ずっと兄が羨ましかった
優秀で運動も勉強もできる兄が。
両親
何十回も聞いた言葉が耳から離れなくて
イライラするのか
それとも悲しくなるのか
感情がごちゃごちゃになる
両親
それに比べて俺は何にもできない
運動も勉強も下の下
親からの期待なんてなくて
zm
それしか言えなかった
兄は医者になりたかったらしい
笑顔で言った兄に俺はなんにも言えなかった
この醜い心が、
嫉妬で充たされた心が
『嫌い』なんて思ってしまう俺が
全部全部消えればいいのにな……
zm
自虐するように笑い1人歩く姿は惨めだった
幸せってなんやろな
当たり前ってなんやろうな
形のあるものだけじゃなく形にないものまで
ガラスのように粉々になっていく
まるで"当たり前"のように……
zm
zm
両親
その日俺は親と喧嘩をした
抑えられないほどの醜い"何か"が爆発した
zm
両親
言われたくなかった言葉。
"出来損ない"
そんなの1番俺が分かってる
だから……
もう何も言わないで
気づいたら俺は動いてて
バチンッ
両親
母を殴り倒してた
そんな中兄が帰ってきて意味もわからない状況を見た瞬間俺を母から引き離す
血まみれの俺に『そんなことしちゃダメだろ』『お前を産んだ親だろ?』なんて綺麗事を並べていく兄が
うざくて
大好きなはずなのに……
zm
そう叫ぶ俺はなんなんだろう
zm
zm
zm
そう言い家を飛び出した
もう夜中で暗かった
俺の家は一軒家だから近くのマンションまで行く
こんな俺なんか消えちまえって。
トントンと音を立てて階段を登っていく
すると
後ろには兄がいて……
わざわざ追っかけてきたようだ
zm
zm
zm
zm
zm
zm
zm
こんなことが言いたい訳やないのに
zm
そう言い俺は階段を駆け上がっていく
後1段で屋上に着くという時
ガシャンッ……!!!
後ろからそんな声が聞こえた。
zm
階段を降りれば頭から血を流す兄が。
そこからはあっという間やった
1秒が1時間に感じて……
時間よ過ぎろなんて考えていたら俺は母にこっ酷く叱られて
気づいたら次の日を迎えていた
元気の無い母を見てわかった
あいつは……兄は俺"ら"に必要なんだって
俺なんかより有能で誰からも愛されてるあいつ
あぁ……そっか
こういうことか……
「失ってから気づく」っちゅうのは
失ってからじゃ遅い。
まるで俺にそう嘲笑うような晴天
胸が痛くて苦しいのは何故だろう
罪悪感。
兄は輝く未来が待っとった。
優秀な医者になって夢を叶えてたはずやった
俺が奪ったんだ
兄のようにはなれないけど
それから毎日勉強して運動もできるようになった
いつもどうり兄のノートを開くとあることが書いてあった
自分の未来は自分で描け
まるで俺に言っているようで……
zm
zm
zm
今更なんて言わないから……
zm
許してなんて言わないから……
これだけは言わせて……
zm
zm
兄の言葉がなければきっと救えもしない医者になっていただろう。
それに
今は仲間も出来た
一緒に笑ったり泣いたり
兄の人生を奪った時点で償えることは何一つないけど
今なら言えるよ?
zm
zm
zm
zm
仏壇の前で泣きながら言う姿は情けないかもしれない
でも少しでも兄に伝わるなら……
その時吹いた暖かい風はきっと兄が笑ったからだろう
~END~幸せは自分の手で
編集済み(2020/07/26 18:26:34)
コメント
6件
ちょっはなちゃんまさか、自 ☆☆☆ようとしてないよな……?
え……?待ってどゆこと…? 最後…え?
あれ、はなび…… 待って、嘘でしょ? そんなことないよね、また推しについて話せるよね? 僕だって大好きだよ… ねぇ、お願いだから最期なんて言わないで……………!!