美琴が倒れて、今緊急治療室に…!
白布 賢二郎
電話越しの太一も、話を聞いた白布も、もちろん私も焦っていてなかなか言葉が出ない
私はその場にへたりこんでしまって、冷たく震える手を握り込む
白布 賢二郎
白布 賢二郎
川西 太一
白布 賢二郎
頭が混乱して、周りの音が遠くに聞こえる
美琴が倒れたって…なんで?
実は私さ、中学の頃病気で入院してて
滅多に学校行ってなかったんだよねぇ…w
いつの日か美琴が言っていたセリフ
学校に行けない程の重い病気
△△ ○○
△△ ○○
○○ー!!久しぶりぃぃ!
お盆ぶりじゃんんん!
よっす!白布!元気かー?
ひっどいなぁ!
あんたいつもよりテンション 高くない?
そう?こんなもんでしょ!
△△ ○○
白布 賢二郎
△△ ○○
私は白布に手を借りてなんとか震える足に力を入れる
白布 賢二郎
白布 賢二郎
川西 太一
△△ ○○
川西 太一
病院につくと、イスに座って不安げに瞳を揺らす太一と、
?
?
とても顔立ちが良くて、美琴にそっくりな男の人がいた
△△ ○○
美琴父
美琴父
△△ ○○
白布 賢二郎
美琴父
美琴父
△△ ○○
白布 賢二郎
△△ ○○
美琴父
美琴父
△△ ○○
△△ ○○
美琴父
美琴父
どこからの自信なのか、美琴のお父さんは静かに微笑む
美琴父
美琴父
川西 太一
川西 太一
太一の見たことないほど辛そうな表情
きっと、太一の目の前でことが起きてしまったんだろう
白布 賢二郎
いつの間にか落ち着きを取り戻した白布はため息をつくと太一の腕を掴んで立ち上がらせる
川西 太一
白布 賢二郎
白布 賢二郎
白布 賢二郎
美琴父
美琴父
△△ ○○
△△ ○○
思えば、ずっと仲良しでいたつもりだったけど
私も美琴も、色々と隠しあって生活してた
私は未だに親のことや、ヘアピンのこと、美琴に言ってない
美琴も、病気のことを詳しく教えてくれたことは無い
それに、今美琴の母親がこの場に居ないことも
知っていたつもりで、全然知らなかった
その事実が思ったよりも私の心にはグサリと刺さる
美琴父
美琴父
白布 賢二郎
白布は太一の背中を軽く叩くと、美琴のお父さんにペコッと頭を下げた
白布 賢二郎
私はまだこの場から離れたくなくて俯いて何も出来ない
白布 賢二郎
私は白布に腕を引かれる
抵抗しても意味ないから、仕方なく歩を進めるけど
角を曲がるところで1度振り返る
△△ ○○
そしたら
美琴のお父さんが辛そうに表情を歪めているのに気づいてしまって
子供を安心させるために無理に笑って、大丈夫って言っていたことが分かって
ぎゅっと心が締め付けられる
自分の方が、辛いくせに
△△ ○○
周りに気を使いすぎだ
11:00
私は寮の就寝時間が過ぎているのにもかかわらず、公園に来ていた
公園に何か用があったわけじゃない
けど…
白布 賢二郎
ブランコに1人小さく揺られてたら、白布が目の前に立っていた
△△ ○○
白布 賢二郎
△△ ○○
白布 賢二郎
△△ ○○
白布 賢二郎
△△ ○○
わかるよ、白布の優しさだって
△△ ○○
白布 賢二郎
白布 賢二郎
△△ ○○
白布 賢二郎
△△ ○○
白布 賢二郎
白布 賢二郎
ごもっともなこと言われて、私は押し黙る
白布は静かに隣のブランコに腰掛ける
△△ ○○
△△ ○○
白布 賢二郎
△△ ○○
△△ ○○
△△ ○○
△△ ○○
白布 賢二郎
△△ ○○
白布 賢二郎
白布 賢二郎
白布 賢二郎
△△ ○○
白布 賢二郎
白布 賢二郎
白布 賢二郎
白布 賢二郎
△△ ○○
白布 賢二郎
△△ ○○
△△ ○○
△△ ○○
白布 賢二郎
△△ ○○
白布 賢二郎
△△ ○○
白布 賢二郎
△△ ○○
白布 賢二郎
△△ ○○
△△ ○○
△△ ○○
△△ ○○
白布 賢二郎
△△ ○○
△△ ○○
△△ ○○
△△ ○○
白布 賢二郎
白布 賢二郎
白布 賢二郎
△△ ○○
白布が不器用なのも、励ますことが苦手なことも知ってる
なんなら泣かれたらめんどくさいって思うタイプだろうし
そもそも励ますよりも論破する性格
それでも今、私のところに来てくれたのは、白布の優しさでしょ?
