テラーノベル
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遡る事、数刻前
唯
何の前触れも無くお母さんが
自分のお腹に包丁を刺していた
本当に、心当たりが無かった
それまでは、いつも通りに過ごしていた
優斗
優斗
唯
唯
自分で刺した後から ボソボソ何か言っている でも、聞き取れない
お母さんのオドに何か 不純物が入ってた
僕はそれを取り除く前に 包丁を抜いて止血をした
けど、傷口は完全には塞がらない
唯
唯
優斗
優斗
優斗
もう息は、少ししかしてない
残る選択肢は、一つだけ
優斗
寒かった
怖かった
ただそれだけで、足が動いた
一人で外を歩くなんて無かった
でも、助けられるなら どこまでもいける気がした
雪の冷たさが突き刺すように痛い
雪に足を取られた
だけど、行かないといけない
やっとたどり着いた
優斗
優斗
身体は震えて 前を見るような余裕が無かった
僕はその場で崩れ落ちた
森羅
森羅
森羅
風雷
森羅
この前、戦った人と 森羅お兄ちゃんの会話が聞こえる
もう、かすれ声すら出ない
涙も出ない
森羅
僕は力なく頷いた
だけど
頷いたのはいいものの 身体が動かない
森羅お兄ちゃんが 僕の事を無言で抱っこした
風雷
森羅
森羅
風雷
そう言って森羅お兄ちゃんは 僕の事をその人に預けて外へ行ってしまった
コメント
1件
こはるさん、第19話読みました…🥀 優斗くんがお母さんに何もできなかったシーン、胸がぎゅっとなりました。自分で刺した後に「良かった」って呟くお母さんの異質さと、それでも必死に止血しようとした優斗くんの必死さが切なかったです。寒さの中を一人で森羅さんのとこまで行く場面も、凍えながらも「助けられるならどこまでも」っていう優斗くんの気持ちが痛いほど伝わってきました。森羅さんに抱っこされたあとの、力尽きた感じも好きです。続き、ちゃんと優斗くんが救われますように…🤍
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