この作品はいかがでしたか?
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主
主
主
日帝
プロイセン
日帝
日帝
プロイセン
日帝
日帝は、プロイセンに逃げ場を絶たれた後 そのまま抱き上げられ連行されていた。
膝と背中に手を回され 俗に言うお姫様抱っこなるものを されている。
この歳になって、まさかこんな運び方をされるとは。 まだ、10代の思春期真っ只中であれば 大人のしかも顔が整った男性に この様な運び方をされれば恐らく喜んでいたかもしれない。
だが、日帝ももう20歳を向かえている。 喜びより恥ずかしさの方が勝ってしまい どうにかプロイセンの手から逃れようと 足をばたつかせ手で強く胸を押し返す。
プロイセン
プロイセン
日帝
その問いかけにプロイセンは 少し思案げな顔をしていたが それも一瞬のことで直ぐにご機嫌そうに笑うと 突然顔をぐっと近づけてきた。
何か盛大な含みがありそうなその笑みに 嫌な予感を覚えずにはいられない。 安易に好奇心で聞くものでは無いとまた1つ学んだ。
プロイセン
日帝
猫の五感の中で最も優れているのは聴覚である。 人間の何倍以上も聴き取れる事が出来るそこは その分神経も集中しており 身体の中でも特に敏感な箇所の一つだ。
そんな猫耳に、唇が触れるか触れないかの ギリギリの所で話され背中をゾクゾクしたものが走る。
思わず潰れたような声が出てしまった。 倒れていた猫耳は、ピンと直立になり ふわふわだった尻尾は毛が逆立ち 大きく膨らんでいる。
日帝
プロイセン
プロイセン
対して残念そうに思っていないであろう あっけらかんとした顔でそう言い放つと プロイセンは直ぐに顔を離した。
良いようにからかわれた気がして 少しムッとするが余計な事を言えば 再度反撃を食らうのは目に見えているので 渋々と口を噤む。
プロイセン
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日帝
アメリカ(☆48)
日帝は、子猫の姿の時に連れて来られたアメリカ専用の執務室であろう部屋に再度連行されていた。
そこには執務用デスクに肘をつき 言葉では形容し辛い顔でしかし目だけは 鋭い目つきで日帝を見据えるアメリカに 先程受けたダメージを氷で冷しているソ連と露帝 険しい表情の中華民国だった。
アメリカの右斜め後ろには いつの間に帰って来たのか いなかったはずのイギリスも控えている。
プロイセンは、革張りのソファに日帝を降ろすと そのままイギリスとは反対方向に 腕組をして立った。
様々な感情の籠った容赦のない 厳しい視線に晒され 日帝は、居心地の悪さに耳を倒し 膝を抱え尻尾を前に回して極限まで縮こまる。
見るに耐えかねた中華民国が その視線を遮断するかのように 日帝の目の前に立つ。
中華民国
日帝
アメリカ(☆48)
日帝
不機嫌な重々しい声に咎められ 余りの威圧感のある声音に 本能的に気圧された日帝は 目の前にいる中華民国に抱き着いた。 背中から前に腕を強く回し 隙間が無くなる程密着している。
中華民国
日帝
日帝
中華民国
中華民国が、こんなにも焦燥しているのには なにもアメリカ達のせいでは無い。
いや、確かに彼等の 悪意剥き出しの目線も嫌だ。 だが、それよりなにより 自身の背中に直に当たっているのだ。 なにとは言わないがそこは察して頂きたい。
日帝が腕に力を込める度に アメリカ達の機嫌が更に悪くなり それに日帝が怯えて、また抱き締める力が強くなる。
最悪な負の連鎖に陥ってしまっていた。 このままでは話が進まないどころか 事態が悪化していく一方である。
それを悟った中華民国は 半ば開き直りつつ声を張り上げた。
中華民国
中華民国
これ以上抱き締められ続けるのは 自分も辛い。純粋に
アメリカ(☆48)
アメリカ(☆48)
中華民国に窘められて 多少の冷静さを取り戻したアメリカは 頭に上った血を冷やす為 また、嫉妬に狂った荒れる心を鎮める為に 一度目を閉じて深呼吸をした。
次のアメリカの一言を皮切りに 他の者達の周囲に渦巻いていた 重く不穏な空気も一瞬にして也を潜める。
アメリカ(☆48)
アメリカ(☆48)
中華民国
中華民国
戦戦恐恐とした心持ちで背中から顔を出すと 先程の雰囲気とはガラリと変わって 子猫の時に見せていたアメリカの姿に日帝は安堵した。
まぁ、植え付けられた恐怖は そう簡単に拭うことは出来ないので 中華民国の腕は精神安定剤として 掴んでおこうと思う。
アメリカ(☆48)
アメリカ(☆48)
日帝
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イギリス
