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9件
初コメ失礼します🙇♂️ きんにくまんさんの作品全部一気見してしまいました....!!失礼を承知ですが...このコメントに全部の作品の感想書いてもよろしいでしょうか...!!!!てか書くんですけど.(すみません💦)きんにくまんさんまじ神じゃないですか⁉️最初に見た作品は、佐久早の「声を聴かせて」がきっかけできんにくまんさんを見つけてしまいました...こんな神様早く見つければよかったです...続きます⤵︎ ︎⤵︎
コツコツとヒールの音が響く
教室の前に立った瞬間
音が遠のいた気がする
廊下の足音
チャイム直前のざわめき
それらが1枚の扉の向こうに隔てられている
○○は扉に手をかける前に深呼吸をした
...大丈夫
普通にやれば、何も心配ない
隣に立つ氷室が軽く顎で合図をする
氷室
扉が開かれて
○○の足は進んだ
一斉に視線が集まるが
教室はすぐに静まり返る
警察官の制服が持つ
あからさまな効果
○○は教卓の前に立つ
名乗るより先に視線だけで教室を一巡する
前の方
椅子を少し斜めにして座る男子生徒
目が合う
二口堅治は驚いた様子を一切見せなかった
ただ
ほんの一瞬だけまゆが動き
次の瞬間にはいつもの余裕のある表情をしていた
...いる
それだけ確認して○○は視線を外した
〇〇
〇〇
淡々とした声
感情を挟まない、夜と同じ調子
黒板に貼られた時間割の横に
「特別授業」の文字が見える
〇〇
その一言で空気が揺れる
〇〇
〇〇
〇〇
ざわ、と小さな声が立つ
その中で二口が小さく笑った
二口
二口
教室にクスッと笑いが広がる
○○は二口を見ない
〇〇
〇〇
事実を述べる
余計な説明はしない
二口がまた口を挟む
二口
二口
二口
○○の手はピクっとうごいた
○○はペンを持ち替え
返事はしなかった
完全な無視
空気が一瞬居心地の悪いものに変わる
氷室
柔らかい声
氷室
氷室
氷室は笑いながら教室を見渡した
氷室
空気が少しだけ緩む
二口は氷室の方を見て肩を竦めた
二口
二口
○○はそのやり取りにも反応しない
黒板に向き直り
決められた資料をめくる
黒板に映し出されたスライドが
1枚ずつ切り替わっていく
○○の声は一定だった
強くも弱くもならない
夜の現場で繰り返されてきた調子
〇〇
〇〇
〇〇
教室を見渡しながら淡々と続ける
〇〇
〇〇
〇〇
〇〇
誰かが頷き
誰かは興味が無さそうにペンを回す
所謂一軍の空気も揺れていない
静かに聞くものもいれば
余裕を持ったまま受け流す者もいる
二口は椅子に深く座りながら
肘を着いて前を見ていた
真面目に聞いてるようにも
そう出ないようにも見える
曖昧な態度
○○は彼を見ない
〇〇
〇〇
〇〇
その言葉に教室の空気が少し変わった
二口が鼻で笑った
二口
小さな声
けれど、十分に聞こえる
○○は何も言わない
スライドを次に進めるだけ
無視。
その様子を見て氷室が1歩前に出る
氷室
氷室
軽い口調だった
氷室
氷室
教室にクスッと笑いが起きる
○○はそのまま話を続けた
授業は大きく乱れず進んでいく
そして最後のスライド
〇〇
○○は資料を閉じる
〇〇
その瞬間
待ってましたと言わんばかりに声が上がる
二口
二口だった
担任が止めるまえに
彼はにやりと笑って言った
二口
一瞬空気が止まった
○○の表情がほんの僅かに歪む
眉がより
口元が固くなる
ため息が静かに落ちた
想定外...
でもない
でも慣れてもいない
その間に即座に氷室が入る
氷室
軽やかに
冗談だとわかるトーンで
氷室
氷室
教室が一気に沸く
女子たちの「きゃー!」「まじ?」
「警察同士!?」
といった声が弾み
場の空気が一瞬で緩む
○○は何も言わない
否定も肯定も何もしなかった
ただ、氷室を一瞥してから視線を戻す
二口はというと
机に頬杖を着いたまま
明らかにつまらなそうな顔をしていた
さっきまでの余裕は消え
口元は、真一文字
二口
小さく呟いて
それ以上何も言わない
○○はその変化に気付かないふりをした
けれど胸の奥になにかざらついた感情があった
この一週間はきっと静かでは終わらない
そう確信するには
十分な授業だった
教室を出た瞬間
空気がふっと軽くなった
廊下は昼の音で満ちている
別のクラスの笑い声
足音
チャイムの余韻
○○は資料を抱え直し歩き出そうとする
氷室
隣で氷室が小さな声で言った
氷室
冗談めいた口調
でもちゃんと気遣っているのがわかる
○○は一瞬だけ視線を落とした
〇〇
〇〇
ただ、それだけ
それ以上でもそれ以下でもない
氷室はそれ以上踏み込まず
軽く笑った
氷室
○○は頷く
その背中を振り返らなかった
一方教室では
加護
加護が椅子を引きながら
二口の方に肘を寄せる
加護
二口
加護
加護
その名前に二口の眉はピクリと動く
加護
加護は悪気なく言う
加護
加護
二口は立ち上がり机にカバンを掛けた
二口
興味無さそうに言いながらも
視線は廊下に向いている
二口
加護
加護は笑って流す
加護
加護
その瞬間後ろから加護は叩かれた
中井
二口
中井は加護を叩いたプリントをサッと払った
中井
中井
髪を指でいじりながらはっきりと言った
中井
中井
中井
中井
と言って同意を求めるように俺を見た
二口
素っ気ない返事
中井は一瞬口を尖らせる
中井
その表情の裏にある感情を
二口は見ないフリをした
彼の中には
さっき教室を出ていった背中だけが
何故か残っていた
制服の背中
振り返らなかった、その歩き方
可愛いとか、嫌いとか
そういうのじゃない
そんな単純な言葉では
括れないほどの存在
二口はそれを誰にも言わないまま
廊下に足を向けた