さと
ーねぇ、なにしてんの。

ころ
さ、さ……と………く…ん?

ころ
(なんでここに…)

落とし物さんは激しく動揺したのか、走って逃げて行った。
さと
大丈夫?

差し出してくれた手は、思ったよりもずっと大きくて、暖かかった。
ころ
あ、あ…り…がと………

ころ
(だめだ、泣いちゃう)

ころ
ウッ、ウウ、グスッ…ウ

さと
!?

さと
…怖かったな

さと
もう大丈夫。大丈夫だから…

そう言って少し戸惑いながらもさとくんは不器用に背中を撫でてくれた。
慣れていないような手つきが、彼の不器用な優しさを伝えてくれた。
ころ
……あの、この前は失礼なこと言ってごめんなさい。

さと
は?なんのこと?

ころ
偉そうなこと言ったくせに自分だって桃瀬さんのこと考えてませんでした。

ころ
確かに桃瀬さんは

ころ
人のことストーカー呼ばわりするし、ありえないくらい失礼なことズバズバ言うし、サボり魔だし、口調も厳しいけど…

さと
おい、お前な……

ころ
でも、ほんとはすごく気遣いができて優しいことに気づいたんです。

ころ
桃瀬さんは、いい人です。

さと
!?…っ

さと
いいよ、別に気にしてないし。お前が正しいこと言ってたし。

さと
それより今は自分の心配したら?

さと
ほら、立てる?

ころ
あ、はい…

さと
………少し、一緒にいるか?

ころ
ぇ

ころ
(たしかに今は一人になるのは怖いかも)

ころ
いいんですか?

さと
おう

ころ
ありがとうございます!

ころ
(やっぱりこの人はとっても優しいなぁ)ニコッ

さと
キュンッ///