アメリカ(☆48)
イギリス
プロイセン
アメリカ(☆48)
今朝起きてか何故か猫になっていたこと 話すがやはり皆一様に 信じられないという顔をしている。
確かに猫耳、尻尾の生えた日帝が目の前に居ること そして、ソ連が子猫から人間に戻った瞬間を 目撃していなければ非現実的な話なのは明白だ。
アメリカ(☆48)
日帝
日帝
ロシア帝国
日帝
ロシア帝国
死
という生けるものであれば 誰しもが漠然とした不安を覚え 時には、その不安から精神に異常を来す者さえ現れる畏怖の象徴
日帝は、ロシア帝国の言葉に 今更死の瀬戸際に立っていた時を思い出す。
2人が来なければ自分はもう この場にすら、居なかったという事実に 頭から冷水を浴びせられた様に 身体中の体温が下がり震えが止まらなくなる。
日帝
ソ連
ソ連
ロシア帝国
日帝が泣きそうになっている姿を見て カッとなったソ連がロシア帝国の胸倉を掴んで 食って掛かりロシア帝国がそれに相対する。
ロシア帝国もまた発見するのが もし、少しでも遅れていたら 日帝を目の前で失っていたかもしれないという恐怖に苛まれていた。 厳しい言葉になってしまっても やむを得ないだろう。
それほど、愛する人を失うという事は 遺される者にとって何よりも耐え難い事なのだ。 ソ連、ロシア帝国共に2人の心情を理解している 他の者達も容易に口を挟む事が出来ない。
部屋中が混迷を極める一歩手前という最中 突如部屋の扉が煩雑に開かれる。 扉を開けた人物は、一度キョロキョロと見回すと 中の状況等お構い無しに一目散に 日帝の元へ歩み寄りそのままの勢いで日帝に抱き着いた。
ナチス
日帝
そのまま押し倒され あわや頭をソファに打ち付けるかと思ったが 頭の後ろに回ったナチスの手がそれをすんでのところで防いだ。
ナチス
肩に顔を埋め狂ったように 只管自身の名前を呼ぶナチスに 日帝も困惑せずにはいられなかった。
日帝
日帝
どうにか落ち着かせようと 声をかけてはみるものの その声も届いていないのかナチスは 追い縋ったまま顔を上げようとしない。
どうにも出来なくなった日帝は 中華民国に助けを求めるが 首を左右に振られてしまった 彼女の声が届いていないのなら 自身が何を言っても無駄だと判断したらしい
日帝
日帝
ナチス
日帝
日帝
ナチス
ナチス
ずっとずっと探していた。 ただ会いたくて。
どこを探しても見つからない。 心に空いた日帝にしか埋められない大きな穴は 日に日に虚しさを増していき 会いたい気持ちだけが先走って なんの手応えの無い日々に苛立ちが加速する。
日帝
日帝
ナチス
自分は夢でも見ているのでは無いかと思った。 長年追い求めていた最愛の人物が 今目の前にいる。 なんの、手がかりも無かった日帝が。
自分が都合のいい夢を見ているだけなのであれば 夢が覚めてしまうことが怖かった。 また、日帝のいない日々に戻ってしまうのが
日帝
日帝
その言葉にやっと顔を上げたナチスは 恐る恐る日帝の頬に手を伸ばす。
彼女の存在を確かめるように何度も何度も いろんな角度から。 日帝は、ナチスの気が済むまで大人しくしていた。 彼が安心出来るのであればこれぐらいお安い御用だ。
ナチスは数分間、日帝に抱き締められ 漸く落ち着きを取り戻したようだ。 捨てられた子犬のような顔をしていたが 今はもういつもの真面目で凛々しい顔つきに戻りつつある。
ナチス
日帝
ナチス
日帝
本日2回目の話の流れが変わった瞬間である。 今までのしんみりとした雰囲気は どこへ行ってしまったのやら。 温度差に風邪をひいたらどうしてくれるんだと思った。
ナチスと日帝のやり取りを見守っていた 周囲の者達も突然雲行きが怪しくなった事に 揃いも揃っておや?っと首を傾げている。
ナチス
脱げ
日帝
ナチスの手が服の裾を持ちそのまま 脱がそうと躍起になっている。 こんなところで脱がされたら たまったものでは無い日帝は 裾を必死に抑え死にものぐるいで抵抗する。
中華民国
中華民国も力の限り 腕を掴んで押さえ付けようと踏ん張るが 如何せん火事場の馬鹿力とでも言うのだろうか。
ビクともしないのである。
中華民国
日帝
イギリス
アメリカ(☆48)
プロイセン
アメリカ(☆48)
中華民国
満州国
満州国
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アメリカ(☆48)
ナチスの暴走をプロイセンが ゲンコツという名の鉄槌で 沈めた所で脱線していた話が元に戻った。 ナチスは、ソ連とロシア帝国がいる安置所で 殴られた箇所を氷で冷やしている。
