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???

人と関わり合うのが嫌、ねぇ

鈴のような優しい声。

???

確かに、先生もそれに近いかなぁ

先生も…

人を信じるのは苦手?

???

…うん。

でもね、と先生が続ける。

???

先生は、いい人に囲まれて生きてる

???

だから

???

今はすごく幸せ

……

それはあなたが大人だからそう思ってるだけでしょ、とは言えなかった。

だって、

???

癒夢さん、また保健室にいたのですか?

???

スクールカウンセラーに代わってもらいましょうよ

???

私も今は職員ですし、

???

私が代わってもいいんですよ

茶髪を小さく結わえた男性が、

幸せそうな先生を見つけて笑うから。

???

いいんだよ、

???

生徒に寄り添うなら担任が一番でしょ?

???

…それもそうですねぇ

夕日にきらめく保健室では、

場違いに幸せな二人だった。

…Broooockさん?

Broooock

YES!I’m Broooock!

Broooock

今から僕とお話Timeだよ〜

……

この人、キャラ濃い。

でも、嫌いじゃ、ない。

Broooock

君は人を信じるのが苦手なんだね?

苦手、というか

なんて言えばいいのかな

…怖いんです

Broooock

怖い?

Broooock

人を信じるのが?

…はい

Broooock

それはどうして?

…………

だって、

人は音楽と違って、自分から歩み寄ったりしなきゃいけない

喧嘩したり、いじめがあったり、色々大変だから

だからもう、

もう人と関わるのはやめたいなって

Broooock

…なるほど〜

Broooock

なるほどねぇ

Broooock

人と関わり合うのが嫌、ねぇ

……っ!

まただ。

あの時と同じ。

Broooock

でもさ〜

Broooock

僕は今、

Broooock

いい人に囲まれて生きてるんだ

Broooock

だから……

もう…

たまらず私は大声を上げる。

もうその話は結構ですっ!!

大人の言葉。

独善的な思いやり。

都合のいい解釈。

偽善者の気遣い。

「大人になればわかる」

「だってみんなそうだから」

(みんながそうだから)

(大人がそうだから)

(だから私も?)

嘘だ。

私は人を信じるのが怖いんです

みんなのようにはなれない

歩み寄るのはいつも向こうから

私は音楽に篭もり続ける

それだけなんです

これから先、

ずっと──

私は教室で聴く音楽を思い出した。

こちらから歩み寄らずに済む、

夢のような楽園。

ヘッドホンの中の音楽は、 まるで綺麗な海のようで…

Broooock

…栞ちゃん

!?

彼を見る。

なんで……

彼は、

なんで…貴方が……

……泣いてるの?

Broooock

……だって

「大人だって」

「偽善者だって」

「悲しいときは悲しいから」

…………!

Broooock

君は忘れてる

Broooock

誰だって

Broooock

もちろん僕も

Broooock

上手く今日を生きるために必死なんだよ

Broooockさん…

Broooock

だからさ…っ

Broooock

だから、

Broooock

自分だけ違うなんて言わないで…!

Broooock

みんなが自分だけの色を見つけるのに必死で

Broooock

みんなが"本当の幸せ"を願って

Broooock

みんなが愛される事を望んでて

Broooock

みんな自分を偽ってる

Broooock

みんなは、そうして生きてるの

……っ!

Broooock

だから……さ

Broooock

君も、

Broooock

少しずつ、

Broooock

少しずつで、いいの

Broooock

みんなと、今日を生きよう?

…!

大人は、 解ったつもりなんだと思っていた。

大人は、 他人のために泣かないと思っていた。

大人は、

私とは生きてる世界が違うなんて

勝手に思い込んで───

……

…ごめんなさい

Broooock

眠そうな声の持ち主は、 優しく笑いかける。

Broooock

「謝らないで」

え…と呟いた私は顔を上げる。

Broooock

「謝らないで」

…なん、で

謝らないで……?

じゃあ、他に何て言えば…

……!

ゆっくりと口を開く。

「ありがとう」

Broooock

Broooock

よくできました〜!

Broooockさんが両手を掲げる。

そして、

光が舞い、

音が溢れる。

私の心の中も、 そうやって変わっていった。

望音

さて、黒葉

望音

研修も終わったし

望音

今日はぱーっと飲みに…

望音

……

黒葉

……

黒葉

あっ

黒葉

ご、ごめん

望音

また考え事?‪w

黒葉

うん、いや、…はい

望音

どっちよ‪w

黒葉

あは……‪w

望音

疲れてるんだね、

望音

まだまだ私たち、

望音

医者としての1歩踏み出したばかりだし

黒葉

…そうだね

望音

ま、今日の居酒屋は強制参加だよ〜‪w

黒葉

えっ俺はお酒弱い…

望音

はいはい

望音

その話は聞き飽きましたっ

黒葉

えー…

黒葉

(今、お姉ちゃんの声が聞こえたんだ)

黒葉

(なぁ望音、どう思う?)

黒葉

(謝らないでって)

黒葉

(そう…)

ときどき、望音は僕を理解しているような態度になる。

まるで、自分もWTに会ったことがあるみたいに……

……To be continued

【第五章】その背に手を伸ばして

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