第1章 出発
午前11時20分…出航10分前
豊島姉弟が港に着いた。瑞季はタクシーの運転手に料金を払い、郁は荷物を外に出した
郁
‥姉ちゃん、見て!
郁に言われて瑞季は郁の指差す方を見た
瑞季
‥すごい
大きさは勿論、どこか華やかしさがある船が姉弟の目に入った
瑞季
あの船よ、乗るの
瑞季がチケットを見て確かめた
郁
本当に!?急ごう!時間ないよ!
郁は瑞季に腕を引き、船に向かった
その後方で
文
よかった!間に合った〜
文も港に到着。携帯を開き、時刻を確認した
文
ギリギリセーフ!…さて、”あの人”に連絡入れる前にメールチェック…”兄さん”からの受信は無し。まぁ分かっていたけど
文はため息をつき、”あの人”に電話をかける
文
はい、分かりました。ではあとでーふぅ。船内はBOX電話以外あまり電波通じないからねー
文は携帯を鞄にしまい、受付へ向かった
船員
よし!時間だ。受付終了〜片付けるぞ
受付担当が片付けに入った。数分後、片付けが終わり、船内へ戻る
船員
船長、受付の片付け終了しました
受付担当がインカムで船長に伝える
幸一
ご苦労
船長が返事をしてインカムを切った
幸一
出航だ!