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春馬くんとの動画が公開されたのは

金曜日の20時

春馬くんのテンションと

私のリアクション

気心知れた2人の軽妙なやり取りは

視聴者の心をつかむには十分すぎる内容だった

《【ガチトーク】男女の友情は成立する?しない?》

公開から1時間

既に再生回数は数万を超え

コメント欄も加速的に伸びていた

○○

...すごい

《この2人バランスよすぎ笑笑》

《笑い方が合ってて癒される〜♡》

《お似合いって思ったのは私だけじゃないはず!》

《とまちゃんめっちゃ楽しそう笑笑》

○○は自室のモニターで

動画の分析画面を開いたまま

無言でコメントを読み続ける

○○

うん...バズってる

○○

数値もいい

○○

反応も悪くない...

仕事としては悪くない

むしろ完璧すぎた

動画の仕上がりもナチュラルだし

視聴者が喜ぶ構成になってる

○○

はー...

完璧なはずなのに

私の心はスッキリしないままだった

“お似合い”

“理想の関係”

“本当に付き合ってるでしょ?”

○○

まぁ...そう見えるよね

付き合ってるのは春馬くんじゃなくて

スマホの通知画面を開く

そこに聖臣くんの名前は無い

既読にならないLINEが...一つだけ

くー...疲れた

日向

お疲れ様です!

日向

臣さん凄かったです!

佐久早

うん

相変わらずクールやな

佐久早

...

前のことで怒ってんの?

佐久早

悪ふざけがすぎる

ほんまごめんな〜?

目の前で謝る宮を無視して

ソファに座ると

日向

あー!!!

佐久早

うるさ...

日向

あ、すみません!

なんやどしたん

日向

これこれ!

日向

知ってますか?

日向

春馬って人!

春馬...?

どっかで聞いたような

ん?見してみ

どんなやつや

日向

この人です!

おー...えらいイケメンやな

ってあれ...これ横の

とまちゃんやない?

瞬時に宮はこっちを向いてくる

日向

え、侑さん知ってるんすか?

知ってるって...ねぇ

分かりやすく宮は俺の方を向いてくる

佐久早

...何

ん?いや?

日向

とまちゃん夏が大ファンで

ほぇーそうなんや

日向

この前なんかお揃いの服買ってましたよ

相変わらずおもろいな妹

スマホを開くと

天馬って人と○○の名前がトレンド入りをしていた

日向

でもお似合いすぎません!?

日向

この2人

んー...まぁそやな

こんな人と付き合えたら幸せそうやもんな

日向

くー...羨ましい

お似合い...

さっきからスマホを開いては

動画を再生する手が直前で止まる

日向

臣さんも見てくださいよ!

日向

絶対好きですよ!

佐久早

...別に

佐久早は画面を見ようともせず

短く返した

○○

...うーん

○○

返信が無い

○○

というか...

○○

既読にもなってないし

私は夜のご飯を食べながら考えた

○○

まぁ試合って言ってたから

○○

しょうが無いよね

○○

今日は疲れたしもう寝よ...

佐久早が家に帰ってきたのは 深夜2時を回った時だった

荷物を片付け

お風呂に入ってから椅子に座る

佐久早

お似合い...

頭からこびり付いて離れない

コメントの言葉

カメラ越しに笑う○○

それにあの雰囲気

あいつの方が俺より遥かに自然だった

佐久早

はー...

自分たちは誰にも言えない関係

動画に残すことや

隣を並んで歩くことすらできない

それが今は仕方ないってことも

理解してる

なんであいつにあんな顔見せる必要あんだよ

気がつけば缶が2本、テーブルに転がっていた

火照る顔

少しだけ重い頭

視界の端に○○からのLINEが表示される

《お疲れ様!今日の動画は見てくれた?》

《私も疲れたからもう寝ちゃうね〜おやすみ》

見た

見たけど

なんでか胸糞わるい

返信は打たず

ただ画面を伏せていた

そしてひとつ深い息をはいた

佐久早

...面倒くさ

それは

自分に対しての言葉だった

あの日から三日後

私はまた事務所に足を運んだ

事務所のソファには春馬くんが座っていた

春馬

お、○○じゃん

春馬

やっほ

○○

お疲れ様

私は春馬くんの向かいのソファに座った

春馬

ん、どした

春馬

なんかあった?

○○

いや…特には

春馬

ふーん…そっか

春馬

そういえば

春馬

この前の動画好評すぎたな

○○

うん、本当に

○○

コメント欄とか凄かった

○○

付き合って欲しいとか

○○

お似合いとか

春馬

春馬

俺も

春馬

とまちゃんの彼氏ってガチ?

春馬

ってDM来たよ

○○

本当に…?

春馬

うん

春馬

困るよなそういう勘違い

○○

え?

春馬

特に○○は

○○

…うん、でもまぁ

○○

仕事だから

○○

それに悪い流れじゃないから

春馬くんは少し覗きながら笑った

春馬

また、やる?