励ますのが苦手でも、態度で分かっちゃうんだよ
白布 賢二郎
△△ ○○
白布 賢二郎
△△ ○○
△△ ○○
白布 賢二郎
白布 賢二郎
白布 賢二郎
△△ ○○
白布 賢二郎
白布 賢二郎
白布 賢二郎
△△ ○○
白布 賢二郎
△△ ○○
白布は意味もなく言ったのかな、その「次」って単語
私は美琴が倒れたって聞いてから、もう二度と会えなくなったらどうしようって考えてた
その想像の先の未来が全く見えなくて
会えなかったらどうしようの一心で「次」の事なんて頭になかった
今私達には待つことの選択肢しか与えられていないのに
縁起の悪いことばっかり想像しちゃって
私が信じて待ってないでどうするのよ
△△ ○○
白布 賢二郎
ちょっと、笑えてきた
白布は意味わからねぇって顔してたけど
本当に、白布には助けられてばっかりだ
△△ ○○
△△ ○○
白布 賢二郎
△△ ○○
白布 賢二郎
△△ ○○
白布 賢二郎
白布 賢二郎
△△ ○○
白布 賢二郎
白布 賢二郎
△△ ○○
白布 賢二郎
△△ ○○
白布 賢二郎
△△ ○○
白布 賢二郎
白布 賢二郎
そして、白布に奢ってもらったあと
さすがに時間も遅いからと部屋に戻ってきた
1人にしては広すぎる寂しい部屋
やっぱり美琴が居ないと調子狂う
でも、もうさっきみたいに極端に沈んだりはしてない
いつまでウジウジしていても仕方がない
食欲がなくても、眠るどころじゃなくても
次、美琴に会った時に
いつも通りの元気な私でいられるように
ちゃんと話ができるように
お腹がすいてなくてもご飯を食べる
眠れなくてもベットには入る
美琴は、病気に関して気を使われるのが嫌なんだ
なのに自分が倒れたせいで私たちの生活に支障が出たって知ったら、きっと落ち込むだろうしね
△△ ○○
寂しさを紛らわすように言葉に出して
歯磨きをして着替えて布団に入る
電気を暗くして、静かに目を瞑る
千華野 美琴
千華野 美琴
千華野 美琴
入学初日、私は自分の荷物を整理して、部屋を整えていた
そしたらあとから入ってきた同室の彼女が馴れ馴れしく話しかけてきた
△△ ○○
私は聞こえてないふりで整理整頓を続ける
千華野 美琴
千華野 美琴
△△ ○○
△△ ○○
なんの運命の巡り合わせか
あれほど嫌だった中学の同級生と同じ部屋になってしまったらしい
幸いにも、クラスや部活は違っていたようで、知らない顔だったが
私の噂はもう広まるに広まっている
千華野 美琴
千華野 美琴
△△ ○○
千華野 美琴
△△ ○○
△△ ○○
千華野 美琴
千華野 美琴
千華野 美琴
△△ ○○
△△ ○○
千華野 美琴
千華野 美琴
△△ ○○
千華野 美琴
千華野 美琴
△△ ○○
千華野 美琴
千華野 美琴
何かまた騒ぎ始めたと思ったら、肩をガシッと掴まれて強制的に相手の方へ向けられてしまった
千華野 美琴
△△ ○○
美琴を見た時の第1印象はそれ
可愛らしい顔で、その割に身長は私よりも大きくて
私も人の事言えた身じゃないけど、手足が細くて、白くて
千華野 美琴
△△ ○○
△△ ○○
△△ ○○
千華野 美琴
最初に、強く突き放した
冷たい目線で手を振り払って
そしたら、大抵の人は「なにこいつ」って離れてく
私は、誰も信じてない
あの人の言った通り、信じてない
学校の先生も、家族も、この人も
千華野は眉を下げて、振り払われた手を口元に持っていく
目元をうるうるとさせて私を見つめてくる
△△ ○○
千華野 美琴
△△ ○○
千華野 美琴
千華野 美琴
千華野 美琴
△△ ○○
千華野 美琴
バタン
△△ ○○
△△ ○○
隣を見やればカバンから出しただけの散らかったままの彼女の荷物
これから始まる学校生活に不安しかない
入学して1週間たった頃、すっかり美琴はクラスの人気者
部活も入っていないのに、他学年、他クラスの生徒も「めちゃくちゃ可愛い子がいる」って噂聞きつけて休み時間にワラワラと集まってくる
私はと言うと、最初に冷たくしたおかげでもう誰もよってこない
教室の隅で読書をしてるようなそんな地味な子って印象で構わない
誰ともつるむ気はない
誰もが避けたクラスの冷たいヤツ
でも、それでも尚
千華野 美琴
△△ ○○
千華野 美琴
千華野 美琴
千華野 美琴
千華野 美琴
△△ ○○
千華野 美琴
△△ ○○
千華野 美琴
千華野 美琴
△△ ○○
千華野 美琴
千華野 美琴
△△ ○○
千華野 美琴
千華野 美琴
△△ ○○
千華野 美琴
千華野 美琴
それでも千華野は
ものすごくしつこかった
どんなに突き放してもどんなに無視しても
