TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

年下狼

一覧ページ

「年下狼」のメインビジュアル

年下狼

1 - 初のはやかぶ。甘さ普通。女体化注意

♥

135

2023年11月03日

シェアするシェアする
報告する

奇跡が起きた。

本当に奇跡としか言い様がない。だって、あの小峠の姉貴と付き合う事ができたのだから。

玉砕(ぎょくさい)覚悟の告白だったから、付き合える事に歓喜した。ただ、その時までは。

付き合っていくに連れて、分かった事がある。小峠の姉貴は可愛いもの好きだということに。

たぶん、ぬいぐるみの延長線で僕を見てるのだろう。よく頭を撫でられるし、ぬいぐるみと同じ感覚でモフられる。

確かに僕の顔は中性的だし、荒っぽい事だって苦手で、頼り甲斐はないかもしれないけれど、それでも僕は男だ。

可愛いと言われるよりも、格好良いと言われたいし、守られるよりも守りたい。そして、付き合っている以上、男としてみて欲しいと思っている。

僕は一念発起(いちねんほっき)する。ここで行動起こさねば、小峠の姉貴にとって、僕は永遠に愛玩具止まりだ。

そんなのは嫌だ。なんとしてでも小峠の姉貴に男として意識して貰えるよう、男らしさアピール作戦を決行する事を心に決め、善は急げとばかりに実行に移す。

やはり、男らしさを印象づけるなら力強さをアピールするのが一番だ。

平素な顔で重い荷物を運び、尚且つ、小峠の姉貴の荷物まで引き受ける事で、力強さを印象づける事が出来る。

早速、僕は書類の束を書斎へと運ぶ。

書類を運ぶ道中、想定通り、小峠の姉貴と出くわす。

速水泰輝

小峠の姉貴、よ、よかったら、荷物をお持ち・・・

小峠華太

速水、重そうだな。半分持ってやる

速水泰輝

小峠の姉貴~

力自慢をするつもりが、覚束ない足取りのせいで、重たくてよろけていると小峠の姉貴に判断され、反対に荷物をもたれてしまった。

これでは、面目(めんぼく)がたたない。

だからといって、何時までも、くよくよと挫けていても仕方ない、次だ。次こそは頼りある男を演じようと決意を新たにする。

次は情報収集の為の尾行業務だ。

最初は公園のほとりを歩いていたターゲットが、ボートに乗ったので、俺と小峠の姉貴もカップルを装って、ボートに乗り込む。

ボートに乗る手伝いをする為に、僕は先にボートに乗り込もうとする。

速水泰輝

わっ、わぁぁ

しかし、僕達以外にも利用客がいる訳で、オールの振動が伝わり、湖面は波打っていた。その波に呷られる度に、ボートが揺れるので、バランスが中々取れず、乗り込むのにおたつく。

小峠華太

速水、俺が先にボートに乗るから

おたつく俺を横目に、小峠の姉貴は、難なくボートに乗り込むと、俺に手を差し出してきた。

小峠華太

手に捕まれ、引っ張ってやる

速水泰輝

あ、ありがとうございます

卒なく、エスコートするつもりが、またもや失敗に終わってしまった。

それからも男としてみて貰おうと努力するも、全部が裏目に出て、見事に空振りに終わった。

仕事終わりに、小峠の姉貴の部屋に転がり込んだ後も、なんの成果も残せなかった事に凹んでいた。

どうして、こんな役回りなんだろうと落ち込む、僕の気持ちを知ってか知らずか、小峠の姉貴はいつも通りに接してくる。

今日も今日とて、小峠の姉貴は、ぬいぐるみ代わりに僕をモフってくる。

小峠華太

速水の髪の毛は、ふわふわとしていて気持ちいいな

速水泰輝

アリガトウゴザイマス

心に余裕がないせいか、姉貴の誉め言葉を素直に受け入れられない。

小峠華太

なんだか元気なそうだが、どうした?

速水泰輝

何でもないです

反対に心配される始末。

速水泰輝

でも、ちょっとだけ、外の空気吸ってきますね

情けない。余りの情けなさにいたたまれず、外の空気でも吸って、気分転換しようと立ち上がる。

速水泰輝

え"!うわっ!

立ち上がった際、足がもつれてしまい、転倒する。

小峠華太

は、速水!?

速水泰輝

いたたた・・・

速水泰輝

あれ?小峠の姉貴?

転ける際に、隣に座っていた小峠の姉貴を巻き込んでいたようで、姉貴を下敷きにしていた。

小峠華太

速水重い、早くどいてくれ

小峠の姉貴に言われ、慌てて、上から退こうとする。

速水泰輝

す、すぐに退きま・・・

いや、まてよ

これは絶好のチャンスだ。

速水泰輝

小峠の姉貴

姉貴は僕に襲われるなんて、微塵も考えてない。だから、無防備だし、油断している。

速水泰輝

こうみえても僕は男です

小峠華太

それは知っているが?

速水泰輝

姉貴は分かってませんよ

小峠華太

どういう意味だ?

なら、その油断をついてやればいい

速水泰輝

だから、教えてあげます

速水泰輝

男がどういうものかを

僕が男である証拠を知らしめる為に、小峠の姉貴の胸へと顔を埋めた。

朝日に照らされて、目を覚ます。

隣で眠る存在に声をかける。

速水泰輝

小峠の姉貴、おはようございます

朝の挨拶をすると 小峠の姉貴が布団から顔半分だけだし、ぎろりと睨んでくる。

速水泰輝

小峠の姉貴?

鬼を彷彿させるような姉貴の形相に、怯む。

小峠華太

騙された

小峠華太

兎だと思っていたのに狼だったなんて

小峠華太

こんなの詐欺だ!

小峠華太

狼なお前は、全然可愛いくねぇ!あっちいけ!

一方的にまくし立てた後、姉貴はまた頭から、すっぽりと布団をかぶってしまった。

速水泰輝

勝手に勘違いしてたのは小峠の姉貴なので、僕は悪くないですって

速水泰輝

それに、言ったじゃないですか

速水泰輝

僕は男だって

そう、どんな見た目をしていも男は狼。

普段は鋭い牙と爪を隠しているだけに過ぎないのだ。

おわり

あとがき 初のはやかぶ。速水相手でも華太は受け派なのだよ。ヘタレ攻めも好きだけど、ぐいぐいくる肉食系の攻めの方が好きだな。 ハロウィン過ぎたけど、ハロウィン鬼さんな華太ちゃん書きたい。野田ニキの腕をあぐあぐする華太は最高に可愛い気がする。そういえば、フランケンって聞くと頭にネジ刺して、顔に縫いあとがあるキャラクターをイメージするだろ?あれって、実はフランケンシュタインって名前じゃないんだよね。あれの正式名称は、名前がない怪物が正解。じゃあ、そのフランケンってどこからきた?って思うだろ、その人造人間を作った博士の名前がフランケンシュタインなんだ。映画『フランケンシュタイン』のせいで誤解されてしまったのだ。

この作品はいかがでしたか?

135

コメント

2

ユーザー

え!そんなの?

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