春馬

コラボ

○○

…え?

春馬

前みたいにちょっと意味深なやつとか

春馬

反響がいいと

春馬

俺からしても美味しい話だし

○○は一瞬言葉に詰まった

○○

あ…

そこでタイミング悪く仕事仲間が声をかけてきた

らぁら

あ、ここにおったん

らぁら

とまちゃん呼んでって

らぁら

マネが言ってた

○○

あ…うんありがと

○○

今行く

立ち上がろうとした○○の腕を

春馬は軽く引いた

春馬

…それとも

春馬

やりずらい?

○○

え?

春馬

なんかあんの?

○○は微笑んで誤魔化そうとしたが

その目を春馬は逃さなかった

○○

…なんもないよ

○○

ちょっと考える

そう言って私はその場を後にした

私はスタッフルームに呼び出された

そこには沢山のパソコンがあり

私たちの宣材写真などが飾られてた

成木

あ、○○こっちこっち

部屋に入ると成木マネが私を手招きした

成木

急に呼び出してごめんね

○○

いえ、大丈夫です

成木

クリエイター1人ずつ面談してて

○○

面談…ですか?

成木

ほら…最近みんな絶好調だから

成木

なにか不自由はないか

成木

確認しときたかったのよ

○○

なるほど

成木

それでー…

成木マネはパソコンを動かしながら

成木

あ、そうそう

成木

この前の春馬との動画

成木

すっごい反響いいわね

○○

あ、はい

○○

そうですね

○○

ここ最近では1番いいです

成木

うん、そうだね

○○

皆さんのおかげです

成木

何言ってんのよ

成木

○○の努力よ

正面から褒められ

私は照れくさくなった

成木

それで…○○

成木

最近なんかあった?

○○

え?

成木

雰囲気変わったというか

成木

なんというか…

成木

前より表情が柔らかいよ

成木

だから

成木

プライベートが充実してるのかなって

思いがけない質問に

私は少しテンパる

○○

え、えぇ…っと

○○

それなりに?ですかね

私がそう言うと

成木マネは少し笑ってから

成木

言いたくない事は聞かないわ

成木

ただ…

成木

“撮られないように”ね

成木

気をつけてちょうだい

成木

うちは炎上NGだから

その言い方は

遠回しだったけど

明らかに気づいてる反応だった

○○

…はい

○○

気をつけます

夜22時すぎ

○○はリビングで動画の編集をしながら

飲みかけのココアに手を伸ばしてた

その時電話がなった

表示された名前に私は驚き電話に出た

佐久早

通話終了

通話
00:00

○○

…え?

○○

聖臣くん?

あ、○○ちゃん?

ほんまごめんな

こんな時間に

出たのは聖臣くんじゃなく

宮さんだった

○○

え…宮さん?

○○

あれ、でもこの携帯

いやー…ほんまごめん

○○

何がですか?

臣くん潰れちゃってな

今チームで飲んでたんやけど

○○

え?

送ろうと思ったんやけど

翔陽くんと木っくんも潰れて

結構今エグくて

○○

どこですか?

○○

迎えに行きますね

ほんまごめんな

住所送っとく!

佐久早

通話終了

通話
01:20

私は近くに置いていた上着を羽織り

急いで家を出た

渋谷の飲み屋街

ザワついた空気とネオンの下で

私は車を近くに路駐してその場に向かった

○○ちゃん!

○○

あ…宮さん

ほんまごめん

○○

大丈夫ですよ

そこを見ると

座り込んでる翔陽くん

宮さんに肩を組んでる木兎さん

そして

壁に立ったままもたれかかってる

聖臣くんがいた

○○

…カオスだ

ほんまにな

臣くんいつもは酔わないのに

今日はハチャメチャに飛ばしてたから

止めなかった俺が悪いわ

○○

いや…大丈夫ですよ

あいつ地面は汚いとか言って

頑なに座らへんし

○○

なんかすみません

いやいや

○○ちゃんには感謝しかないって

おーい臣くん

○○ちゃん来た

佐久早

…ん

○○が近づくと

聖臣くんは顔を前にあげた

佐久早

…○○?

○○

ねぇ何してるの

○○

こんなところで

佐久早

いや…

佐久早

飲みすぎた

そういう聖臣くんは

いつもより小さく見えた

○○

らしいね

○○

宮さんから連絡来たんだけど

○○

大丈夫?

佐久早

宮と話したのかよ

○○

話したよ

○○

でも日向くんと木兎さん連れて帰ったよ

佐久早

そー…

○○

近くに車停めてるから

○○

もう帰ろ?

佐久早

帰る…

私が手を引いて進むと

佐久早

会いたかった

○○

へ…?

私は足を止めて振り返った

○○

今、なんて?

佐久早

だから…

佐久早

会いたかった

嬉しい半面

この人は今酔っ払ってる

○○

…はいはい

○○

酔ってるね、すごく

○○

そういうのはシラフの時に言って

私はそのまま手を引き

車に乗らせ連れて帰った

私は聖臣くんを

私のベットに寝かせた

○○

聖臣くーん…

○○

大丈夫?

