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sparkle

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sparkle

13 - 似たもの同士

♥

710

2024年07月06日

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シヴァさんとの特訓は …それはそれはもう大変だった。

えぐ… 何度つぶやいたことか

しばさん

そう、で、右!

yanくん

っ!!こう!?

しばさん

んー…拳一つの力がそこまでなのか…そしたら

しばさん

こう、足を使って、体全体で---

しばさん

で銃を抜くなら…

でも

学ぶことはすごく多い。 悔しいけどこの人から学べてラッキーだと思ってる。

yanくん

ねぇ

ただし

yanくん

るなのことなんだけど

しばさん

よそ見すんな!!

yanくん

うわあ!

るなのこと出すと、荒いんだよな… 怖い。

特訓の途中 広い竹藪の中に迷い込む

yanくん

でかー…ひろ…

yanくん

天龍会って何坪なんだ敷地…

天龍会のでかい敷地に迷い込んだ時

yanくん

…あれ

dn

あ、見つかっちゃった

出会ったのが、どぬ

話を聞けば、シヴァさんの下についてるらしく、そして年も同じ。

dn

この竹藪を抜けた先に、おれの家があるんだよ!

yanくん

え、家?だって天龍会の本家の裏は神社じゃ…

dn

そう!
そこがおれの家〜

dn

もともと天龍会はこの辺りの大地主で、おれの神社とも深い関わりがあるんだぁ

dn

今度"お狐さん"っていうお祭りもあるんだよ!

dn

まぁ、お祭りは建前で、裏ではじゃっぴが色んな交渉ごとに本殿を使うんだけどネ

yanくん

あぁ!そこの…

yanくん

って言うか、どぬ。
そんな大事な情報ペラペラ喋っていーの?ましてやオレ、部外者…

dn

…あっ

yanくん

秘密にしておくから笑

すぐ仲良くなった。

それからちょくちょく 稽古の最中 竹藪に迷い込んではどぬに会う。

棒状のものの使い方が上手いどぬから 戦う上での注意や欠点とか… とにかくいろんなことを教えてくれた。

dn

シヴァさんはどちらかというとガン(銃)専門だからね、おれのほうが剣とかとくいだよっ!

どぬが誇らしげに胸を張った。

dn

難点は持ち歩くことかなぁ…

dn

なかなか実践要素ないんだよねぇ…

yanくん

じゃあどぬが実際戦う時ってどうしてるの?

とは言っても、どぬは足が早くすばしっこい。身軽だ。

体も柔らかく、防御もうまかった。

 

dn

まぁ、かわすばかりじゃ相手は倒れないもんね。

dn

その場にある使えるものはみんな使って戦うんだ、たとえば

dn

言葉も

yanくん

…言葉?

武器ではなく、言葉と言われて思わず聞き返す。

dn

もふくんに教えてもらったー!心理戦も大事だって!

dn

隙がない相手にはこちらから隙をつくる

dn

そだな、たとえばゆあんくんだと…お嬢の話すると瞳が揺らぐ!

得意げに、どぬがオレを指さした。

yanくん

う"

dn

そう。これこれ

dn

これが、『一瞬の隙』

dn

相手の情報を集めておいてこんな時に使うのも

dn

一つの武器になるって!

yanくん

確かに

dn

ちな、かまかけるとひとって眼球の動きに結構心のうちが出るよ!

yanくん

(…なる、ほど)

確かに、るなの話出されると

何事かと体が萎縮して 動きが鈍くなるかも…

yanくん

じゃあ…シヴァさんとかにも

yanくん

何か隙をつくる言葉があるってこと…?

dn

そうだね

dn

だけど最初から情報を持つなんて稀有(けう)なこと。

dn

会話の中で探っていくのも、一つの手

dn

なぁんていうけどさぁ、おれこれできないんだよねぇー

dn

だってもうぶっ飛ばすのが早いじゃぁん

yanくん

わかるーw

だなー オレも喋る暇あるなら手と足出すわ

まぁ、それでも太刀打ちできなさそうな相手に使うってことだよな。

dn

でも、いかなる状況でも

dn

戦えるように、言葉も武器だということ。

dn

うちのもふくんがうまいけど、おれには脅しにみえるー

yanくん

すごいな、もふくんって人…!

