃
はぁ?!おま、ふざけんなよ!と騒ぐころんを置いてスマホを取り出し、時間を確認する
桃
青
桃
とだけ言い、服を着替え部屋を出る
青
階段を降りるところんは手を振ってリビングへと戻っていった
スリッパを脱ぎ、靴を履いていく
するとものすごい勢いでリビングの扉が開かれ、ビクッと肩が揺れた
黄
振り返った俺の目の前に光の如く現れたるぅとは目をキラキラさせてスマホを見せた
桃
黄
目をかっ開き、普段苦手な早口で迫り来るるぅとに俺は頷くことしかできなかった
扉が閉まるその時まで、るぅとは俺を見つめていた
桃
踵を返し、家を出て歩き出す
5分くらい経った頃だろうか、ピロンと通知が鳴った
黄
桃
追加で送られてきたサイトに飛んでみればなんと一個900円するではありませんか
今財布の中の残高を思い出し、課金しなければ良かったなぁと後悔をしつつ欲しかったゲームはまた来月へと先伸ばされた
桃
とほほ、と涙目になりながらお店へと足を動かした
お店の前にはズラーっと人が並んでいて、一体いつ家に帰れるんだ、と眉を下げ困った表情をしながら最後尾へと並ぶ
チクチクと感じる視線に無視をして、ゲームしてればあっという間だろうとスマホを取り出す
少しずつ徐々に動いていく列、1時間程経った頃だろうか、やっと店の入り口が目の前に現れた
俺の前の客が店に入り、1人の客が外に出ると、スタッフの方がどうぞーと俺を店の中に入れた
店内は今時な感じで、とてもお洒落な落ち着く音楽が流れていた
店員
制服を着た店員が笑顔で言った
ガラスケースの中に入れられた商品に目をやり、ひやりと汗をかいた
なんと今期間限定のいちごチョコ味のプリンが残り4個ではないか
桃
はい、かしこまりました。少々お待ちください
店員は笑顔でそう言うと丁寧にケースからプリンを取り出し、袋に詰めていった
嗚呼、どうしよう
店員
そう言ってくる店員に軽く会釈をし、店を後にした
桃
あれから今日の夕飯の買い出しをし、空はオレンジ色に染まっていた
彼奴の怒った顔が目に浮かぶ
『どうして•••どうしてですか。人数分って言いましたよね』
念のため機嫌を取るために彼奴が好きなものは出来るか限り買ったのだが、許してくれるだろうか
平手打ちは覚悟したほうがいいのだろうか
桃
少し乱暴に髪をかきあげ、夕日を眺める
桃
こんなにゆっくりと夕日を眺めるのは本当に久しぶりだ
足を止め、川辺の近くの草原に行こうとした時、俺は目を見開いた
特徴的な、俺の大好きな色の髪色が風に揺らされる
桃
ピクリと肩が動き、夕陽に照らされてキラキラ輝く2色の瞳が俺を貫いた
赤
目があったかと思えば逸らされ、兄は夕陽へと視線を戻した
桃
赤
兄は興味なさげに返事をした
いつからだろう
兄ちゃんが、俺を視なくなったのは
桃
桃
静かに近づき、隣で腰を下ろす
いつもはそんなことしない
ただ今はなんとなく、隣にいてもいいような気がした
赤
話してくれるとは、思わなかった
驚いて、隣を見る
兄は膝の上で頬杖をついて、まっすぐ前を向いていた
表情は髪の毛で見えなくて
桃
赤
いつも通りの突き放すような言葉
だけどどこか、暖かさを感じるような
不思議な気分
桃
へー、と興味なさげな返事に嬉しさを感じながら会話を続けた
30分程経っただろうか
ふと、兄は立ち上がった
赤
兄はずっと手に持っていた袋を俺に渡した
桃
中を確認すると、そこには期間限定のプリンが1つ入っていて目を見開いた
赤
そう言って去ろうとする兄に慌てて手を掴んだ
驚いて振り返った兄は黙ったまま、俺を見つめる
ふわりと髪が揺れた
赤
桃
まだ、一緒にいたい
行かないで、欲しい
赤
桃
自分でも驚く程、震えた声
赤
赤
乾いた、小さな笑い
微かに聞こえたいいよと言う声に、じんわりと胸が熱くなった
風が2人の髪を揺らす
繋ぐ手は、冷たい
あの日とは、何もかもが違う
あたたかく、幸せな思い出
今は、ほんのひと時のぬくもり
何が兄ちゃんを変えてしまったのかは分からない
でも、今日みたいな日がたまにでもいいから続くのならば
戻らなくてもいいと思う
明日、また兄ちゃんが冷たくなってしまっても
別にいいと
今俺を見るあたたかな瞳を見れば
そう思える
~ end ~
コメント
1件
よく分かんない桃赤でした。 次の投稿は♡200〜 今年もよろしくお願いします