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恋愛のすゝめ

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恋愛のすゝめ

7 - 恋愛のすゝめ 漆

♥

180

2019年09月30日

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まふまふside

僕と96ちゃんは、 向き合って座っている。

96ちゃんの傍には、 気絶したつっきーとやらが 横たわっている。

さあ、説教だ。

まふまふ

96ちゃん。

まふまふ

なんで、匿ってたの?

96猫

なんでって……

まふまふ

そりゃあね、
96ちゃんがご主人様に対して
忠誠心がないのは、
分かってるの。

まふまふ

だからって、味方が苦しむこと
しちゃダメじゃない?

96猫

……ごめんなさい……

まふまふ

まず、どういう成り行きで
匿ったのか、教えて。

まふまふ

それによって、怒るかどうか
決めるから。

96猫

…….もう怒ってるんじゃ。

まふまふ

ん?

96猫

………なんでもないです。

96猫

つっきーに会ったのは、
あの奇襲があった時、
つまり、昨日で………

96ちゃんは、昨日のことを ぽつぽつと語り始めた。

96猫side

〜一日前〜

やばいやばい!

もう夜だ!

大量の武器の材料を抱えて、 武器倉庫に向かって走る。

材料選びに時間かけすぎたー!!

早く行かなきゃ!

ここら辺ロウソク立てないから 暗いんだよな〜!

ガタッ!!ゴトッ!!

96猫

ん?

音が 聞こえる。 なんだか、激しいな……

怒号も聞こえてきた。奇襲かな?

96猫

……一応、武器準備しとくか。

わしは、さらに足を速める。

96猫

………あれ?

武器倉庫の前に、 暗くてわかりにくいけど 血痕があった。

………誰か、倉庫の中に居るのか?

これはまずいな………

もし中に敵がいたら、 殺されるかもしれないから。

わしは抱えていた材料を 足元に置き、その中の鉄と縄で 即席の武器を作る。

その武器を構えながら、 そっと倉庫の戸を開けた。

ガラガラッ

96猫

うわっ?!

倉庫の中に、 足が血まみれの武士が倒れていた。

武士はこっちを見ると、 絶望したような顔をした。

96猫

あんた……誰?

武士

っ………

武士の袴を見ると、 この城のものではなかった。

96猫

……敵だよね?

武士

……だったらなんだよ。

武士

殺すんでしょ?俺の事。

96猫

わしは首を傾げる。

96猫

殺して欲しいなら、
全然殺すけど?

96猫

でも……

この武士、死にたいって 思ってないよね?

武士

はは、潔いいな………

武士

なら、さっさと殺してよ…

武士

痛くて、苦しいんだ……

96猫

96猫

死にたいって、思ってる?

武士は、ゆるゆると首を横に振る。

武士

まだ、果たしてない約束があるから。

96猫

……なら、生きなきゃ。

武士

でも俺……敵なのに。

96猫

ああーーーもう!!!

96猫

ごちゃごちゃうるさい!!!

96猫

わしに敵味方の
線引きは無いんだよ!!!

96猫

ほら!!応急処置するから
大人しく座ってろ!!

思わず乱暴な口調になってしまう。

わしは武器倉庫の前に放置していた 材料を倉庫の奥に運び、 応急処置を始めた。

出血が多い。

傷口も深そうだな……

96猫

どういう風に斬られたの?

武士

……えっと、
地面に這いつくばってる
武士に斬られたから……

96猫

下から上にか……

やばい。血が、止まらない。

このまま血が出続けたら、 失血死してしまう。

だめだ。この人が死んでは。

ビリッ!

わしは近くにあった短刀で、 着物の裾を切り裂く。

武士

?!

武士

何やって……

96猫

圧迫止血法!!

そう言いながら、 傷口に着物の裾を巻く。

圧迫止血法は、 傷口を圧迫して 血を止める方法のこと。

この前、医師のさかたんが やってたから、間違いないはず!!

96猫

痛いと思うけど、我慢して!

ぎゅっと、傷口を縛った。

武士

いっ……痛っ……

武士は顔をしかめる。

96猫

大丈夫!!
絶対に治るから!

治る確証なんてなかったけど。

不安そうな顔をした この武士を、安心させたかった。

しばらくすると、血は止まった。

96猫

止まったっぽい。
良かった。

武士

…ありがとう。

96猫

貧血起こしてるだろうから、
寝てて。

武士

え…でもそんな、
迷惑かけられない……!

96猫

いいから、怪我人は寝ろっ!

わしがいつも寝ている布団に、 無理矢理武士を寝かせる。

武士

これじゃ、君の寝る所が…

96猫

いいの!
どうせ武器作らなきゃ
いけないから。

96猫

それじゃぁ向こうで
武器作ってるから、
ちゃんと寝ててよ。

武士

っ………

倉庫の奥に行こうとすると、 着物の裾が引っ張られた。

96猫

どこかに引っかかったかな?

振り返ると、武士が裾を握っていた。

武士

………お願い。

武士

俺を、ひとりにしないで…

その目は、酷く脅えていて、

裾を掴む指は、細かく震えている。

それでも、その目はまっすぐで。

何故だか分からないけれど、

目が、離せなかった。

この作品はいかがでしたか?

180

コメント

19

ユーザー

菜月さん 可愛く書けて良かったです!ありがとうございます

ユーザー

朱里さん それ、すごく楽しそうですね!

ユーザー

もも 神じゃないよ!!紙だよ!! おかちやしゃん…可愛いww

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