この作品はいかがでしたか?
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主
主
日帝
満州国
ナチス
日帝は今人生最大の危機に直面していた。 いや、先程まで生死の境をさ迷っていたので それと比較したら人生最大では無いかもしれない。 だが、絶対に2番目ぐらいには ランクインされるであろう危機である事に間違いはない。
白衣を纏い、消毒液の匂いを身体中から漂わせ 注射を片手にジリジリと滲み寄って来るこの男。
そう、日帝のみならず 恐らく人類又はその他の生物にとって 共通の大敵と言っても過言では無い であろう医師である。 多分。
日帝が猫に戻り、地下監禁を免れたタイミングで インターホンが鳴り響き来客を告げた。 ロシア帝国が、部屋から出て行った後 暫くしてこの獣医師を伴って 何食わぬ顔で入って来たのだ。
獣医師
獣医師
日帝
獣医師
注射片手にジリジリと滲み寄ってきているくせに どの口がほざいているのか。 医師が1歩近づいてくる度に 日帝は後ろに数歩後退する。
だが、子猫の短い手足では すぐに距離を詰められてしまうので とてもジリ貧な攻防戦だった。
ソ連
ソ連
ロシア帝国
中華民国
ロシア帝国
ソ連
日帝
日帝
満州国
最初は良かったのだ。 これが大事な事だと日帝も理解しているので 大人しくされるがままだった。
この獣医師も普通に、耳の中や口の中 身体の至る所に触れて病気や怪我が無いかの触診をされていただけだ。 それだけなら日帝も、ここまで怒ってはいない。
だが、注射もされるのであれば 話は別である。 日帝は、注射が人間の時から得意ではなかった。
あの、針を刺し液体が中に入り込んでくる時の感覚が気持ち悪すぎるのである。 後、ロシア帝国が読み上げた口コミ通り 獣医師がにやにやしながら にじり寄ってくるのが嫌すぎた。
そんな、圧倒的不審者の立ち振る舞いをされたら誰だって威嚇をするのは当然の事だ。
日帝
日帝は、先程直ぐに助けてくれた中華民国であれば今回も止めてくれるのでは無いかと 少しの望みをかけて彼の元に駆け寄った。
人間は可愛い物に目が無いのは世界共通のはず。 出来るだけ、可愛く見える様に 首を傾げ足に手を乗せて敢えて控えめに。
中華民国
中華民国
日帝
にべも無く断れてしまった。 こんなに可愛くお強請りしているのに断るとは…人の心が無いのかこいつはと唖然としてしまった。
日帝
ナチス
だがしかし、ここで落ち込でいる場合では無い。 中華民国がダメなら他の者を懐柔しようと 次のターゲットに決めていた者(ナチス)の元へと歩み寄る。 彼は、足元まで来た日帝を優しく抱き上げた。 日帝は、先程中華民国にやった様にまた同じことをする。
別にナチスが自分に対して 1番ちょろそうだからと言う理由で 彼を選んだ訳ではいない。 …決して
日帝
ナチス
ナチス
日帝
日帝
そんなこと言われても嫌なものは嫌なので 仕方ないのである。 人間の時でさえ痛みを感じるのに こんな小さい身体に、あんなもの刺すなんて考えただけでも恐ろしい。
中華民国
ナチス
中華民国
日帝
ナチス
だが、日帝の思惑通り ナチスの意思はお豆腐のように 柔らかい素材で出来たらしい。
ナチス
日帝のあざと可愛さに難なく 没落させられていた。
ナチス
日帝
中華民国
流石である、やはり私の目に狂いは無かったと 日帝は謎の自信に満ち溢れていた。 信じるべきは昔の仲間なのだ。 ナチスは、転生前から何故か自分に甘い節があった。 日帝の進言にはほぼほぼYESを返すし 何処かに行こうとすると1人ではダメだと必ず付いてくる。
当時は、ぶっちゃけ鬱陶しi…失礼、邪魔だなぁと 思っていたが、今となっては感謝の言葉しか出て来ない。 みゃーしか言えないのだが。
言葉にして伝えられないので 日帝は、行動で示すことにした。 抱き上げている彼の手に頭をこれでもかと押し付けた。 ナチスの顔がもう皆様にお見せできない程 デロデロに崩壊してしまっている。
ナチス
ナチス
中華民国
日帝
ナチス
最早誰おま状態である。 猫語理解出来るのかとかそんなことはもうどうでもいい。
