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名前 琉火 性別 女 年齢 15歳 能力世代 第3世代能力者

太陽暦佰九拾八年

東京 浅草

紅丸

…?

焔ビトの鎮魂を終え現場を歩いていた俺は 視界の隅に人影を捉えた

俺が其方を向くとその人影は ビクリと身体を震わせた

紅丸

なんだお前…浅草のじゃねぇな

??

……っ

微かに声を出して口を開いたり閉じたりを 繰り返す子供を見る

ボロボロでサイズが少し大きい半袖の服

服の間から見える 細く肉付きがまるでない肩

それを見て俺は思わず顔を顰めた

紅丸

…お前、親は?

??

っ……え…?

紅丸

親はどこだ

??

しらない…です

??

ここで待ってて、って

紅丸

こんな時に置いていくかよ…

紅丸

…まぁいい

紅丸

俺のとこに来い

??

え、でも

紅丸

いつまでも外にいたら浅草だとしても危ないぞ

紅丸

ついたぞ、ここだ

??

…!

紅丸

紺炉、客人だ

紺炉

客人ってこんな夜更けに…

紺炉

って、子供…?

紅丸

嗚呼

俺は紺炉に囁く

紅丸

焔ビトが出現した場所の近くにいた

紅丸

待つように言われてたらしいが…

紅丸

帰る時、近くに人はいなかった

紺炉

…捨てられたか、焔ビトになったか

紅丸

そうだ

紅丸

見た感じずっと同じ服を着ていたようだ

紅丸

それに、体が細くて肉付きがいいとは言えない

紺炉

最近食べていないかもしれない

紺炉

柔らかめのものを作っておく

紅丸

嗚呼、ありがとな

紺炉

気にするな

紺炉

お前

??

はい……

紺炉

名前は?

??

…なまえ…?

紺炉

…名前あるだろ?

紅丸

いや、それより…

紅丸

俺がこいつを紺炉って呼んでるように

紅丸

お前も誰かに呼ばれるだろ

??

…それなら

琉火

琉火、です

紺炉

琉火

紺炉

琉火か、いい名前だな

紺炉

上がってくれ、立ってるのもしんどいだろ

紺炉

紅、琉火を風呂に入らせてほしい

紅丸

わかった

紅丸

行くぞ

その人は私に手を差し伸べた

琉火

よくわからなくてその人を見ると 少し驚いた顔をしていた

だけどすぐに前を向いて 私の手を握った

琉火

…!

それは今まで感じたことの無い 人の体温だった

温かいとはこういうことなんだろう

紺炉に琉火を風呂に入らせるよう言われ 俺は浴室に連れていこうと 琉火に手を差し伸べた

だけどよく分からないと言った様子で じっとこちらを見つめる

名前というものを知らない

手を繋ぐことも知らない

なら、お前は親に何を与えられてきた

どうすればそんな親を あんな危険な場所で待つことが出来る?

……いや

責め立てるような聞き方をしたって 親と同じになる

今はここで安心してくれればいい

そう思い直し、俺は琉火の手を引いた

紺炉

できたぞ

風呂から上がり、髪を乾かした琉火は 紅の横でじっと俺が作った飯を見つめる

紅丸

食わねぇのか

琉火

え…?

紺炉

これはお前の分だ

紺炉

気にせず食べろ

琉火

は、はい……

恐る恐る口に運ぶ琉火の隣を見ると 紅が小さく頷いた

琉火

…!

琉火

美味しいです…!

紺炉

そうか、ならよかった

腹が減っていたのだろう 琉火はゆっくりと食べ進めていく

しかし琉火は急に手を止めた

俺と同じく飯を食いながら見ていた紅も その異変に気づく

すると紅は琉火の手を取った

紅丸

…お前はここだ

紅丸

俺達がお前を守ってやる

紅丸

だからお前は、責任なんか感じなくていい

紅丸

お前のせいじゃない

琉火は俺達を交互に見た

そして少し笑って言った

琉火

ありがとう、ございます

笑えることに俺は少し安堵した

また飯を食べだした琉火に 俺は話しかける

紺炉

飯食い終わったらそのまま歯磨きして寝ろよ

紺炉

明日、紅と浅草を案内する

紺炉

だからゆっくり休め

琉火

ありがとうございます

紅丸

それと、敬語は使うな

琉火

え?

紅丸

これから付き合いが長くなるかもしれない

紅丸

わざわざ敬語で話す必要はない

琉火

あ、えっと……わかった…?

紺炉

まぁゆっくりでいいだろ

飯を食い終わった様子の琉火に話す

紺炉

そういえば名前言ってなかったな

紺炉

俺は相模屋紺炉

紅丸

俺は新門紅丸だ

紅丸

一応第7特殊消防隊大隊長

琉火

特殊…消防隊……?

??

俺達第8が来たからにはもう大丈夫だ!

琉火

あのっ…!

琉火

頭に8って書いてる人知りませんか、!

紅丸

頭に8…?

紺炉

……!第8か?

紅丸

あー…

紅丸

ならもうすぐ大隊長会議がある

紅丸

それに琉火も着いてこい

琉火

いい、の……?

紅丸

お前がやりたいようにすればいい

紅丸

それに、俺達はあまり他の奴らと話さないからな

紺炉

行く目的を作れるのはいいな

紺炉

どうする?

琉火

…行きたい…!

私がそう言うと2人は目を見開いたあと 優しく笑った

琉火

…!

それは今まで見たことがない顔だった

紅丸

じゃあそれまでに強くならないとな

紅丸

明日少し歩いてからお前に戦い方を教えてやる

琉火

戦い方……?

紅丸

ああ

『お前の炎を使った戦い方だ』

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