聞けばもふくんという人は 天龍会の交渉を担っているらしく

収集された情報をもとに相手とやり合うんだとか…口でな。

yanくん

(言葉も一つの武器、かぁ)

yanくん

つかオレるなって単語出たら、動揺するってそんなすぐ

yanくん

バレバレなの?

dn

バレバレだよw

揺らがないためにはどーすりゃいいのか

シヴァさんの欠点ってなんだろ

…オレはしばらく、頭を悩ませた。

無傷で帰る日なんてなくて

大体ボロボロ

yanくん

いったぁー!

no

ほら、じっとする!

なおきりさんに色々手当してもらうんだけど…荒療治で痛いのなんの。

ほんとのほんとは るなにしてもらいたい…けど

yanくん

なおきりさん雑すぎ!!泣

no

もー、わがまま言わないの!

no

泣き言言うなら辞めなさい!

yanくん

やだっ!!

no

じゃあ黙る!!

普段ほんわかしてるのに 特訓のこととなるとめちゃくちゃ厳しい…

yanくん

つかさぁ…

yanくん

なんでオレとるなのこと、シヴァさんに喋ったの…?

no

"獅子は我が子を千尋(せんじん)の谷に落とす"

no

知らない?

yanくん

…?

no

なら調べてみてね。僕の思いは全てそこに詰まってる。

no

置かれる状況は、つねにゆあんくんにとってベストではないからね…

no

すべてはゆあんくんのためって事だよ。

あとあと調べたけど まぁ、なるほどと言うか…

かわいい我が子のために わざと厳しい状況下におくんだって

いやだからって

シヴァさんに言わんでもいいだろよ…

しばさん

はぁー…

しばさん

はぁー…

mfくん

シヴァさん!ちょっとため息ばっかり…

しばさん

つかないでいられるかよ…

jpp

www

 

るながゆあんくんと 付き合い始めたらしい

オレとしては安心半分複雑半分なんだけど、心境十割複雑な人を目の前に

苦笑するしかない

 

jpp

るなのこと?

しばさん

わかってんなら聞くな!!

jpp

おめでとうとか言ったの?

しばさん

言うわけねぇじゃん。
オレこの話聞きたくないもん。

しばさん

じゃぱぱさんは?

jpp

言うわけないじゃん、知りたくなかったもん。

しばさん

同じじゃねーか

話を聞いてたもふくんが まぁまぁ、と俺たちをなだめた。

mfくん

来るべき時が来ただけじゃない?

mfくん

シヴァさんだっていずれはそうなること

mfくん

十分に予測できていた事でしょう?

しばさん

予測はしてたけど心ん中ではついていけてないの!!

mfくん

だから酒の量増えたのか…

しばさん

ちゃんと自分の限度内だよっ

jpp

いまゆあんくんに稽古つけてんだって?

なおきりさんからお願いされて 今稽古中だとか。

しばさん

そーだよ…

すげー顔してんな笑 るなを守って欲しい気持ちと 自分が守りたい気持ちで葛藤してんだろ

まぁ、オレもわかるけど。 シヴァさんはずっとるなのそばにいたから余計かな。

jpp

jpp

なら

jpp

姫事"ひめごと"受ければよかったじゃん。

mfくん

姫事?なにそれ…

しばさん

…それについては前に言ったろ。

しばさん

…部屋戻る。

イラついてるのがわかった。 意地悪言ったかな、でもそろそろ

シヴァさんも次のフェーズに移る時じゃないかな。

mfくん

じゃっぴ、姫事って何?そんな単語初めて聞いたけど。

jpp

ええと
造語なんだ。うちのが作った

jpp

秘め事の、"秘め"を"姫"とかけている。

jpp

昔、天龍会にいるような、この世界の女の人たちは

jpp

昔は戦略結婚とか人質とか…あんまりいいように扱われなかったんだ。

jpp

望むような結婚、ましてや恋愛なんてできなかったんだよ。

mfくん

へぇ…まぁ、たしかに男社会ではあるもんね。

jpp

うちのある代の時、奥様がファミリーのなかのひとりを好きになった。

jpp

ただその人はだいぶ格下でね、わかりやすく言うなら身分違いの恋ってやつよ

jpp

だからひとつの儀式みたいなもんを作っちゃったの。

jpp

それが"姫事"