勝手に1人と1匹で話を進めているが ワクチンを打つのは決定事項だ。 打たないという選択は中華民国の中には無い。
ナチスをどうにか出来ないかと アメリカ、プロイセン、イギリスの方を見るが 我関せずといった様子でこちらを眺めているだけだった。
多少は、手伝う素振りでも見せてくれてもとは思うが完全に傍観者を決め込んでいる。 さっきまで生き生きして首輪とピアス付けてたくせに面倒事はすぐ中華民国に押しつける。 最悪な上司達である。
ソ連
ソ連
ロシア帝国
中華民国
満州国
何もしない癖に口だけ達者な奴程 腹ただしいものは無い。
もう、これ手出しても僕悪くないよな? うん、悪くないと勝手に自己完結して しばき倒してやろうかと思った。 満州国に止められたので 今日のところは許してやることにする。
獣医師
どこまで行っても自由気ままに振る舞う奴らに 中華民国の怒りが頂点に達そうとしていた時 獣医師が相変わらずニヤニヤしながら 自信満々にそう宣言する。
まず、そのニヤけた面をどうにかして頂きたいのだが。
自体をここまでややこしくした割に ドヤ顔でそんな巫山戯た発言をするので 少しイラッとした。 今日は、カルシウムが足りていないのかもしれない。
中華民国
獣医師
獣医師
獣医師
そういうと、ソッと注射器を構え 日帝達がいる方に歩み寄る。
日帝は、相変わらずナチスと顔を寄せあってイチャイチャしている。 完全に油断しているみたいだ。
獣医師は、背後から音もなく近寄るとそのまま 首根っこを掴み伸びた皮に注射を躊躇無くぶっ刺した。
日帝
獣医師
それはまるで、忍者のように音もなく俊敏で 気がナチスに向いていたとはいえ 動物である日帝に気配を悟らせない程 無駄の無い動きだった。
もしかしたら日帝の危機管理能力がバグっているだけかもしれないが。
獣医師
獣医師
仕事をやり終えた獣医師は 先程とは打って変わって 清々しい笑みを浮かべている。
そそくさと持ってきた道具を纏めると 何事も無かったかのように 颯爽と去っていった。
日帝
日帝
嵐のような一瞬の出来事に まだ思考が追いついて居ない日帝は 呆然としつつ掠れた声を絞り出しながらナチスを見上げた。
ナチス
ナチス
日帝は、信じられないと言わんばかりに目を丸くしてナチスを見つめている。 まさかのここに来てナチスに裏切れるとは… なんということだ…。 まぁ、別にナチスは裏切っていないのだが。
ただただ獣医師が熟年の手練で 日帝より1枚上手だっただけの話だ。
満州国
それは確かにそうだ。 そうなのだが。 後ろから勝手に打つなんて 誠実さに欠けているのでは無いか。
と思いながら 日帝は身体をプルプル震わせ 非難の目を向けた。 その背中には、見ているこちらが同情してしまうぐらい悲壮感が漂っている。
ナチス
ナチス
中華民国
中華民国
日帝
中華民国のキツい言葉に耳をぺしゃっと して弱々しい声で返事を返す。
だが、これも日帝の為を思っているからこその言葉だ。 完全室内飼い(仮)だが、それでも何が起こるか分からない。
大切に思っているから なに不自由無く元気に育って欲しいから 日帝だって今までの自身に対する接し方や 言葉の節々からそれを十分すぎる程 感じている。
好き好んで痛い想いを意図的に させてやろうと思う人は 少なくともここには居ない。
なので、そんな事を言われてしまえば彼らの行いに関してこれ以上責め立てることは出来ない。 でも、腹の虫はまだ収まっていない。
それならばと
せめてもの意趣返しとして 日帝はナチスの指にカプリと噛み付いた。
その光景を見たメンバー達は小さく口を開いたまま呆然とする。
まさかお風呂に入れた時に何もしなかった日帝が 牙を立てるなんて、そんなこと夢にも思ってなかったのだ。
ナチス
ソ連
プロイセン
イギリス
ロシア帝国
満州国
アメリカ
アメリカ
イギリス
なんとも言えない沈黙が当たりを包みこんでいたが 1人が話し出すと皆一斉に話始めた。
今度は、みんな同時に話過ぎて何を言っているのか分から無くなっている。 誰1人として声を聞き取とることが出来ない 中華民国は、0か100しかないのかこいつらはと呆れ果てた。
そんな彼らを他所に 日帝はまだナチスの指を咥えたまま あむあむと口を動かしている。
