先生
先生の号令で白組の帽子を被った子が立ち上がった。
皆、血の気の引いたような顔をしていて、顔色は真っ白だった。
先生
そう言われて、赤組の帽子を被った子達は先生の横に並んだ。
皆、赤い帽子から血を流していて、顔は真っ赤だった。
赤組の子が被っていた帽子が、モゴモゴと動いた。
急に強い風が吹いて、赤組の子の帽子がひとつ風に飛ばされた。
帽子の中にはするどいキバのようなものが生えていて、それが赤組の子の頭をかじっていたのだ。
赤い帽子と思っていたものは、帽子の形をした別の何かだった。
飛ばされた赤い帽子は先生の足元にコロコロと転がって止まった。
先生は帽子を拾い上げると、赤組の子の頭にそれを被らせた。
先生
びよんとのびたゴム紐の繋ぎ目をよく見ると、帽子のような何かからのびた細くて小さな手が、ガッチリと握手をしているみたいだった。
赤組の帽子がその子の頭にガッチリ噛みつくのを見てから、先生はニンマリと笑った。
先生
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