jpp

18歳になった、初めての年の元旦に、この人と一緒になります!っていう宣言みたいだもんだけど…

mfくん

儀式っていうから大層なものだと思ったけど、一緒になりまーすっていうだけ?

jpp

いや、そんなもんは二の次で、本当は

jpp

ボスの許可を取り、一晩二人で過ごす。
"姫はじめの儀"…こっちのが主流かな。

mfくん

…は!?

mfくん

一晩過ごすって…

jpp

まぁ実際のところ、どうするかは二人次第なんだけどな。

jpp

これをね、うちのファミリーが律儀に代々やってきたんだよねぇ

jpp

なにせうちの母親もこれで父親と一緒になったから

mfくん

…先代は奥様命だったからね

jpp

だから、打診があった。
父親のお気に入りだったシヴァさんが、るなの姫事の指名先だったんだよ。

jpp

るなはシヴァさんに懐いてたからな。
変な男がつくよりか、父親も安心したかったんじゃないか。

mfくん

何それ初耳…

jpp

シヴァさんめっちゃ強いし頭も回るから。

jpp

ファミリーのためにももっと近い存在にしたかった…らしいわ。

jpp

でもそれをどっかで聞きつけたシヴァさんが

jpp

激おこでネ。
そんなことするならファミリー辞める!!とか言い出しちゃって。

jpp

無かったことになったんだよねー…

mfくん

…そうなんだ。色々複雑だったのかな?

jpp

まぁ、そもそも家族愛みたいなものでそんな感情はないって言ってたけど…

jpp

普通の世界の人と、一緒にいさせてあげたかったのかもね。

jpp

ま、とか言ってたら
彼氏が桃虹組の若頭だから!

jpp

…心中お察し案件よな

人のこと言えないから るなの恋は見守ってただけだけど。

mfくん

お察し案件って…どーすんだよ。実際色々大変な桃虹組の若頭が彼氏なんだけど。

jpp

だーかーら!

jpp

今必死になって動いてんじゃん?

そうだから、うりまで巻き込んで 色々練ってはいるけれど。

jpp

頼むよもふくん!

jpp

次のお狐さんでは、いろいろな交渉があるから。しっかりやってもらわないとね!

mfくん

はぁー頭痛い…まぁ頑張りますか。

るなのため…より

のあさんのためっていうのは まだ俺の中で秘めておく。

わかってる

いつかこんな日が来ると思っていた。

rn

シヴァさぁーん

しばさん

どした

いつものように呼ばれて側に行く。 この光景は

お嬢を守り始めてから12年間 変わらない

隣で守り続けてきた。 そんな自負がある。

rn

あれとってー

rn

うえのやつー

こう頼りにされるうちはまだ… なんて、心の中では思ってる。

しばさん

…なに、なにこれ

手を伸ばしそれを取った。綺麗な紙に包まれた平べったい…

rn

浴衣だよ

しばさん

お嬢の?

しばさん

あ、お狐さんか?

rn

うん!

しばさん

じゃあ、また俺つかないと…

祭りかぁ

人多いから、護衛も大変だな そう思っていたら、お嬢の一言で体が固まった。

rn

あの、護衛は…

rn

その、大丈夫

しばさん

…は?

しばさん

祭りだよ!?この間は水族館だったけど、今回はうちの裏手の

しばさん

どぬんちの神社だ。
縁とゆかりしかないんだから…!