ナチス
ソ連
最初に呟いて以降 沈黙を保っていたナチスが何か話しているが 如何せん声が小さすぎて何を言っているか分からない。
ソ連が再度聞き返すとナチスは 今度は部屋中に響き渡るような大きい声で 再度言い放った。
ナチス
中華民国
納得である。
いっその事親の仇でも取るかのように 思いっきり噛んでくれたら良いに。 全然するつもりは無かったのだが 結果的に騙し討ちに加担した形になっていたナチスは、多少の罪悪感を負っていた。
それに加えて、この日帝の優しさが彼の心の 罪悪感を余計に加速させてしまったみたいだ。 尊さと罪の意識がごちゃ混ぜになって もう感情の振り幅が限界突破してしまっている。
日帝は、ナチスを傷つけようと思って噛んでいる訳では無い。 少しだけ注射の鬱憤を晴らしたかっただけなのだ。 なので、そこまで力を込めるつもりもなかった。
ナチス
日帝
感情の振り幅が限界突破してしまっているナチスが 今度は、唐突に涙ぐみながら顔を片手で 抑え始めたので日帝はやり過ぎたかもしれないと焦り始めた。
猫の牙は鋭く尖っている。 多少の力で噛んでいるつもりだったが 予想以上に牙が刺さってしまったのかと 思い一旦口を離す。
そして…
先程あむあむしていた箇所を 労るように小さい舌でぺろぺろと舐めた。
ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙?!?!
中華民国
満州国
叫びすぎて喉が潰れるのでは無いかと 思うぐらいの大声量である。 しかも、声が低い者たちばかりなので 凄い呻き声にも聞こえてしまいそうで 若干通報されないか不安になってしまうぐらいには やかましかった。
そして日帝の初めての あむあむ&ぺろぺろを獲得した張本人のナチスは 立ったまま固まっており微動だにしていない。
彼の目は、これ以上無いくらい開いているので 恐らく起きているだろうが 動かなさ過ぎて目を開けたまま 気絶している可能性も捨てきれない。
中華民国と満州国以外は そんななんの反応も示さない彼に 詰め寄って次々に妬みと羨望の思いをぶつけている。 誰かは認識出来ないが感想まで聞いている者もいる。 感想聞いてどうするつもりなのかは本人のみぞ知るだ。
日帝
誰も自分に構ってくれなくなった日帝 またの名を諸悪の根源は早々に飽き始めたのか 呑気に欠伸をしている。
満州国
日帝
ナチスの腕から飛び降りると 満州国の元へ行き抱っこを強請った。 満州国に持ち上げられて 頭を優しく撫でられる。 その気持ち良さに気が緩んだのか 日帝は大きい欠伸を何度も零す。
中華民国
日帝
何時終わるかも分からないし 止めに入ってもすんなり はい分かりましたとやめる程素直では無いということは、一緒に暮らしていて嫌になるぐらい理解している。
これ以上この場で待っていても 時間の無駄だと判断した2人と1匹は 未だギャーギャー騒いでいる者達を尻目に その場を後にした。
**********
その日アメリカ、中国、ロシアが3人でアメリカの溜まりに溜まった締切間近の仕事を分担してやっていた時のこと。
アメリカ
中国
ロシア
アメリカ
アメリカ
アメリカ
アメリカ
中国
ロシア
中国
中国
アメリカ
アメリカ
ロシア
3人で仲良く?ふざけ合っていると 会議室の扉が大きな音を立てて開いた。
アメリカ
アメリカ
ロシア
中国
ロシア
日本
日本は何も言わず ただただ険しい顔をして早足に近寄って来ると 机に手を強く叩きつける。
アメリカ
ロシア
中国
アメリカ
アメリカ
アメリカ
日本
アメリカ・ロシア・中国
アメリカ・ロシア・中国
日本
日本
日本
アメリカ・ロシア・中国
終わりだよ
主
主
主
主
主
コメント
18件
私も…甘噛されたい…ッ!!ペロペロされたいッ!!アアアアアアアアアアアアアアアア(((殴
獣医さん好きかも(笑) 甘噛みにてにゃんも可愛い💕
え 、ちょっと待って … え゛ッ 尊 ! ? ! ? ︎💕︎ いやホントに尊いですありがとうございます食べます 🫠🫠🫠 ŧ‹”ŧ‹”(?) 日帝chan… 私にも同じことしt((🤛 いやダメだ 。同じことされたら■ぬ 。 ( 尊さで )