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私のお父さんは、何かがおかしい

第2話 - 私のお父さんは、何かがおかしい第2話

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2021年07月25日

#ホラー

#恐怖

#衝撃のラスト

さいマサ

結子

──人間じゃないの？

お父さん

えっ、なんて言ったんだ？

結子

だからお父さんは──

お母さん

あっ、結子おかえり

結子

お母さん…ただいま

お母さん

なに？なんの話ー？

お父さん

結子？

結子

な、なんでもないよ！

結子

指の怪我、大丈夫かなと思って

お父さん

あぁ、それなら心配ない

お母さん

今から急いで晩ご飯つくるから

お父さん

いや、君は休んでて

お父さん

勇太の世話でろくに寝てないだろ？

お父さん

僕が作るよ

お母さん

でも、あなたも仕事してるのに

お父さん

いや、いいんだ

お父さん

そのかわり、結子？

結子

えっ？

お父さん

晩ご飯の支度、手伝って

結子

うん！

結子

（こんな優しいお父さんを疑うなんて）

結子

（哲平のやつ）

結子

（今度会ったら文句言ってやる！）

お父さんと買い物に行った帰り道

お父さん

結子も来年、中学生だな

結子

うん、そうだね

お父さん

なにか夢はあるのか？

結子

夢か…

結子

お嫁さんになることかな？

お父さん

お嫁さん？

お父さん

結子はいいお嫁さんになるよ

結子

ふふっ、そうかな？

結子

（できたらお父さんみたいな素敵な人と結婚したいな）

結子

（私とは血が繋がってないのに）

結子

（こんなにも優しいんだもん）

お父さん

あっ、豆腐を買い忘れた！

結子

買いに戻る？

お父さん

いや、お父さんが急いで行ってくる

お父さん

結子は先に帰っててくれ

結子

うん、分かった！

結子

ゆっくり帰ろう

結子

そのうちお父さんが追いつくだろうし

しばらく歩くと──…

野良犬

ぐぅうう…

結子

えっ、犬？

野良犬

ゔゔゔっ…！

野良犬

ぐゔゔゔ！！

結子

こ、来ないで！

しかし野良犬たちは、ジリジリとにじり寄ってくる

結子

（怖くて足が動かない）

結子

（こ、このままじゃ…）

結子

（逃げないと！）

一歩、後ずさったその時！

野良犬

ゔゔゔぁあん！

一斉に飛びかかってきた！

私はその場にうずくまる

───

野良犬

くぅ〜ん

結子

えっ？

お父さん

結子、大丈夫か？

結子

──お父さん？

いつの間にか、お父さんが後ろにいた

お父さん

もう心配ない

お父さん

行こう

結子

お父さん、ありがとう！

伏せている犬たちを通り過ぎる

結子

（でも、どうして急に？）

結子

（お父さんが来てから皆んな）

結子

（怯えたように…？）

哲平

また始まったよ、親父自慢

結子

だって、犬が──

哲平

だからそれは！

哲平

結子の父さんが化け物だから逃げたんだよ！

美保

そんなことあるわけないじゃん

結子

ほら、美保だってこう言ってる

美保

私だって、あんなカッコいいお父さんなら自慢しちゃう

美保

うちのパパ、ただのオッさんだし

哲平

じゃ、水いっぱい飲むのは？

美保

モデルとか凄いたくさん飲むっていうし

結子

だからスラッとしてるんだよね？

哲平

なら、怪我しても平気だったのは？

美保

それは…うん、変かも

結子

ちょっと！美保まで…

美保

ごめんごめん

美保

ちょっとからかっただけ

結子

ならいいけど

美保

哲平もわざと結子のこといじめてるだけだよ

結子

わざと？

哲平

なんだよそれ！

美保

男子は好きな子をわざといじめるって言うじゃん

哲平

お、おい！

結子

えっ、それってどういう…？

哲平

お、俺は結子が半年前に引っ越してきたから色々と…

美保

色々と？

哲平

友達としてだな！

結子

私も哲平と友達になれて嬉しいよ

哲平

友達か…

女

あれ？三上さん？

結子

えっ？

女

三上さんですよね？

お父さんと歩いていると、女が声を掛けてきた

お父さん

いえ、人違いです

結子

（三上はお父さんの苗字だ）

結子

（それなのに人違いなの？）

女

えっ、でも──

お父さん

どなたかと勘違いされてますよ？

お父さん

結子、行くぞ

結子

あっ、うん

お父さんに引っ張られてその場を離れる

途中で振り返ると──

結子

（ずっとこっち見てる…）

結子

えーっと

結子

チーズとバターと…

女

ねぇ、あなたさっきの？

結子

あっ…

私は女から離れようと──

女

私、怪しい者じゃないの！

女

すぐそこの総合病院で働いてる看護師よ

結子

看護師さん？

女

そう、あなたのお父さん…

女

さっきのお父さんよね？

結子

──はい、そうです

女

三上さんで合ってる？

結子

…合ってます

女

2年前に都心の病院で働いてたんだけど

女

その時の患者さんに似てて

結子

お父さんがですか？

女

うん、でも突然いなくなったの

女

苗字も同じだけど、やっぱり私の勘違いだわ

女

治るはずないもの

結子

どういうことですか？

女

だって三上さん──

全身大火傷したから

お父さん

結子、どうした？

結子

えっ、なにが？

お父さん

買い物の途中から元気がなくなった気がするけど？

結子

な、なんでもないよ？

お父さん

そうか？

お父さん

お父さん、風呂に入ってくるな

結子

うん

私はそーっと浴室のドアを開けた

結子

（お父さんが服を脱いでる）

結子

（あの女の人は、お父さんが全身に大火傷したって言ってたけど──！）

結子

（やっぱり火傷の跡なんてない）

結子

（ただの人違いなんだ）

ホッとしてドアを閉めようと──…

結子

（えっ、なんで？）

結子

（お父さんの指）

結子

（怪我して傷口がパックリ開いていたのに）

なんで治ってるの？

私のお父さんは、何かがおかしい

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さいマサ

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