しばさん

普通のお出かけじゃないんだよ

実際じゃぱぱさんもお狐さんに参加するし、毎年ピリピリするんだ、この日は

rn

…ゆあんくん

rn

ゆあんくんと行くから

rn

ゆあんくんに護ってもらう…

しばさん

…っ

 

そう、きたか。

ほおを染めて下を向くお嬢は もうなんだか、知らない女の人に見えてくる。

長らく隣にいて初めてみる表情…

綺麗だな、そう思う反面 どこか悲しかった。

 

rn

で、でもね!シヴァさんがいらないってわけじゃないの!ただ---

しばさん

…じゃあ、テストしなきゃな

rn

てすと?

しばさん

今度の日曜日

しばさん

お嬢時間ある?

rn

う、うん何にも予定ないよ?

しばさん

ゆあんくんの稽古に付き合って欲しい

しばさん

ちょっとしたテストをしたいから

しばさん

来て

rn

お手伝い?

しばさん

そう、お手伝い。

rn

やるっ!

 

ぱっとお嬢の顔明るくなる。 それは

俺のお手伝いができて嬉しいのか ゆあんくんに会えるから嬉しいのか…

 

しばさん

ったくいっちょ前に彼氏なんざ作って!なんで俺に言わねーの!?

わしわしと乱暴に、お嬢の頭を撫でた。

rn

だっておこるもん〜
絶対うるさいもん〜

しばさん

当たり前だよ。怒るしうるさく言うわ。

rn

もぉ〜…

雑に撫でられても嬉しそうにしてるお嬢をみると、胸が痛んだ。

お狐さんまであと数日に迫った

日曜日

yanくん

え!?

yanくん

テスト!?

しばさん

大体のことは教えてある。ここでどれだけ身についたか

しばさん

テストする

yanくん

いきなり!?

しばさん

実践だって、いきなり襲いまーすっていわれて来るものじゃないだろ。

yanくん

まぁ、そうだけど…

しばさん

…今回は鬼ごっこだ。

yanくん

鬼ごっこ?

手を振って近づいて来る お嬢が視界に入った。

rn

シヴァさーん

yanくん

あれ、るな

rn

今日はお手伝い頼まれてきたんだけど…

しばさん

…お嬢、おいで

rn

えっ、きゃぁ!

お嬢の腕を引っ張って抱き上げる。

お嬢はもちろん ゆあんくんも目を丸くしていた。

しばさん

よっ…流石にでっかくなったな。

rn

わわっ

しばさん

悪い、少しじっとしてて

yanくん

は、え、な!?!?

お嬢を抱き抱えたまま、話し始めた。

 

しばさん

いいか

しばさん

制限時間30分

しばさん

どんな手を使ってもいい、俺からお嬢を奪え

rn

えっ!?

yanくん

!?

しばさん

奪えなかったら負けだ。

しばさん

勝利条件は俺の手から、お嬢がゆあんくんに渡ること。

 

さあ

やれるもんならやってみろ

 

yanくん

…っ

rn

シヴァさん!

 

お嬢が怒ってる。…譲れなかった。

 

俺が約12年間

大切にしてきた この世で一番大事な人だ。

やすやすと 彼氏だからって渡すわけにはいかない

 

しばさん

…ゆあんくんが勝った場合

しばさん

護衛を降りる

rn

えっ!?

yanくん

は!?

 

俺の一言に二人とも 衝撃を受けているよう。

まぁ…寝耳に水だろうからな。

 

しばさん

しばさん

さぁ

しばさん

ゆあんくん

しばさん

もしるなを守りたいなら、俺から奪え…!

yanくん

…!!

 

ザッ…

あたりの空気が変わった。 微かな緊張と、神経的な波風が立つ。

 

しばさん

できるなら、だけどな。

認めたくない気持ちが表に出て鼻笑する。

rn

ねぇ!護衛やめるってそんな…!

しばさん

るなは黙ってなさい。

 

ゆあんくん

俺を納得させて欲しい

 

しばさん

ボスには許可を得てる。

rn

そんな!

 

お前の想いが本物なら

 

しばさん

るなを本気で守りたいなら勝て

しばさん

…そして

しばさん

"超えろ"

 

yanくん

…わかった。

 

俺の想いを超えていけ。

 

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