いつまでも絡んできた
他に沢山友達がいるくせに
千華野 美琴
千華野 美琴
千華野 美琴
△△ ○○
千華野 美琴
千華野 美琴
千華野 美琴
△△ ○○
千華野 美琴
体は絶対に見せたくなかった
まだ治りきってないアザやキズが沢山あるから
それを誰かに見られたら、何を言われるか
だから、人がいない時間帯にササッと済ませていた
夏になった
千華野と私の関係は相変わらず
千華野 美琴
千華野 美琴
△△ ○○
顔を庇っていたせいで腕のキズが中々治らなくて、私は夏になっても長袖だった
千華野 美琴
千華野 美琴
千華野が周りとあたふたとしている、それがもう暑苦しかった
ダンスの練習も、体育も、部屋着ですら全部長袖
早く治るなり夏が終わるなりしてくれないかなと思う毎日だった
クラスの女子
千華野 美琴
千華野 美琴
無視をかましていたら千華野は友達に呼ばれて一言叫んで走っていった
クラスの女子
クラスの女子
千華野 美琴
千華野 美琴
クラスの女子
千華野 美琴
千華野 美琴
千華野 美琴
△△ ○○
千華野 美琴
運が悪く、部屋のエアコンが壊れてしまった私達は扇風機で暑さを凌いでいた
千華野 美琴
千華野 美琴
△△ ○○
千華野 美琴
△△ ○○
千華野 美琴
△△ ○○
△△ ○○
千華野 美琴
△△ ○○
千華野 美琴
△△ ○○
最近は千華野の弾丸トークには軽く返すのが1番手っ取り早く話が終わることに気づいた
秋頃になると、傷もだいぶ治って、長袖でも暑くない季節になった
千華野と私の関係も夏と変わらず
だったけど…
ある日、決定的な事件が起きた
先輩1
先輩2
先輩3
千華野 美琴
人目を避けて通った廊下でたまたまものすごい修羅場に出くわして
しかもそれが千華野だったから思わず立ち聞きをしていた
先輩3
千華野 美琴
千華野 美琴
千華野 美琴
△△ ○○
先輩1
先輩2
千華野 美琴
△△ ○○
先輩1
先輩1
千華野 美琴
先輩1
千華野 美琴
先輩1
先輩2
先輩3
千華野 美琴
千華野 美琴
先輩1
△△ ○○
気づいたら
私は千華野と手を振り上げる先輩の間に体を滑り込ませていた
バシッ
私の出した左手と、先輩の勢い良い右手がぶつかる
先輩1
千華野 美琴
△△ ○○
先輩1
先輩2
先輩3
△△ ○○
△△ ○○
先輩1
△△ ○○
△△ ○○
△△ ○○
先輩1
バシッ
△△ ○○
△△ ○○
先輩2
先輩3
△△ ○○
△△ ○○
△△ ○○
先輩1
先輩1
先輩2
先輩3
千華野 美琴
△△ ○○
△△ ○○
私は3人の先輩を思いっきり睨む
先輩1
先輩2
先輩3
△△ ○○
△△ ○○
先輩1
先輩2
先輩3
△△ ○○
△△ ○○
△△ ○○
先輩1
桜木くん
桜木くん
先輩1
先輩2
桜木くん
△△ ○○
桜木くん
先輩1
先輩1
急に高い声を出し始めた先輩達は、足早に去っていった
桜木くん
△△ ○○
千華野 美琴
桜木くん
突然に救世主として現れたイケメン?な先輩も直ぐに去っていった
千華野 美琴
△△ ○○
千華野 美琴
千華野は半泣きで抱きついてきた
△△ ○○
千華野 美琴
△△ ○○
千華野 美琴
千華野は独り言のように呟く
クラスの女子たちが千華野に私と絡むなって言っていたのは知ってる、だからだろう
△△ ○○
千華野 美琴
△△ ○○
千華野 美琴
千華野は同中だから、私のことをからかおうとしてるのかと思ってた
千華野の人柄はすごく良いから、その可能性はきっと低い
でも、私はずっと人を信じることが出来ていない
今更誰かを信じるの?
今、人を信じなかったからってずっとそうな訳じゃない
これからお前が出会う人の中には良いやつだってきっといる
どんなに人を避けたって相手から寄ってくるやつもいるし、お前が無意識に信頼を置くやつも出てくる
そういう周りの刺激を受けて人は少しずつ変わっていくんだ
いつしか彼が言っていたセリフが頭によぎる
△△ ○○
私はヘアピンに軽く触れてクスッと小さく笑う
千華野 美琴
△△ ○○
千華野 美琴
△△ ○○
千華野 美琴
△△ ○○
千華野 美琴
△△ ○○
千華野 美琴
△△ ○○
こうして私達は少しずつ仲良くなっていったんだ
ぬっし
ぬっし
ぬっし
ぬっし
ぬっし
ぬっし
ぬっし
ぬっし
ぬっし
コメント
19件
感動😭
最高です!
白布かっこいい! 美琴ちゃんと〇〇ちゃんの過去には少し驚きました😲 主さんのお話でこのお話が1番好きなので見れて最高でした!! 続きが楽しみです«٩(*´ ꒳ `*)۶»🎶💓