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静かすぎて怖い。
さっきまで満たされていた騒音が嘘みたいに引いた
その代わりに太中の気配だけが鮮明だった
体温。呼吸。
そして触れられている手首から伝わる一定のリズム
中也
中也が吐き捨てると太宰は肩をすくめた
太宰
リンクは浅い
そうわかっているのに感覚は正直だった
太宰を中心に捉えた世界は 重力が暴れない
音もちゃんと距離を保っている
中也
このまま_
一瞬そんな考えが頭をよぎった
中也
太宰
中也
太宰の指先がわずかに止まる
太宰
まるで状態を確認しているように 問いかけは穏やかだった
中也
そういえば切れると思った
なのに
太宰
太宰はそう言って指を離さない
太宰
ズルい言い方だ、反論しようとしてもできない
太宰の存在がまだ必要だと感覚が知っている
中也
太宰
太宰
図星だった
太宰
中也
太宰が低い声で言った
太宰
中也は答えられなかった
悪くない、そういえばいいだろう
だけど悪くないと言ってしまえば
俺が太宰のことを好いていることがバレてしまうのでないかと
そして小さな世界で自分が太宰に寄りかかって 立っていることを否定できなかったからだ
中也
そして1分がたった 太宰は手首から手を離した
瞬間。
中也
世界がうるさい
耐えられないほどでもない、でも…
中也
指先が無意識に震えた
太宰はそれを見逃さなかった
太宰
太宰
中也
中也
途切れ途切れの言葉 きっと情けない声を出しているだろう