「赤薔薇様、どうかこの子に慈愛の加護をお与えください」
赤子を抱えた若い夫婦がやってきた
人間は揃いも揃って頭が悪いのだと思う
頼めば加護を受け取れる、そう思っている
気安い考えすぎて気に入らない でもここで断ると俺の都合が悪い
だから綺麗な笑みで答えあげる
「ええ、もちろんです」
祈る姿勢で、愛に溢れた笑顔でその願いに答えてあげる
すると女の腕の中の赤子が一瞬柔らかに光に包まれた、人間のとこで言う神聖なる議というものだろう
それが終わると夫婦は幸せそうな顔をしながら礼をし去っていった
さっきのやつらを初めとした連中は俺を優しい優しい守り神だと思ってる
それも1つの宗教の小さな神ではない 世界中で信仰されている神だ
皆に愛を持って接しその暖かさで包み、そのもの達がピンチの時に助け、長きに渡る平和と家族の繁栄の神である "慈愛の神、赤薔薇様"
赤薔薇様は今日も民に寛大な優しい心で見守ってくれている
んなわけねぇだろ
俺に加護を与える力はない
俺にある力は
呪いを与える力だけ
「ほんと、人間ってバカだよなw」
これは遠い遠いはるか昔のお話
加護を与え人々を幸せに導く守り神なのに加護を与えず呪いを与える1人の神と
呪いを与えられた5人の人間のお話
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