桃赤
日の光に起こされ、ゆっくりと目を開けた
回らない頭で寝返りを打つと、思ったよりも壁が近くて顔を上げる
よく見ると壁の正体はさとみで、いつもの様に俺の布団に潜り込んできていた
上半身を軽く起こしてさとみを跨ぎスマホを探し出して時間を確認するとまだアラームの鳴る3時間ほど前で
スマホを置いてそのままさとみに寄りかかる
彼の暖かい体温に睡魔が襲ってきて俺は潔く身を委ねた
スーッと誘われていく意識の中、モゾモゾと動いたのが分かって遠くへと行きかけていた意識が戻ってくる
桃
薄らと開かれた藍色の瞳がこちらを見つめ、手が伸びてきた
気づけば俺はさとみの腕の中にいてギュッと抱きしめられた
暫くしてまた眠りに入ったのか規則正しい寝息が聞こえてくる
顔を上げると先程まで見えていた綺麗な瞳が隠れている
……それにしても、相変わらず顔面国宝…
ボーッとさとみの寝顔を見つめ、スッと下を向く
眠っていて力のない腕を持ってきて次は手を見つめる
自分のと合わせてみたり、指の間に自分の指を絡めてにぎにぎしたり
暫くそれを繰り返してなんとなく満足したから自分の背中に手を戻して俺も彼に抱きつく
ポカポカと暖かい体温が心地よくて再び意識が睡魔に連れ去られていくのを見送り、目を閉じた
~ end ~
コメント
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