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とある冬の日
司
類
この男はオレの恋人
なんというか…
マフラーがよく似合う男だ
司
類
司
類
司
空を眺めながらオレを待つ、 オマエの横顔はあまりにも魅力的で
類
司
司
司
類
どこか寂しげな顔でそう話している
まるで、 お前に来年なんて来ないかのような
そんな、笑えない冗談を考えてしまう自分が嫌いだ
司
司
類
そう微笑む類の顔を見て、オレはお前への気持ちが溢れては止まらなかったんだ
司
類
類
司
類
司
司
司
類
その時、冷たい風が頬をすり抜ける
司
司
類
司
司
類
司
類
司
類
司
司
司
類
司
司
司
類
司
類
司
類
司
司
類
司
類
司
類
司
類
司
類
司
類
――キーン
なんだ…この…
耳鳴りか…?
視界が暗くて…
なんだかおかしな感覚だ…
――でね
――だ
――た―よ
…声?
誰か、居るのか…?
でも、真っ暗で何も…
――!?
――い!
――ゃんが…!
なんて、言っているのだろう
なんだか…意識がぱっとしない
…あれ、まぶしい
ここは…どこだ?
ああ、また…この声だ
咲希
あれ…
司
咲希
咲希
咲希
先生…?
一体、なんの…
司
咲希
司
覚えていない?
覚えていないって、何を…
忘れていることなんか…オレには何も…
咲希
司
咲希
咲希
ああ…
オレは何をしているのだろう
咲希を泣かせてしまうような事をして
司
咲希
司
司
咲希
咲希
司
司
司
司
司
司
咲希
咲希
咲希
司
咲希
咲希
咲希
司
思い出した
全部、全部思い出した
司
司
司
咲希
司
司
12月のとある日
司
類
類
司
類
司
司
類
司
類
類
類
司
司
司
類
司
司
類
司
類
司
類
司
類
類
類
類
初デートはベタに、遊園地だったなあ
片思いしてた時と変わらないドキドキで
すごく楽しかったし、幸せな時間だった
類
類
ああ…これは、類に告白された時の…
オレ、嬉しくって、信じられなくって その場で大泣きしちゃったんだ
ショーの練習が終わっての帰り道
あの時の空気、類の表情、空
全部、さっきのことみたいにハッキリと覚えてる
類、オレがいきなり泣き出すものだからすっごく心配してたな
司
司
長かったようで短かった類とオレの思い出が、次々に蘇ってくる
オレが今こうして息をしているのは、きっと類のおかげなんだと思う
「僕ひとりだけでいいんだよ」って
そう思ってくれたのかもしれない
だけどお前だけだなんて、 そんなのズルいに決まってる
別に 類の良心を蔑ろにしたい訳じゃない
けど、オレはもうお前の居ない世界でなんて生きてはいけないんだよ、類
お前の思っている以上に、オレはお前を必要としていたんだ
だから、オレはお前のしたことを許せない
けどそんなことももう、 オレには言えない
から、今回は許してやる
だけど今回だけ、特別だ
今まで本当に、後悔だらけだ
だけどもう、大丈夫
今はなんだか、今まであったこと全部
不思議と受け入れられている気がするんだ
アイツらと舞台に立てていたこと、
咲希の兄であったこと、
そして、類
お前の恋人であれたこと
オレは全部、心の底から感謝をしてもしきれないくらいに感謝している
そして何より、誇りに思う
司
司
司
そう呟くとオレは、空中に身を投げた
この感覚は、はじめてじゃない
二度目だからなのか、自分でもよく分からないが、こんな状況でも気持ちは不思議と落ち着いていた
類のことを想いながらもそっと目を閉じると、地に横になるその瞬間まで、
そして、地に着いてからも
オレが再び目を開けることは二度となかった
我ながらズルいと思うよ
こんなにも暖かい気持ちで寝れているのだから
類、もうすぐ会えるよ
その時は夏に海、 一緒に行こうな
END