その顔は、何故殴られたのか分からないと 不平不満を盛大に表していた。 普通に殴られて当たり前のことをしたからである。 それ以下でもそれ以上でも無い。
日帝は、また脱がされそうになる前に 満州国の持ってきた洋服に着替えた。 これで一安心だ。
日帝
アメリカ(☆48)
日帝
日帝
ロシア帝国
日帝
アメリカ(☆48)
全てを理解したアメリカはニコニコと満足気に笑っている。
アメリカ(☆48)
日帝
日帝は忘れていた。
子猫の姿の時に アメリカがなんて言っていたのかを。 すっかり頭から抜け落ちてしまっている日帝は なんの疑いも持たずアメリカに近寄っている。
今まで良く何事も無く生きて来れたなと 心配になる程だ。 まぁ、皆一同アメリカが考えているであろう事に 異論は無いので余計な口は挟む気はないし 助言するほど優しくも無い。
日帝
アメリカの手が届く範囲まで 日帝が近付いて来た瞬間 アメリカが日帝を抱き上げ 自身の膝を挟むように座らせる。
日帝
アメリカ(☆48)
突拍子も無い発言に訝しげに目線を向けるが アメリカは相変わらずニコニコ笑うだけで 何も答えるつもりは無さそうだ。
何か胡散臭さを覚える笑だが 右耳ぐらいなら良いかと素直に横を向いた。
左に顔を向けると そのままアメリカの指が右耳に触れる。 数回軽く撫でられ何しているのか疑問に思った。 その瞬間、パチンと何かが弾ける音が鳴ったと同時に 右耳の耳朶を何かが貫通した。
日帝
後からジンジンと鈍い痛みを伴って 何かが貫通したであろう箇所が熱を帯び始める。 自身で確認してみるとそこには 今まで付けていなかった筈のピアスが 付けられていた。
日帝
アメリカ(☆48)
アメリカ(☆48)
日帝
アメリカ(☆48)
逆になんの問題も無いと思っている方がおかしい。
日帝からしたら日本ならまだしも 何故こいつらに飼われなければならないんだという思いしかない。
日帝
日帝
アメリカ(☆48)
ドアの前には、復活したソ連とロシア帝国が陣取り ドアと反対方向つまり、自身のすぐ近くにも 解放感のある大きな窓はある。 だが、左右にはプロイセンとイギリスが控えていて この二人相手に脱出するのも不可能だろう。 完全に四面楚歌の状態である。
そもそも、アメリカに腰をがっしりと掴まれているので立ち上がるのすら難しい訳なのだが。 なぜ、なにも疑うことなく近寄ってしまったのかと。 あの時の自分を激しく憎んだ。 転生前だったら、切腹ものだぞと思いながら。
アメリカ(☆48)
日帝
このタイミングで それを言われてもどうしろと言うのか。 確かに、今この場にいる者全員 左耳にそれぞれ色の違うピアスを付けているが 正直それどころでは無い。
ソ連
ロシア帝国
そして、ソ連とロシア帝国の2人の会話は 周りの喧騒に呑まれ日帝の耳に 届くことは無かった。
プロイセン
日帝
アメリカ(☆48)
アメリカ(☆48)
プロイセンの手が首に回されそのまま 如何にも高級そうな素材で作られた首輪を 付けられる。 しかも、ご丁寧に同じ素材でできたリードまで 用意されていた。 人間相手に何をする気だと戦慄するが もう繋がれてしまったので 今更暴れても後の祭りである。
イギリス
首輪が似合ってると言われて 喜ぶ人などいないだろう。 一部そういう特殊な癖をお持ちの方々なら 嬉しいのかもしれないが 残念ながら日帝はノーマルだった。
プロイセン
日帝
日帝
アメリカ(☆48)
日帝
ドン引きである。
アメリカ(☆48)
日帝
腰に回された腕はそのままに リードのみを引っ張られた為 体制を維持することが出来ずアメリアの胸に寄りかかってしまった。
先ほどより大分近くなった距離に 動揺を隠せない日帝は 顔を下に向けるが 顎を捕まれ無理矢理目線を合わせられる。
アメリカ(☆48)
アメリカ(☆48)
日本に飼ってもらおうと思ったのに 大企業の社長とその役員達に飼われることになりました。
お願いです、誰か助けて下さい。
オマケ
日帝
アメリカ(☆48)
日帝
日帝
アメリカ(☆48)
日帝
日帝
アメリカ(☆48)
アメリカ(☆48)
日帝
満州国
アメリカ(☆48)
日帝
この後、日帝がまた子猫に姿に戻ってしまい 流石に子猫を地下室に監禁するのは 可哀想だと満場一致したのでなんとか地下室監禁は免れた
日帝
今度こそ終わりだよ
主
日帝
アメリカ(☆48)
プロイセン
ナチス
イギリス
ロシア帝国
中華民国
ソ連
満州国
主
主
主
コメント
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うわぁーーー!ざいごうー!(最高)
んまぁ、なんて最高で尊い作品なんでしょう 一定の流れが好きすぎて死にそう