佐久早

大丈夫…

佐久早

ここどこ?

○○

私のベットだよ

佐久早

なんで…

そう言って聖臣くんは起き上がろうとする

○○

だめだめ

○○

今日はここで寝て

○○

明日の朝反省してね

佐久早

最悪…

そう言って私の布団にうずくまった

○○

なんでこんなになるまで

○○

飲んじゃったの?

私がそう聞くと

聖臣くんはしばらく黙ってから

佐久早

○○が…

○○

私?

佐久早

お似合いとか

佐久早

言われてる

と、それだけ言った

○○

え…?お似合い?

なんの事だろうと考えると

○○

あ…もしかして

○○

春馬くんのこと?

佐久早

そう

聖臣くんは私の手を触りながら

ブツブツ言っていた

○○

聖臣くんそれって

○○

嫉妬じゃないの?

佐久早

…違う

○○

え…いやそうだよね

佐久早

違う

違う一点張りの聖臣くんを見ながら

ため息を着くと、そのまま話し続けた

佐久早

仕事だから

佐久早

やめろとは言えないし…

佐久早

○○はちゃんとしてるから

佐久早

疑ってもない

○○

言ってくれたら

○○

私ちゃんと聞くよ?

佐久早

そっか

○○

そんなに不安になってるとは

○○

思わなかったけど…

佐久早

嫌とは言わない…

佐久早

でも○○の

佐久早

可愛い笑顔を知ってるのは

佐久早

俺だけでいい

聖臣くんは私の顔を見ながら言った

○○

…なにそれ

佐久早

なんでもいい

聖臣くんは起き上がり

私に視線を合わせた

○○

え…何どうしたの

すると聖臣くんは私の頭に手を回した

○○

え…ちょ

これはキスするのでは…?

○○

ま、まって!

佐久早

○○

聖臣くんが後悔するよ

○○

シラフじゃない時にキスなんて

○○

それも初めてなのに

佐久早

初めて…

佐久早

…わかった

佐久早

やめる

すんなり言うことを聞いて

近くに置いてあった水を1口飲んだ

佐久早

迷惑かけた…

佐久早

ごめん

○○

いいよ、別に

○○

でも急にデレ過ぎないで

○○

一気に来られるとパニック

佐久早

…そう

聖臣くんは私の頬に手をおいた

佐久早

ありがと

佐久早

○○

そう言って静かに聖臣くんは眠った

私はリビングに戻り

残りの編集を終わらせようとした…が

○○

無理だよね

本当はあんな飲み方をした聖臣くんを

叱ろうと思ったんだけど…

あんな可愛いの見せられたら

無理でしょ…

○○

はー…

まだ顔熱い

○○

んー…でも

○○

問題は解決してないよね…

聖臣くんは春馬くんとの動画が少し嫌って言ってたけど

それをどうしよう…

事務所の方針的には

これからどんどん私たちの動画を増やすはず

でもそうなったら…

私は視線を寝室にやった

○○

我慢されることになる

どうしよう…

そんなことを考えているうちに

編集を進め

気がついたら朝の七時になっていた

すると寝室のドアが開いた

佐久早

○○

あ、聖臣くん

○○

起きた?

佐久早

起きた

○○

頭痛いの?

佐久早

大丈夫

○○

そっか

○○

昨日のこと覚えてる?

私が聞くと

佐久早

…半分

○○

そっかそっかー…まぁ

○○

聖臣くんが私の事好きで

○○

安心しちゃった

佐久早

それは別に

佐久早

元からだから

私は動かしていた手を止めた

○○

そういうのやめてって

佐久早

なんで

○○

ドキドキするから

佐久早

いい

佐久早

付き合ってるから

またそういうことを…

○○

もう、とにかく

○○

あんな飲み方しないでね

佐久早

しない

○○

あ…そうだ

○○

覚えてる?

○○

聖臣くん

○○

私にキスしようとしてたんだけど

私は意地悪で聞いた

まぁどうせ「覚えてない」「知らん」とか

真顔で言うんだろうな…

そう思いながら聖臣くんを見ると

佐久早

は…、?

佐久早

…なんの冗談

顔を真っ赤にして

そこに立ち尽くしていた

○○

え…いや

○○

ほんとだけど

聖臣くんは頭を一瞬抱えてから

佐久早

帰る

とだけ言って家に帰った

○○

ん…?

○○

なにあれ

○○

よく分かんないの

この作品はいかがでしたか?

211

コメント

3

ユーザー

おみくーん!! 超尊いー!!🤦‍♀️💕 春馬くん事情知ってるならもう少し気遣ってあげて欲しい

ユーザー

おみおみ嫉妬しちゃったんだ!しかも最後絶対自分の部屋戻ったら顔真っ赤になってるよね!?

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